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症例検討
片肺麻酔はこう行う
「片肺麻酔」というだけで麻酔準備に一層の気合いが入り,前日からやや緊張気味という研修医も少なくないであろう。片肺麻酔は,チューブトラブルや低酸素血症などの合併症と常に背中合わせであり,安全に管理するには片肺換気の生理,適応,特殊なチューブの特徴・選択などに精通する必要がある。緊張はしないまでも「お決まりのチューブにいつもの対処法で無難に麻酔終了」で終わらせてはいないであろうか? 腹腔鏡下の手術が増加し,片肺麻酔管理は麻酔科医にとって必要不可欠な技術となった。片肺麻酔法はほぼ確立した感はあるが,今一度スポットをあてて片肺麻酔を徹底分析する。麻酔管理のより一層の向上に役立てていただければ幸いである。
岡山大学医学部 麻酔科蘇生科 森田 潔