バックナンバー

 徹底分析シリーズ

中心静脈穿刺(総論)

   中心静脈穿刺と中心静脈カテーテル挿入は,古くから行われている手技で,中心静脈カテーテルは,中心静脈圧モニタリングや心血管作動薬投与だけでなく,高カロリー輸液,抗悪性腫瘍薬の投与など,さまざまな臨床の現場で必要とされてきた。
 研修医にとっても習得すべき手技の一つであるが,カテーテルの挿入・留置・管理に伴う事故はインシデント・アクシデントレポートとして取り上げられることも多く,死亡に至る重篤な合併症も報告されている。そのため,リスクマネジメントの立場からマニュアルやガイドラインを作成している施設もある。
   近年超音波装置を用いた穿刺法の普及や器具の改良・進歩により中心静脈穿刺の状況も変わりつつある中,麻酔科医がその挿入を依頼されることも多くなってきている。今回の徹底分析では,中心静脈穿刺と中心静脈カテーテル挿入につき患者評価から挿入後の管理まで穿刺器具やカテーテルのことも含めそのすべてを取り上げた。本号では総論編として,挿入前にすべきこと,穿刺・挿入操作,挿入後の管理,挿入・留置に伴う合併症に加えて教育体制について取り上げ,また,代表的メーカーの方に自社の商品の特徴も紹介をしていただく。

中馬 理一郎