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Hospitalist(ホスピタリスト)2016年2号 このページを印刷する

特集:周術期マネジメント
    全人的周術期ケアにおけるホスピタリストの役割

最近の超高齢化を反映し,内科疾患を多数合併した患者の手術症例が増加している。今まで通院歴がなくても,術前評価でさまざまな合併疾患が判明することもある。術前評価は,一般的には手術のための評価として行われるが,長期予後改善の良いチャンスとなるともいわれている。 例えば,喫煙者であれば,手術を無事終えるためにすぐに禁煙をしてもらう必要があるが,それをきっかけに禁煙に成功し,長期予後が改善することも期待できる。今まで判明していなかった労作性狭心症が病歴聴取で判明し,より厳格なリスク因子の治療や,アスピリン・スタチン導入のチャンスになる,といったこともある。つまり,周術期マネジメントは,外科と麻酔科だけのものでなく,内科にも大きな役割があるといえる。 米国では内科研修中に周術期マネジメントについて学び,トレーニングを受ける機会がある。一方,日本では内科医に対するトレーニングはほとんどなされていないのが現状である。さまざまな慢性疾患があれば,外科から術前に循環器内科,呼吸器内科,腎臓内科,糖尿病内科にコンサルトするといった流れとなり得る。しかし,こういった症例でこそ,周術期の知識とスキルを身に着けたホスピタリストによる臓器横断的マネジメントが必要になると考える。 本特集では「全人的周術期ケアにおけるホスピタリストの役割」と題し,周術期マネジメントにあたって知っておくべき知識をまとめた。内科医が周術期の知識,スキルを身に着け,その役割を果たせることが,患者ならびに医療全体のために必要である。その一助となる特集を目指した。

責任編集:
平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
ISBN 978-4-89592-946-2
定価 4,968円(本体4,600円+税8%)
刊行年月 2016/06
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目次

はじめに 周術期には,臓器横断的に診療するエキスパートが必要である
  平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
1. 周術期内科コンサルトのこころえ:「この患者さんに手術していいですか?」に内科医はどう応えるべきか
  長谷川 真也・八重樫 牧人 亀田総合病院 総合内科
[コラム] 術前ルーチン検査:海外のガイドライン,エビデンスから考える
  松﨑 孝 岡山大学 集中治療部
  森松 博史 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 生体機能制御学講座 麻酔・蘇生学分野
[ミニコラム] ASA-PS分類:麻酔科医が患者評価に用いる簡潔明瞭な共通言語
  谷 真規子 University of Pittsburgh Medical Center, Department of Anesthesiology
2. 循環器リスクのステップワイズアプローチに基づく評価と介入:虚血性心疾患では? 心不全・不整脈・弁膜症ではどうするか?
  上月 周 大阪府済生会中津病院 循環器内科
[ミニコラム] 周術期急性心筋梗塞:周術期死亡の最大の原因を見逃さないために
  上月 周
[ミニコラム] 長期投与中のβ遮断薬の周術期の使用法:消化管が使用できない場合はどのように継続するか
  杉崎 陽一郎 神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
[ミニコラム] 術前心エコー図検査は必須か?:ガイドラインと臨床のニーズとの間のギャップとは
  北井 豪 Cleveland Clinic, Heart and Vascular Institute, Department of Cardiovascular Medicine/神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
[ミニコラム] 高血圧症の周術期リスクとマネジメント:周術期の血圧変動において注意すべきこと
  西尾 亮 兵庫県立柏原病院 内科
[コラム] 重症AS(大動脈弁狭窄症)の治療と非心臓手術:侵襲的治療はいつどのように行うか?
  柴山 謙太郎 東京ベイ・浦安市川医療センターハートセンター/循環器内科
3. 周術期の抗血栓薬の扱い:常に中止したほうが安全か?
  猪原 拓 慶應義塾大学病院 循環器内科/平塚市民病院 循環器内科
  香坂 俊 慶應義塾大学病院 循環器内科
[ミニコラム] 植込み型除細動器,ペースメーカの周術期の取扱い:誤作動と感染の予防
  里見 和浩 東京医科大学病院 循環器内科
4. 術後肺合併症(PPCs)のリスクと周術期マネジメント:最も頻度が高い合併症の1つ─木を見て森を見失わない
  片岡 惇・則末 泰博 東京ベイ・浦安市川医療センター 呼吸器内科/集中治療科
[ミニコラム] 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の周術期マネジメント:既知の患者,未診断の患者の術前評価と治療の最適化
  八重樫 牧人
[ミニコラム] 「重症」COPDでも安全に手術を行えるか?:1秒量は患者全体の状態を反映する指標ではない
  羽白 高 天理よろづ相談所病院 呼吸器内科・呼吸管理センター
5. 肝障害を有する患者の手術:肝硬変患者における手術リスク判断のカギは,CTP,MELDと門脈圧亢進の有無
  篠浦 丞 沖縄県立中部病院 消化器内科
[コラム] 術後肝障害のワークアップ:術後肝障害の鑑別に「術後黄疸」「術後高ビリルビン血症」を忘れない
  篠浦 丞
[ミニコラム] 肝切除における適応・術式判断ツールとしてのICG:日本で汎用されるが欧米で用いられていない理由とは?
  篠浦 丞
6. 腎疾患の周術期リスクとマネジメント:非透析慢性腎臓病(CKD)患者,透析患者における注意点
  原田 幸児 洛和会音羽病院 腎臓内科・リウマチ科
  赤井 靖宏 奈良県立医科大学 地域医療学講座
7. 内分泌疾患の周術期
 ①糖尿病・血糖コントロール
   稲石 淳・目黒 周 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
 ②副腎疾患,下垂体疾患
   栗原 勲 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
 ③副甲状腺機能亢進症,甲状腺機能低下症,Basedow病
   小林 佐紀子 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
[ミニコラム] 副腎不全の周術期の問題点:ステロイド長期服用患者におけるステロイドカバーは必要か?
  宇都 飛鳥・宮下 和季 慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
8. 神経疾患の周術期マネジメント:脳梗塞で起こり得る問題を中心に
  千田 譲 小牧市民病院 神経内科
  森 雅也 小牧市民病院 総合内科
  川口 克廣 小牧市民病院 総合内科/循環器内科
9. 整形外科手術における内科医の役割:高齢者の大腿骨頸部/転子部骨折で考える集学的アプローチ
  坪井 謙・石田 岳史 さいたま市民医療センター 内科
[コラム] 全身麻酔と局所麻酔:麻酔科医はどう考え,使い分けているか
  谷 真規子
[コラム] 中断してもいい薬,中断してはいけない薬:周術期の薬剤管理で考えるべきこと
  野木 真将 Queen’s Medical Center, Honolulu HI
[ミニコラム] 眼科手術における内科医の役割:白内障手術での術前評価の必要性とその内容から考える
  石山 貴章 新潟大学地域医療教育センター/魚沼基幹病院 総合診療科
[コラム] surgical site infection(SSI)予防:患者・創の局所的状況・細菌・予防手段の各要素を整理する
  齋藤 浩輝 UC Irvine School of Medicine, Department of Medicine, Division of Infectious Diseases