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症例検討
区域麻酔で困ったとき-1
脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔,神経ブロック,神経叢ブロックなどさまざまな区域麻酔が単独で,あるいは全身麻酔と組み合わせてよく用いられている。予定通りに区域麻酔がしっかりと効いた場合には,患者の満足度も,自分自身の満足度も高い。しかし,区域麻酔の場合,手技的にはうまくいったと思ったのに,効果が不十分な場合がある。手術開始時にはうまくいっているようでも,手術時間の延長や術式の変更などのために,区域麻酔だけでは不十分な場合もある。最初から穿刺がうまくいかない場合もある。ときには,高度の低血圧,局所麻酔薬中毒などといった副作用や合併症で苦労することもある。
そこで,今月号と来月号では区域麻酔でよく遭遇する問題に対してどのように対処するかについて検討する。
稲田 英一