新・麻酔科研修の素朴な疑問に答えます

10年ぶりの大改訂! さらにパワーアップ!
素朴な疑問を解決すれば、明日の麻酔が楽しくなる
研修医が抱く「素朴な疑問」に真正面から向き合い、Q&A形式で解説し、好評を博したベストセラーテキスト、10年ぶりの増補改訂版。麻酔科診療の全領域を網羅。近年の麻酔法の進展、使用薬物の変化などを踏まえ、大幅更新。かつ雑誌『LiSA』“徹底分析シリーズ”で掲載された疑問を厳選しブラッシュアップ、書き下ろしの新項目とあわせて追加。全10章103問、360頁にボリュームアップ。麻酔科研修医のみならず、上級医・教官も目からウロコの一冊。
¥5,720 税込
編集:稲田英一 順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座主任教授
ISBN
978-4-89592-866-3
判型/ページ数/図・写真
B5 頁360 図47 写真18
刊行年月
2016/9/2
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Ⅰ 術前管理:術前評価,術前投与薬物
001.肥満患者の術前評価で注意すべき点は何か?
002.術前の呼吸機能検査,動脈血ガス分析結果はどう評価するか?
003.予防接種後の手術はどれくらい延期すべきか?
004.発熱患者の術前評価と手術延期の判断はどうするか?
005.絶飲食の時間はどれくらいが適切か?
006.ステロイドカバーはどのような患者に必要か?
007.アスピリンやNSAIDsで血液が凝固しにくくなるのはなぜか?
008.抗血小板薬はいつ中止するか?
009.ワルファリンや新規経口抗凝固薬(NOAC)はいつ中止するか?
010.術前に継続すべき薬物は何か?
011.予防的抗菌薬はいつ投与し,いつまで継続するか?
012.妊婦はフルストマックか?
Ⅱ 気道確保と呼吸管理
013.声門上器具の応用にはどのようなものがあるか?
014.輪状軟骨圧迫は行わなくてもよいか?
015.迅速導入で挿管に失敗したら,換気してもよいか?
016.気管チューブの位置確認法にはどのようなものがあるか?
017.術中呼吸管理法により術後呼吸器合併症は予防できるか?
018.オピオイドを投与すると呼吸抑制が起こる機序は何か?
019.麻酔器の呼吸バッグの役割は何か?
020.カフ内圧はなぜ重要か?
021.酸素ボンベに酸素はどれだけ入っているか?
022.吸入ガスの加温・加湿はなぜ必要か?
023.気道内圧が術中に上昇したときにはどう対処するか?
024.化学受容体を介した換気調節のメカニズムはどのようなものか?
025.換気はなぜPO2ではなくPCO2で調節されるか?
026.肺内で換気血流比はどのように分布しているか?
027.肋間筋が麻痺しても呼吸が保たれるのはなぜか?
028.1分間の酸素消費量や二酸化炭素産生量はどれくらいか?
029.自発呼吸と人工呼吸の呼吸生理学的な違いは何か?
030.高濃度酸素が有害なのはなぜか?
031.気管支喘息患者にしてはいけないことは何か?
032.スガマデクス投与後の再挿管はどうやって行うか?
Ⅲ 循環管理・臓器循環管理
033.血圧が変化すると心拍数が変動するのはなぜか?
034.自発呼吸と人工呼吸の循環生理学的な違いは何か?
035.座っていても下肢から血液が心臓に戻るのはなぜか?
036.心房収縮が喪失すると心不全が起こるのはなぜか?
037.冠動脈血流が左室拡張期に多く流れるのはなぜか?
038.徐脈の危険性とは何か?
039.ドパミンによる尿量増加のメカニズムはどのようなものか?
040.尿が出ていれば腎不全にならないか?
041.尿量の減少は腎機能低下を意味するか?
042.腎動脈下の大動脈遮断でも腎機能低下が起こるのはなぜか?
043.腎臓のもつ体液・電解質調節以外の機能は何か?
044.麻酔薬により脳代謝と脳血流量のカップリングは変化するか?
045.マンニトールが頭蓋内圧を低下させる機序は何か?
046.頭蓋内圧亢進患者においてPaCO2はどの程度に保つか?
047.臓器血流の自己調節メカニズムはどのようなものか?
048.脳血流の自己調節能とは何か?
049.高血圧患者での脳血流の自己調節能はどのようなものか?
050.帝王切開の昇圧薬の適切な使い方とはどのようなものか?
051.妊婦低血圧時になぜ子宮左方圧排を行うのか?
052.プロタミンの投与量はどのように決定するか?
Ⅳ 体温管理
053.術中に体温が低下するのはなぜか?
054.シバリングが起こるのはなぜか?
055.低体温の有害な作用は何か?
056.低体温の有用な作用は何か?
057.アミノ酸輸液で体温が上昇するのはなぜか?
058.脊髄幹麻酔で体温が低下するのはなぜか?
Ⅴ 体液・代謝・輸液管理
059.なぜ太い静脈路が必要か?
060.周術期の腎保護に有用な薬物はあるか?
061.献血しても血圧が下がらないのはなぜか?
062.出血に対する輸液療法の最近の考え方はどのようなものか?
063.ヘモグロビンの機能性とは何か?
064.危険な高カリウム血症の治療法はどのようなものか?
065.周術期の低カリウム血症はどこまで許容できるか?
066.糖尿病患者における賢い糖投与の方法とはどのようなものか?
Ⅵ 輸血療法
067.トラネキサム酸は出血量減少に有効か?
068.新鮮凍結血漿は融解してから何時間以内に使用するか?
069.血小板輸血の正しい適応とはどのようなものか?
070.濃厚血小板を絶えず振盪するのはなぜか?
071.アルブミン製剤はどのような場合に有用か?
072.異型適合血輸血や交差適合試験の省略のリスクとはどのようなものか?
073.輸血製剤の保存温度が異なるのはなぜか?
074.輸血用血液が凝固しないのはなぜか?
075.血漿が凍結しても利用できるのはなぜか?
076.Massive Transfusion Protocolとはどのようなものか?
Ⅶ 局所麻酔薬・区域麻酔
077.局所麻酔薬の極量はどのように決められるか?
078.局所麻酔薬が早く作用する神経線維はどれか?
079.局所麻酔薬中毒が起きたときにはどのように対処するか?
080.硬膜外腔はどうやって見つけるか?
081.硬膜穿刺後頭痛予防のために安静にしなくてよいか?
082.硬膜外カテーテルから脳脊髄液のようなものが吸引されたらどうするか?
083.硬膜外カテーテルから血液が吸引されたらどうするか?
084.硬膜外腔でカテーテルが切断されたらどうするか?
Ⅷ 術後管理:術後鎮痛・術後合併症
085.モルヒネやフェンタニルを用いたPCAの設定はどうするか?
086.硬膜外鎮痛法は術後いつまで続けるか?
087.アセトアミノフェンの効果的な使用法とはどのようなものか?
088.睡眠時無呼吸と心不全との関係はどのようなものか?
089.腹部手術で肺合併症が起こりやすいのはなぜか?
090.周術期に失明するのはなぜか?
091.高齢者が全身麻酔を受けると認知症は進行するか?
092.術後経口摂取はいつから開始するか?
Ⅸ 麻酔器・モニタリング
093.揮発性麻酔薬使用時の新鮮ガス流量設定はどうするか?
094.新鮮ガス流量を変化させるとどのようなことが起こるか?
095.Jackson-Rees回路で必要な新鮮ガス流量はどれくらいか?
096.気化器の構造はどのようになっているか?
097.使用機器で酸素濃度はどのように変化するか?
098.SaO2とSpO2の違いは何か?
099.PETCO2とPaCO2の差はどこから生まれるか?
100.BIS値は術中どの程度に保つべきか?
101.筋弛緩薬効果が残存していないことはどう確かめるか?
Ⅹ その他
102.麻酔薬や麻薬,向精神薬はどのように管理・保管するか?
103.筋弛緩薬はどのように保管するか?

『麻酔科研修の素朴な疑問に答えます』の初版が出てからすでに10年が経過した。その記載の一部は古いものとなったが,「素朴な疑問」であるだけに,現在も十分に通用する内容となっており,今でも広く読まれていることは喜ばしいことである。本書,『新・麻酔科研修の素朴な疑問に答えます』では書き直しを含め103の素朴な疑問を取り上げた。
 時代とともに,医療や医学は進歩し,新しい疑問が生まれてくるのも事実である。麻酔法をみても,全静脈麻酔の使用頻度は増加し,揮発性麻酔薬もセボフルランの独壇場であったところに,デスフルランが食い込んできた。日本麻酔科学会による「術前絶飲食ガイドライン」(2012年)や,「気道管理ガイドライン2014」(日本語訳2015年)も発表され,広く用いられるようになってきた。薬物でも,スガマデクスも一般的に用いられるようになって,筋弛緩薬の拮抗の状況も大きく変化した。肺血栓塞栓症のリスクが広く認識されるとともに,薬物溶出性冠動脈ステント挿入患者の増加などもあり,ヘパリン,ワルファリン,新規経口抗凝固薬(NOAC)などの使用も広がり,硬膜外麻酔の使用頻度が減少する状況となっている。輸液療法ではrestrictive therapy,輸血療法ではmassive transfusion protocolなどの概念も広がってきた。本書では,これらの新しい医療・医学に対する疑問も多く取り上げている。
 一方で,昔と変わらない「素朴な疑問」も多く取り上げている。ヘモグロビンと酸素の結合,酸素消費量や二酸化炭素産生量,自発呼吸と人工呼吸の違い,換気血流比,呼吸調節,高濃度酸素投与の危険性など,呼吸に関する基礎的問題がまずそれである。一般的な気道管理については,気管挿管の確認法,声門上器具の使用法,カフ内圧の管理,吸気の加温・加湿の意義,術中呼吸管理改善による術後呼吸器合併症の予防などについて。また,臨床的に迅速で的確な対応が必要になる迅速導入に失敗したときの対応,輪状軟骨圧迫に対する最近の考え方,オピオイドによる呼吸抑制などについて取り上げた。毎日使用する麻酔器についても,酸素ボンベ内容量,リザーバーバッグの役割,新鮮ガス流量決定のための要因,気化器の構造などといった問題について解説した。循環器系では,血圧と心拍数変動,心房収縮の意義,冠動脈血流,臓器血流の自己調節能などについて,輸血や凝固系管理に関しては,抗凝固薬・抗血小板薬の周術期管理,プロタミンの使用法,血液製剤の理論的な使用法などについて解説した。周術期管理として,肥満患者,気管支喘息患者,発熱患者,睡眠時無呼吸患者の管理のほか,術後鎮痛法,術後合併症として肺合併症,失明,認知症の進行などについて取り上げた。
「素朴な疑問」の解説には,目から鱗が落ちるようなものがあるのではないかと思っている。素朴な疑問に対する解説を読めば,すっきりとした気持ちで日常臨床ができるのではないかと思っている。日常的になんとなく行っている「ルーチン」が,実はエキサイティングなことだと気づいていただければ,日常臨床がより楽しいものとなるであろう。本書は初心者だけでなく,上級医・教官にとっても有用であると信じている。
 是非,自分なりの解答を考えながら,素朴な疑問に立ち向かっていただきたい。

2016年 初夏
稲田 英一

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