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徹底分析シリーズ
麻酔科医とタンパク質の一生
1953 年のワトソン,クリックによる DNA の構造の決定から分子生物学が誕生しました。私たちの体はなんと 60 兆個の細胞から成り立っています。生命活動は個々の細胞内の分子の振る舞いであり,分子の機能,構造解析から生物を理解することが可能になると考えられました。ところが 2003 年に完了したヒトゲノム計画の結果,ヒト遺伝子は予想に反して約 24000 程度しかないことが判明しました。遺伝子情報はタンパク質合成情報のはずなのに十数万種類のタンパク質に対して遺伝子数は少なすぎ,この結果からタンパク質解析やタンパク質の解析データを統合した時計遺伝子の研究のようなシステム生物医学が発展しようとしています。タンパク質の振る舞いを考えることは分子から生物をみるための重要なステップになると考えられます。
今月号では総論として,読者にとってタンパク質の一生を考えることで侵襲制御学としての麻酔科学を見直す契機になれば幸いです。
大分大学医学部 麻酔学講座 岩坂 日出男
