重症患者管理マニュアル

グローバルスタンダードを超える!?
“純国産”集中治療本
重症患者管理において頻度の高い疾患・病態を中心に取り上げ、日々の臨床、ベッドサイドでの検証を踏まえて、診断・治療のより所となる知識をまとめた実践的手引。ガイドラインやエビデンス偏重にならず、しっかりとした患者評価と最適な治療を実現するために、病態生理の理解も含めたベストバランスを提示。医学生・研修医から指導医までの幅広い対象に、重症患者管理のスタンダードとなる知識と診療の指針を提供する。



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『重症患者管理マニュアル』電子版



¥7,150 税込
編集: 平岡栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科 則末泰博 東京ベイ・浦安市川医療センター呼吸器内科/救急集中治療科 藤谷茂樹 聖マリアンナ医科大学救急医学/東京ベイ・浦安市川医療センター
ISBN
978-4-8157-0126-0
判型/ページ数/図・写真
A5変 頁712 図・写真250
刊行年月
2018/7/31
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Part 1 総論
Part 2 神経系
Part 3 循環器
Part 4 呼吸器
Part 5 消化器
Part 6 腎臓
Part 7 血液
Part 8 感染症
Part 9 内分泌
Part 10 予防
Part 11 その他

私が米国で研修をしたのは,卒後10 年目の2001 年である。それまで人工呼吸器,IABP,PCPS,腎代替療法などが必要な患者を含めた多くの重症疾患を診ており,ある程度の自信はあるつもりだった。ところが渡米し,総合内科研修で,一般病棟管理,外来管理で,まず自分の知識のなさにかなり打ちのめされた。ICU も例外ではなく,打ちのめされた。しかし体系的に敗血症,重症肺炎,心不全,急性腎障害,神経重症疾患などを学ぶ機会があり,非常に勉強になった。本書は,まずそのような経験から得たものに根ざしている。
重症患者を診る際に必須となる知識やスキルは,人工呼吸器管理や鎮静だけではなく,生理学的な知識や内科の知識が重要であると私は考える。また倫理的な考え方も非常に重要である。最近は一般病棟もかなり重症化している。ICU で集中治療を行う医師のみならず,HCU や一般病棟で重症疾患管理を行う内科医,外科医にも役立つように,本書ではそれらのトピックスも構成した。
東京ベイ・浦安市川医療センターでは,内科,外科,集中治療医,救急医の垣根が低く,常にエビデンスに基づく議論を繰り返し,知識のすり合わせを行っている。本書はそういったエッセンスを取り入れているため,実践的でもある。例えば,心外術後の急変対応の項を総合内科医が執筆しているが,普段の診療のなかから必要に迫られて非専門家向けに当院で作成し,定期的にシミュレーションをしているものである。
このマニュアルのたたき台は,帰国後の神戸大学勤務時代から作成していたものである。書籍化できるかどうか迷っていたところ,今回の企画を持ちかけていただいた。自分の学んできたことを日本の若手に広く普及させたいという願いがこうしてかなえられたのは,私のアイデアを具現化してくれた藤谷先生と則末先生という仲間がいてこそであり,非常に感謝している。
生理学的なことから始まり実践的なことまで網羅した本書が,皆さまの日常診療に役に立てば幸いである。
平岡栄治(東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科)



セントルイス大学で集中治療のトレーニングを受けていたとき,私は大きく分けて2 つのタイプの指導医がいると感じていた。米国なのでどちらのタイプもガイドラインを重視している点では変わりないが,ガイドラインでは取り扱われていないテーマや,ガイドラインだけでは対応できない複雑な症例への思考過程が大きく異なっていた。
1つ目のタイプは,ベッドサイド回診の際に,自分の判断のよりどころとして,記憶しているさまざまな無作為化比較試験(RCT)のデザインと結果を次から次へと話す指導医である。これは30 歳代までの若い集中治療医に多く,「この指導医はすごい」と研修医やフェロー達は目を輝かせながら話を聞いていた。
もう1 つのタイプは,RCT のことはあまり話題にせず(もちろん文献を読んではいたと思うが……),生理学的な思考過程で判断をしていくタイプの指導医であり,40 歳代以上の指導医に多かった。このタイプの集中治療医は,同じ病名がついていても患者によって異なる治療内容になることが多く,同じレベルの生理学的知識をもっていない者にとっては,その判断の根拠がわかりにくい。大半の研修医やフェロー達は,「あの指導医は古いからエビデンスに基づいていない」などと陰口を言っていた。しかし私にとっては,後者の「生理学重視」の集中治療医との回診のほうがはるかに楽しく,その決断の多くは理にかなっていると感じた。実際,2 年前には正しいと思われていた「エビデンス」が大きく変わり,生理学重視の年配の集中治療医が言っていたことのほうが正しかったと認識することを多く経験した。
例えば,私がフェロー1 年目であった2009 年に,Dr. Kaplan という年配の集中治療医から,「静脈が拡張した敗血症性ショックの患者に10 L も15 L も輸液したところでunstressed volume としてプールされるだけだから,CVPがどうであろうと2~3 L 輸液して,血圧が安定しなければさっさと昇圧薬を使って,無駄に輸液をしないようにしなさい」と叱られたことがあるが,これも深い生理学的知識に裏打ちされた指導であったと思う。
もちろんエビデンスの重要性は説明するまでもないが,患者を個別化して治療を行うためには,多様な患者をまとめたRCT などからなるエビデンスと生理学のバランスが必要である。本書はまさにその最適なバランスを追求したマニュアルである。まず,生理学を知り,そして「国際ガイドラインと日本のガイドラインではどうなっているか?」を確認し,さらに「過去と最近のRCTはどうか?」を知るという,ICU で決断するために不可欠な3 つの要素が盛り込まれている。本書が“エビデンス”と生理学のバランスのとれた集中治療の学習と実践の一助になれば幸いである。
則末泰博(東京ベイ・浦安市川医療センター呼吸器内科/救急集中治療科)



このたび,『総合内科病棟マニュアル』の姉妹版である,念願の集中治療マニュアルを発刊することができた。この編者の3 名は,米国での臨床研修を受けており,日本の文化に即しながら,世界標準の集中治療,重症患者管理を国内に普及させたいと強く願う仲間である。
日本に2007 年に帰国し,早10 年以上が経過した。2012 年には,教育に力を入れた研修を実現したいということで,東京ベイ・浦安市川医療センターを設立した。研修医や専攻医に,どのように教育,指導すれば効率よく理解してもらえるかを,日々の臨床,ベッドサイドで検証,実践している。総合的に重症患者を管理するためには一般内科の知識が必要となるが,私たち3 名は,米国で総合内科の研修を受けており,共通したアプローチ方法で診療している。現在までに多くの卒業生を東京ベイから輩出しており,その仲間とともに作り上げた本書には,私たちのコンセプトがふんだんに組み込まれている。
特に強調したいのは,エビデンスも重要であるが,時に生理学的な解釈がエビデンスを凌駕することもあり,そのため常に病態生理を理解するように努めるべきで,それが集中治療の醍醐味の1 つとなっている点である。つまり,エビデンスはその個人に最良の医療を提供するための情報であり,病態生理を理解せずして,適応させることはできないということである。
雑誌Hospitalist やINTENSIVIST は,毎号テーマをかなり深く突き詰めているが,本書は広い分野,すなわち多くの基礎疾患がある場合に,まず1 冊で成果を発揮できる。日本で集中治療を実践するためには,他施設と共同して,症例数の少ない分野の勉強をする必要がある。脳外科,循環器,心臓血管外科は,集中治療医がカバーする項目でもあり,内容の強化をはかっている。エコーや気管支鏡などの項目もカバーするようにしている。
本書を手にとられた方が,さらに集中治療の奥深さに取り込まれて,日常の診療がますます楽しくなっていくことを願っている。多くの研修病院では『総合内科病棟マニュアル』を持ち歩く研修医を多く見かけるようになってきた。まさに同じ感覚で,日常の診療に役立てていただければ本望である。そして,その集中治療の楽しさを後進へと伝えていただければ幸いである。

最後に,ご多忙のなか素晴らしい原稿をご執筆くださった先生方に編者を代表して御礼申し上げたい。なお本書はエビデンスも重視しているが,国内での診療に適合しているかの確認を含め,日本でFCCS コースを運営している仲間にも校閲いただいた。ご協力に感謝する。また,本書の刊行に,4 年にもわたる歳月,叱咤激励し応援してくださった,メディカル・サイエンス・インターナショナルの山下隆久氏に感謝申し上げる。
藤谷茂樹(聖マリアンナ医科大学救急医学/東京ベイ・浦安市川医療センター)

2019-05-30

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

590ページ下から3行目
(誤) 全身症状がなければ
(正) 全身症状が良ければ

663ページ:「アルガトロバン」の「投与量」下から3行目
(誤) 抗凝固療法の継続が必要な場合は, 0.7mg/kg/minに減量し静脈内持続投与する。0.7mg/kg/minに減量後は
(正) 抗凝固療法の継続が必要な場合は, 0.7μg/kg/minに減量し静脈内持続投与する。0.7μg/kg/minに減量後は

2019-02-09

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

633ページ:表11-2-2「拡張能,左房圧」の左室流入波形(弛緩障害パターン)を下記に差し換え


633ページ:表11-2-3「拘束型パターンと予後」の上段右図(可逆的パターン)を下記に差し換え

2018-09-19

【正誤表・補足】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

12ページ下から8行目に補足
DNR(Do not resuscitate)指示とは,心停止時に,蘇生処置をせず,そのままお看取りをする医師からの指示を指す。指示簿に記載することが大切である。

16ページ上から1行目に補足
意思決定能力がない場合,ACP を参考に代理意思決定者とともに考える。

18ページ上から11行目
(誤) ケアのゴール:Hope for the best, plan for the rest.
(正) ケアのゴール:Hope for the best, prepare for the worst.

19ページ上から13行目:緩和ケアの表を下記に差し換え


19ページ下から4行目に補足
そのような状態で,どのような治療行為を希望するか,あるいはしないか,また代理意思決定者は誰かを書類として残したもの(内容指示型)。

20ページ上から5行目
(誤) 蘇生を行わない事前指示である。
(正) 蘇生を行わず,そのままお看取りをする医師の指示である。

20ページ上から6行目の文章を削除,追加
(誤) DNR(Do not resuscitate)指示も,内容指示型の事前指示の1つである。
(正) 心肺停止時の蘇生を行わないこと以外の治療の制限は別に吟味する必要がある。

248ページ
「心臓血管外科術後の心肺停止蘇生プロトコル:Code Heart」への参照追加

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