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Hospitalist(ホスピタリスト)2016年3号 このページを印刷する

特集:腫瘍

腫瘍内科医は診断,抗がん治療,支持療法を,緩和ケア医は支持療法,サバイバーシップ,看取りを中心に対応しているのが現状と思われます。しかし,予防から看取りまで,がん患者と多くの接点をもつのは,むしろ総合診療医をはじめとする一般内科医ではないかと思います。人生を根底から揺るがす『がん』という疾患に対し,基本的にはホスピタリスト(病院総合診療医)も深くかかわるべきではないでしょうか。
ホスピタリストはがんの診断や,オンコロジックエマージェンシーをはじめ各種合併症,転移がんのマネジメントにも対応できる必要があります。また,抗がん薬治療は,今なお外科医を含む臓器別専門医にその多くを委ねていますが,腫瘍内科医のいない施設では該当科がなく,ホスピタリストが抗がん薬治療や治療後フォローアップも担当するケースがあるかと思います。
こうした状況をふまえ,本特集では,ホスピタリストが知っておくべきがん診療の基礎知識から,抗がん薬を中心とした治療,転移がんや合併症,サバイバーシップまでを概説します。代表的がん腫のillness trajectory(治療経過の全体像)を意識した症例をもとに,診断→治療→終末期の流れのなかで治療目標の設定,各種抗がん治療,緩和ケアの進め方などを解説し,そのなかでホスピタリストがかかわれる場面を提示します。各コラムでは,オンコロジー領域でも比較的ホットな話題を扱い,特集全体を通じて,より実践的な診療をイメージできるように配慮しました。本特集をきっかけに,がん診療にも一歩踏み出していただければ,このうえない喜びです。

責任編集:
東光久 福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー/白河厚生総合病院 総合診療科
藤谷茂樹  聖マリアンナ医科大学 救急医学/東京ベイ・浦安市川医療センター
ISBN 978-4-89592-947-9
定価 4,968円(本体4,600円+税8%)
刊行年月 2016/11
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目次

はじめに がんはホスピタリストの新しいフィールドになる
  東 光久 福島県立医科大学白河総合診療アカデミー/白河厚生総合病院 総合診療科
1. がん診療に関する基礎知識:がん患者を受けもったら
  名倉 功二 関東労災病院 救急総合診療科
[コラム] 骨髄検査はいつ行うか:必要性をまず慎重に吟味し,施行にあたっては追加検査の可能性も考慮
  佐々木 裕哉 久留米大学医学部 病理学講座/竹田医師会病院 内科
[コラム] FDG-PETが日常診療で役立つことは何か:FDGの集積のみでは悪性腫瘍と良性腫瘍の鑑別はできない
  油田 さや子・丸山 大 国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科
[コラム] 薬物関連顎骨壊死(MRONJ):ホスピタリストにこそ見つけてほしい無症候性の多い病態
  山口 典宏 Rockefeller University, Elizabeth and Vincent Meyer Laboratory of Systems Cancer Biolog/Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
[コラム] 化学療法施行時の投与方法:CVポートの概要,適応,合併症を中心に
  江原 淳 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
[コラム] 腫瘍マーカーの正しい使い方:測定の意義を明確に説明できなければならない
  後藤 悌 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科
2. 抗がん薬の基礎知識:治療のゴールについて繰り返しの確認,共有が重要
  白井 敬祐 Geisel School of Medicine, Dartmouth-Hitchcock Medical Center
  西嶋 智洋 Lineberger Comprehensive Cancer Center at the University of North Carolina
  長阪 美沙子 Karmanos Cancer Institute/Wayne State University
3. 抗がん治療後のフォローアップ
 ①治療がひと段落した「がんサバイバー」の身体症状と社会生活
   河知 あすか・清水 千佳子 国立がん研究センター中央病院 乳腺腫瘍内科
 ②根治不能な進行がん患者の抗がん治療の開始から中止以降まで
   森 雅紀 聖隷三方原病院 緩和ケアチーム
4. 初発時から根治不能の進行がんのマネジメント
 ①肝がん:治療法を選択する際の決め手とは
   萩原 淳司 大阪市立大学医学部附属病院 肝胆膵内科
 ②前立腺がん:集学的治療が必要な前立腺がん患者を地域で支える
   近藤 千紘 虎の門病院 臨床腫瘍科
 ③大腸がん:転移性大腸がんに対するconversion therapyを中心に
   中村 能章 国立がん研究センター東病院 消化器内科
 ④卵巣がん:初回治療のオプションと再発時の考え方
   原野 謙一 国立がん研究センター東病院 先端医療科
5. 初発時は限局期で手術し,その後再発したがんのマネジメント
 ①肺がん:検査時の注意点と分子標的薬による有害事象
   田村 志宣 紀南病院 血液腫瘍内科/和歌山県立医科大学 血液内科
 ②胃がん:標準的な治療と押さえておきたい副作用
   北尾 章人 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 腫瘍・血液内科学分野
   清田 尚臣 神戸大学医学部附属病院 腫瘍・血液内科
 ③乳がん:診断・治療の原則をつかみ,再発例にも対応する
   矢崎 秀・中野 絵里子 聖路加国際病院 腫瘍内科
[ミニコラム] 妊娠中に乳がんが判明したら:検査・治療の胎児への影響について正しい知識をもっておく必要がある
  下村 昭彦 国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科
[ミニコラム] 乳房温存療法:局所制御は生存率の,全身薬物療法は局所制御率の向上に寄与する
  森井 奈央・山城 大泰 天理よろづ相談所病院 乳腺外科
[ミニコラム] Cardio-Oncologyの今とこれから:心血管毒性を疑う,すべてはそこから始まる
  藤阪 保仁 大阪医科大学附属病院臨床研究センター/がんセンター/呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科
 ④膵がん:特徴的な毒性や合併症に注意しながら,治療効果を最大限に引き出す
   岡崎 俊介 国立病院機構京都医療センター 腫瘍内科
 ⑤胆道がん:黄疸や胆管炎を上手に予防・管理しながら治療する
   森澤 利之 兵庫県立尼崎総合医療センター 消化器内科
 ⑥子宮がん:子宮頸がんの治療戦略と注意すべき有害事象
   古武 陽子・板持 広明・杉山 徹 岩手医科大学附属病院 産婦人科
 ⑦食道がん:何を基準にどんな化学療法を選択する?
   髙島 淳生 国立がん研究センター中央病院 消化管内科
[コラム] 抗がん治療における放射線治療の考え方:悪性腫瘍を俯瞰的にとらえ,全身疾患として扱う放射線腫瘍医の立場から
  玉置 幸久・猪俣 泰典・稗田 洋子 島根大学医学部附属病院 放射線治療科
[コラム] 抗がん治療における手術療法の基礎知識:固形腫瘍では第一選択として,症状・全身状態に応じて適応を判断する
  畑 啓昭 国立病院機構京都医療センター 外科
6. 転移がんのマネジメント
 ①脳転移,肝転移,肺転移,骨転移例に遭遇したら
   吉井 由美 奈良県立医科大学附属病院 腫瘍センター
 ②胸膜炎,腹膜炎,心膜炎,髄膜炎に遭遇したら
   小林 真也 奈良県総合医療センター 腫瘍内科
7. 原発不明がん:予後良好群を見逃さないためには?
  竜野 真維 天理よろづ相談所病院 総合内科
8. 合併症(オンコロジックエマージェンシーを中心に)
 ①高カルシウム血症:カルシウムの「値」だけに囚われていないか?
   橋本 典諭 東海大学医学部付属八王子病院 血液腫瘍内科
 ②脊髄圧迫:早期発見の手掛かりを見落とさない!
   橋本 典諭
 ③腫瘍崩壊症候群:がん治療前後に注意すべき予防と管理の原則
   野﨑 健司 住友病院 血液内科
 ④腫瘍随伴症候群:DIC,DVT/PE,リウマチ性疾患,腫瘍熱をみたとき・疑ったとき
   中坊 周一郎 京都大学大学院医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
 ⑤上大静脈症候群:緊急性の有無をいかに見極めるか
   原谷 浩司 近畿大学医学部附属病院 腫瘍内科