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 徹底分析シリーズ

麻酔科医に必要な頸椎・頸髄疾患の知識と技術 1

   医療の標準化が議論される昨今だが,頸椎・頸髄疾患の手術でも,各施設で気管挿管の方法はもとより,手術適応や術式,さらには疾患概念自体にもコンセンサスが得られていない点は多い。したがって,全身管理に責任をもつ麻酔科医は,気道確保の方法のみを論じるのではなく,病態や手術の背景への基本的理解を深めることもチーム医療に加わるためには必要と思われる。
    LiSAではこれまで,頸椎・頸髄に関するテーマとして「頸髄損傷(Vol.3 No.10 1996)」「頸椎に病変がある患者の麻酔(Vol.6 No.12 1999)」が取り上げられ,さらに「大人の気道確保(Vol.8 No.11 2001)」などで,挿管困難について論じられてきた。
    今回は“麻酔科医に必要な”という視点で、臨床の動向を踏まえた頸椎・頸髄疾患の解説をいただき、次号の気道確保のストラテジーと併せて「徹底分析」として本テーマを企画した。同時に連載される画像診断の解説「脊髄を究めよう」とともに,読者の頸椎・頸髄に対する興味と理解が深まり,明日からの日常臨床の一助になれば幸いである。

総合せき損センター 麻酔科 井上 義崇