バックナンバー

 症例検討

ペインクリニック-治療困難症例への対策

 ペインクリニックという診療科が徐々に認知されつつある現在,さまざまなタイプの疼痛をもつ多くの患者がペインクリニックを訪れる。ペインクリニシャンは,疼痛という一見とらえどころがない感覚に対し,より客観的に評価し,原因を追究し,治療という手段を講じる努力をしてきた。しかし,理学療法や神経ブロック,薬物療法,手術などの技術の発展にもかかわらず,いまだに治療に難渋する症例は多い。今回は日頃経験する治療困難例に対し,何をどのように考え,アプローチしていくのかをモデル症例に沿う形で提示していただいた。ベールを1枚ずつ剥がすように核心に迫る過程のなかに,明日のペインクリニックの姿を見るようで興味深い内容になっているのではないだろうか。

慶應義塾大学医学部 麻酔学教室 橋口 さおり