ER・救急999の謎

読むだけで理解が深まる、
「感染症」「集中治療」「総合内科」に次ぐ、大好評シリーズ第4弾!
臨床現場で遭遇するさまざまな「謎」に関し、救急の第一線で活躍する医師が、エビデンスに基づき豊富な経験を踏まえ解説。蘇生、外傷、中毒、呼吸、循環、消化器、神経などの救急医療の柱となる領域をはじめ、多岐にわたる内容をカバー。設問は、基本知識を確認し(A)、さらに理解を深め(B)、トリビア的な知識を身につける(C)、の3レベル。医学生・研修医や若手医師にとって、救急医療の醍醐味を感じつつ楽しく学べる1冊。
¥6,050 税込
監修:志賀 隆 国際医療福祉大学三田病院救急部部長/国際医療福祉大学医学部救急医学講座
ISBN
978-4-89592-902-8
判型/ページ数/図・写真
A5変 頁656 図・写真108
刊行年月
2017/10/25
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1 総論
2 プレホスピタルケア
3 災害医療
4 蘇生
5 循環系
6 呼吸器系
7 消化器
8 腎・泌尿器系
9 神経系
10 感染症
11 内分泌
12 血液
13 外傷
14 外傷以外の筋骨格の障害
15 中毒
16 環境による障害
17 特殊領域
18 検査とクリニカルプレディクションルール
19 その他
索引

監修者序文

救急は面白いし,やりがいがある!
「困っている人を助ける!」という医療の根本に正面から向き合う救急医療は医の原点です。ただ,実際の現場で救急医として働くのは簡単ではありません。すべての患者さんが「ありがとう」の言葉をくれるわけではなく,「俺は帰るっていっているだろ!」,「どうしてこんなに待たせるんですか?」,「先生どうにかならないんですか?」など救急現場の医療者が盛り下がってしまう発言を受けることも多くあります。また,救急医は他の専門科から「素人集団」,「研修医の延長」,「便利屋」,「夜や週末だけいてくれればいい」などいろいろな見方をされることもあります。
やっぱり「キツイ,汚い,危険」な3K職場である救急外来は,医学生・若手医師に避けられてしまうのでしょうか?実際はそうではありません。救急科専門医は毎年増えています。ただ,まだまだ社会の需要に応えられるほどではないのが現状です。このような状況を打破するため,我々は2009年に「夢と,若さと,情熱で日本の救急医療を変える!」を合言葉にEM Alliance(NPO法人総合救急医学研究会)を発足させました。以来,ER型救急を目指す仲間を募り,現在は約2,500名の医師・医学生の会員を擁する団体になりました。そして,今回の本書の執筆はこのEM Allianceのメンバーを中心に我が国の将来を担う歴戦の勇者の救急医たちや救急医を信頼してくれる医師たちによって行われました。
本書では,忙しい救急外来で役立つようにいくつかの工夫がしてあります。まず,感染症に始まり,集中治療,総合内科と続く他の999の謎シリーズの既刊本と同様に,本書の謎はA,B,Cにランク分けしてあります。はじめに,Aで基本知識を身に着け,少し自信がついてくればBでさらに理解を深めてください。そして,研修医や看護師さんをへぇ~といわせられるようなトリビア的な知識を身に着けたい人はCまで読む,という使い方をすることが可能です。
カバーした内容は多岐にわたっています。もちろん,蘇生,外傷,中毒,呼吸,循環,消化器,神経などの救急医療の柱となる領域はもちろんのこと,ERでとても大事な分野にも幅広くアプローチしています。
「マルチタスクのコツは何か?」(1章総論)
「開放骨折には高圧洗浄が推奨されるか?」(13章外傷)
「顔面の創傷での気をつけるべきポイントを述べよ」(13章創傷管理)
「腰痛の“red ag”とは何か?」(14章外傷以外の筋骨格の障害)
「救急外来で超音波が活用できる局面を挙げよ」(18章検査とクリニカルプレディクションルール)
同じ謎を別々の執筆者が扱っているところもありますが,それぞれの考えを対比させるため監修者の判断であえて残しています。1つの問いに対して,個々の医療者がどのようなエビデンスをもって臨むか,同じエビデンスをどのように解釈するか,を読み比べると,さらに理解が広がると思います。そして,それぞれの謎に対する答えは簡潔になっています。夜勤や当直の間にさっと読んで理解できるようになっています。さらに理解を深めたい人には参考文献があり,より深い学習が可能になっています。
このように素晴らしい執筆陣によって,情熱と工夫満載に企画された本書を読んでいいただくことで「キツイ,汚い,危険」な3K職場であったはずの救急外来が,「実は肥沃な大地である」ことをぜひみなさんに知っていただければと思います。そして,米国のように,救急医学が単なる「便利屋」をはるかに通り越し,「最も人気のある専門科」の1つになることを願っています。そして,ますます卒前卒後の医学教育で最も深みのある研究や教育が提供される豊かな農場となることも……

本書は1冊の書籍であり,「たかが救急医」の書いた本かもしれません。しかし,「この人・この家族のために」と限られた社会資源のなかで,最大の治療効果のある方針を検討する「医学の原点」である救急医療の醍醐味が詰まった熱い本であることも確かです。本書を多くの医師・医学生・医療者に手にとっていただき,救急医学の魅力がさらに多くの方に伝わり,我が国の救急医療がさらに充実することを願ってやみません。
我々を支えてくれた家族・国内外の仲間/友人・素晴らしい教師となってくれた患者さん・ご家族に本書を捧げます。
救急医 志賀隆

2019-12-19

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

439ページ下から13行目
(誤)フェンタニルの利点は,溶性であるため作用発現が2〜3分と速いこと
(正)フェンタニルの利点は,溶性であるため作用発現が2〜3分と速いこと

2018-01-11

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

164ページ 上から14行目
(誤)なお診断においては,aVRのST上昇があり
(正)なお診断においては,aVRのST低下があり

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