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徹底分析シリーズ
脳を守るストラテジー 2
先月号では「脳を守るためのストラテジー 1」として基礎的なアプローチを行い,脳や脊髄障害のメカニズムおよびその保護法,さらには失われた機能を回復するための伝家の宝刀とも言える再生医療の現状について述べていただいた。脳保護および再生における動物実験のデータがかなり期待を抱かせるものであっても,臨床で実際にそれらのツールを用いてみると,そのギャップにいつも落胆させられてしまうのも事実である。しかしながら,時代は急速に医療を進歩させ,われわれはいままで手の届かなかった「神の領域」に,遅いながらも着実に歩みを進めている。
今回は前号に引き続き,臨床的アプローチによる脳・脊髄保護の実際について,心臓外科手術,脳外科手術,救急医療における頭部外傷に焦点を当てて,われわれの最も知りたい「脳・脊髄保護のためには何をすべきなのか?」「果たして脳・脊髄保護はどこまで可能になったのか?」という疑問に対して,第一線で活躍されている先生方に筆を振るっていただいた。
本特集では,実際の臨床の場で脳脊髄保護法を実践された結果が述べられている。それらの貴重なエビデンスが明らかにされる,この希有な機会を逃さず,貪欲に知識を追求していただければと思う。
東京医科大学八王子医療センター 麻酔科 内野 博之