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徹底分析シリーズ
ペースメーカと麻酔
心臓ペースメーカに関しては,1995年に一度取り上げられている。この8年の間にも,心臓疾患ならびに高齢者の増加に伴い,永久ペースメーカを埋め込まれている患者が増加した。さらに,このような心疾患ならびに伝導障害を合併した患者が手術適応となるケースも拡大し,日常の臨床現場でも数多く遭遇する。もしかしたら,ペースメーカ植め込み患者が心停止となり除細動を行うこともあろうし,交通事故で緊急手術となり,意識障害を伴ったうえにペースメーカ手帳を携帯していないという事態もあり得る。一方,医用電子工学の発展に伴い,ペースメーカ機能はより生理的な機能を目指し,高度化し,複雑化した。医療現場においては,一般的な電気メス以外にも,熱メス,MRI,PETなど数多くの医用機器が利用され,また,日常生活では携帯電話なしでは生活に困るような時代である。われわれ医療者としては,心臓ペースメーカに及ぼすそれらの作用に関して正しい知識をもつ必要がある。
今回の「徹底分析」では,具体的な症例を呈示し,その対処法を概説する「症例検討」と合わせ,スパイスの効いたコラムをふんだんに盛り込み,即実践に役立つ内容となるよう心がけた。お役に立てれば幸いである。
山蔭 道明・上村 裕一