ハリソン物語

Ted Phillipsによる最後の補注

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初版の出版には,Eunice Stevens の貢献が大きかった。彼女は,すべてを詳細に記録し,膨大な量の連絡をさばき,原稿の編集と回覧を管理し,ジャクソンホールでの打ち合わせではベビーシッターとしても活躍した。

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週末に,ウィンウッドの我が家で「ハリソン組」の打ち合わせが行われたこともあった。その日はダービーの開催日で,われわれも賭けをした。ラジオでレースの中継を聞きながら賭けを続けていたところ,レース中に誰かの馬を買い上げた抜け目のないThornが,見事な勝利をおさめた。夜になっても彼らはなかなか就寝しなかった。Resnik は部屋の中をぐるぐる歩き回りながらHarrisonと議論をし,Wintrobe は喋りながらますます興奮していった。おかげで私は,明け方の4 時に家の主幹スイッチを切って彼らを寝かしつけなければならなかった。

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ここまで質の高いテキストをつくることができたのは,Resnikに負うところが大きい。彼は信じられないほど記憶力が良く,議論の際に,5 年も前の論文の1 章や1 節を引き合いに出してくることもあった。実は,寄稿された原稿の中に剽窃があったのだが,それを見抜いたのも彼だった。ちなみに,寄稿者にそのことを指摘するという汚れ仕事をさせられたのは私である。

(おわり)