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全身に動脈硬化性病変のある高齢者の下肢手術
旭川医科大学 麻酔科 小野寺 美子・高橋 桂哉・大友 重明

 

■大腿神経ブロック(SNB)
動脈硬化性病変(ASO)患者に対する大腿神経ブロックである。手術後で,腸腰筋は浮腫状に見えるが解剖学的変異は少なく,大腿神経が同定できる。外側から刺入し,腸骨筋膜を超え,大腿神経の深部から局所麻酔薬を投与した。深層が局所麻酔薬で満たされた(動画はここまで)後,浅層にも投与を行った。総投与量は0.375%ロピバカイン15mL程度。

 

■坐骨神経ブロック(FNB)
ASO患者に対する坐骨神経ブロックである。以前にブロック歴のある患者のため,坐骨神経周囲に低エコー部が存在する。プレスキャンにて総腓骨神経,脛骨神経の分岐部分を確認し,それより中枢でブロックを施行した。ASOのために筋肉が萎縮し,非常に浅い部分に坐骨神経が存在する。局所麻酔薬にて広げたスペースに針を進め,ドーナツサインを形成した。

 

 

 

TKAの術後鎮痛に対する持続ブロック
大阪大学医学部 麻酔集中治療医学講座 酒井 規広

 

全身麻酔導入前にブロックを施行した。

■選択的脛骨神経ブロック
術側を上にした半側臥位とし,術側の膝を軽度に屈曲させて,膝窩部やや上方の大腿後面にプローブを接触させて,坐骨神経および坐骨神経が脛骨神経,総腓骨神経に分岐する様子を確認した。局所麻酔の後,大腿外側からブロック針を脛骨神経の内側に進め,0.25%レボブピバカイン15mLを分割注入した。

■大腿神経ブロック
仰臥位とし,鼠径溝と鼠径靭帯の中間部にプローブを接触させ,大腿神経を確認した。局所麻酔の後,大腿外側からTuohy針を大腿神経後面に向かって進め,腸腰筋と大腿神経を剝離するように,0.25%レボブピバカイン15mLを注入した。薬液によりできたスペースにカテーテルを挿入した。カテーテルは大腿神経後面に一致するように留置し,挿入長は7cmであった。

 

 

 

胸部傍脊椎ブロックは硬膜外麻酔に勝る
新潟大学医歯学総合病院 麻酔科 吉田 敬之
名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 柴田 康之

 

胸部傍脊椎腔横断面像を描出し,平行法で穿刺する(詳細は本誌参照)。内肋間膜を貫いて生理食塩液を10mL注入した後,カテーテルを挿入する。最後に胸部傍脊椎腔矢状断面像を描出し,カテーテルから空気を注入してhyperechoic flashを確認する。

なお,この動画の手技施行者は麻酔科専攻2年目の後期研修医である。本手技施行までの超音波ガイド下末梢神経ブロック施行経験数は40例,うち超音波ガイド下胸部傍脊椎ブロック施行経験数は12例である。