バックナンバー
- LiSAトップ
- バックナンバー
- 2009年
- LiSA 2009年12月号 記事内容
- 徹底分析シリーズ
徹底分析シリーズ
酸塩基平衡異常
■徹底分析で温故知新
私と酸塩基平衡の間には,長~い歴史がある。生命という観点からは,この関係は数億年以上にさかのぼる。個人のレベルでも,誕生から今日まで生き延びてこられたのは,私の酸塩基平衡が上手く保たれてきたお陰である。さらに医師としては,学生のころから四半世紀以上にわたって,19 世紀初頭の産物である Henderson-Hasselbalch の式にお世話になっている。
これだけ古くて付き合いも長いと,慣れが生じてくる。飲みすぎて酸塩基平衡に多少の異常が生じても,麻酔は何とかこなせる。また,ショック患者が重篤なアシドーシスを示しても,それほど慌てなくなった。
本徹底分析では,このような慣れに対してもう一度,日々の臨床の視点からメスを入れていただいた。手術室の麻酔だけではなく,救急救命の現場や呼吸不全を治療する立場から,それぞれの語り口で具体的に解説していただいた。筆者は,私がその顔と臨床を直接見ることのできる方ばかり。いずれも,臨床に直結した内容が十二分に盛り込まれている。酸塩基平衡の多様な世界を,どうぞお楽しみください。
明石医療センター 麻酔科 内藤 嘉之