INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2019年1号

特集:重症感染症2

重症感染症は,集中治療医にとって常に頭を悩まされる問題です。2009年に行われた多国間横断疫学調査では,ICU患者の半数以上に何らかの感染症がみられ,70%以上の患者で抗菌薬が投与されていました。ICU患者が感染症を合併すると予後が悪くなることから,感染症を専門としない集中治療医にとっても感染症の知識を身に付けておくことは重要です。2010年の“重症感染症”特集(Vol.2 No.1)から8年以上の歳月が経過し,重症感染症をめぐる状況も変化しました。

今回の“重症感染症2”特集では,総論的内容は前回特集時と大きく変化がないことから,思いきって割愛いたしました。その代わり,集中治療医が日頃から抱える重症感染症に関連した臨床疑問をできるだけ多く取り上げ,それに回答することで読者に感染症診療の自信をつけてもらえるよう心がけました。そのため,前回特集時のような系統的な構成にはなっておらず,便宜上,細菌性疾患,ウイルス性疾患,真菌性疾患,その他のトピックへ分類しました。



 




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 










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特定非営利法人 日本集中治療教育研究会


 



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¥5,060 税込
責任編集: 牧野 淳 横須賀市立うわまち病院 集中治療部 藤谷茂樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学/東京ベイ・浦安市川医療センター
ISBN
978-4-8157-0086-7
刊行年月
2019/1/25
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はじめに:重症感染症に対して集中治療医ができること

  牧野 淳 横須賀市立うわまち病院 集中治療部



Part Ⅰ. 細菌性疾患

1.重症ブドウ球菌菌血症に対する治療:日本における最善の治療薬を見極める

  小林 宏維 医療法人鉄蕉会亀田総合病院 総合内科

  林 淑朗 医療法人鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科

【コラム】MRSAに対するバンコマイシンMIC creepについて:感受性試験におけるMIC値を耐性機序をふまえて考察する

  若竹 春明 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター

【コラム】抗MRSA薬ceftarolineの使用について:開発の経緯,臨床データ,使用の実際を中心に

  岡本 耕 東京大学医学部附属病院 感染症内科

  斎藤 浩輝 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター

【コラム】重症感染症におけるチゲサイクリンの使用について:薬剤耐性菌治療,集中治療領域での使用を念頭に

  斎藤 浩輝・岡本 耕

【コラム】菌血症に対するフォローアップの血液培養について:タイミングや頻度,期間について考察する

  福地 貴彦 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科

  牧野 淳

2.重症ESBL/AmpC産生菌による感染症:菌と疾患を分けて考えるのが大事

  岩田 健太郎 神戸大学医学部附属病院 感染症内科

【コラム】染色体とプラスミド

  後藤 崇夫 横須賀市立うわまち病院 集中治療部

3.中心静脈カテーテル関連血流感染症(CLABSI):患者背景を理解しつつ治療を行う

  小松 孝行 順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科

4.感染性心内膜炎:「診断のポイントと治療・合併症のマネジメント」の実際

  織田 錬太郎 東京ベイ・浦安市川医療センター 感染症内科

5.偽膜性腸炎:Clostridioides(Clostridium)difficile infection(CDI)への臨床的アプローチ

  長谷川 真也・田頭 保彰・本田 仁 東京都立多摩総合医療センター 感染症科

6.HAP/VAP:ガイドラインを読み解く

  笹野 幹雄 中頭病院 集中治療科

7.感染性膵壊死:侵襲的介入から,低侵襲のstep-up approachという考え方へ

  真弓 俊彦・成田 正雄・石川 成人・草永 真志 産業医科大学医学部 救急医学講座

【コラム】重症感染症とred eye

  大路 剛 神戸大学医学部附属病院 感染症内科



Part Ⅱ. ウイルス性疾患

1.インフルエンザに対する治療:抗インフルエンザ薬の種類と薬剤耐性について

  日馬 由貴 国立国際医療研究センター 国際感染症センター/AMR臨床リファレンスセンター

  忽那 賢志 国立国際医療研究センター 国際感染症センター

2.ウイルス感染の再活性化:治療・予防戦略は,背景疾患や免疫抑制の程度に応じて変化する

  亀田 和明 自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科

【コラム】免疫再構築症候群(IRIS)について:3つのphaseを理解する

  吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

  藤谷 茂樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学/東京ベイ・浦安市川医療センター

【コラム】自動多項目同時遺伝子関連検査システムについて:費用対効果とともにメリット・デメリットを考察する

  中村 竜也 京都橘大学 健康科学部 臨床検査学科



Part Ⅲ. 真菌性疾患

1.侵襲性アスペルギルス症:早期診断・早期治療のためのストラテジー

  山本 修平・倉井 華子 静岡県立静岡がんセンター 感染症内科

  冲中 敬二 国立がん研究センター東病院 総合内科/国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科

【コラム】感染症で用いられるマーカー:β-Dグルカン,プレセプシンについて

  小林 絵梨・林 淑朗 医療法人鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科

2.侵襲性カンジダ症:診断・リスク評価・検査・抗真菌薬,そのエビデンスを考える

  石岡 春彦 自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科集中治療部/斜里町国民健康保険病院 内科

3.ニューモシスチス肺炎:治療,予防ともに患者の背景疾患・免疫状態を理解することが重要

  福島 一彰 がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科/長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 熱帯医学修士課程

  柳澤 如樹 国立国際医療研究センター 国際医療協力局/ハーバード公衆衛生大学院/杏林大学医学部総合医療学教室 感染症科



Part Ⅳ. その他のトピック

1.抗菌薬の薬物動態(PK/PD):PK/PD理論で効果的な抗菌薬投与設計を

  中薗 健一 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 薬剤部



連載

■Lefor’s Cornor

第31回:Vascular Access and Hemodynamic Monitoring Part XII.

Arterial Lines III:Ultrasound-guided Radial Artery Catheterization

  Tadao Ando・Joho Tokumine Department of Anesthesiology, Kyorin University School of Medicine

  Alan Kawarai Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University

■え?知らないの?脳・組織局所酸素モニター

〈シリーズ構成:森實 雅司 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉

  古平 聡 北里大学病院 ME部

■国際学会へ行こう!

Canadian Critical Care Forum

  青山 紘子 トロント大学 集中治療学講座

■集中治療に関する最新厳選20論文

  吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

  柳井 真知 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

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