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 徹底分析シリーズ

CSEA(Combined Spinal-Epidural Anesthesia)を使いこなそう

   CSEAでは脊髄くも膜下麻酔の長所と硬膜外麻酔の長所との両方を組み合わせることが可能で,これまでに産科麻酔の分野でその有用性が認識され広く普及しており,今後は産科麻酔以外の領域でも普及が期待されている。しかしCSEAのやり方によってはその効果は相加的にも相乗的にもなりうるが,時にはそれぞれの効果が相殺されてしまうこともある。
   本特集では,CSEAに対する理解を深め相乗的効果が達成できるように,CSEAに造詣の深い先生方に解説をお願いした。最初に中塚先生ほかに総論を述べていただいたのちに,CSEAのメカニズムを滝口先生に解説していただいた。次に帝王切開術でのCSEAを例に1椎間法(小久保先生ほか)と2椎間法(大島先生)の比較を行い,上級編としてSequential CSEAを紹介した(角倉)。さらに産科麻酔領域以外でのCSEAを,整形外科(滝塚先生),一般外科(高本先生ほか),心臓血管外科(坂本先生ほか)など,それぞれの分野で紹介いただいた。最後にCSEA専用の針について奥富先生に解説していただき,今から20年以上前に先駆的なH針を開発された花岡先生にもコラムをご寄稿いただいた。本特集によりCSEAの利点が正しく理解され日常の診療に役立てば幸いである。

聖マリアンナ医科大学医学部 麻酔科学教室  角倉 博之