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 症例検討

電解質異常とその治療(その 2)

 

電解質異常に用心深く対処する

電解質異常の第 2 回は,カルシウムとマグネシウムの異常を中心とした症例検討をお届けする。陽イオンもさすが 2 価ともなれば,その病態生理が格段に複雑となる。「生理活性を持つイオン化分画は,生体内含有量のごく一部にすぎない!」こういったフレーズで始まる病態生理に挑戦し,その難解さにへこたれた経験を持つのは,決して私だけではあるまい。

一方で麻酔科医は,ナトリウムやカリウムの場合以上に,これらの電解質異常に用心深く対処する必要がある。症状が非特異的である,重症あるいは慢性の病態に伴うことが多い,さらに複数の電解質が相互に関係し合って変動するため診断が難しいなど,これらの電解質異常は周術期管理上も厄介な問題となりうるからである。油断していて足元をすくわれないように,さぁもうひと頑張り!今回もまた,病態生理の基礎からお勉強を始めましょう。

 

明石医療センター 麻酔科

 内藤 嘉之