INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2018年2号

特集:酸素療法
酸素療法に着目し,呼吸生理から,酸素投与の実際,そして近年活発に研究が行われている酸素療法の目標値までを網羅する特集といたしました。まず,酸素療法を理解するためには呼吸生理の理解が重要であり,低酸素血症が生体に与える弊害,呼吸調整のメカニズム,換気のメカニズム,肺胞での酸素の取り込み,循環による酸素の輸送,および日常的に使用する酸素療法のモニタリングに関しても,その測定理論や使用における注意点などを解説します。次に,人工呼吸中の酸素療法の目標値を中心に,高濃度酸素の弊害について解説し,心肺蘇生後患者,慢性呼吸器疾患患者,ARDS・急性呼吸不全患者,周術期患者,小児患者,脳卒中患者,心筋梗塞患者の各患者群において,酸素療法に関するエビデンスレビューをまとめます。さらに,マスク・カニューレによる酸素投与,高流量鼻カニューレ酸素療法,高圧酸素療法に関して解説し,臨床現場で行われている酸素療法に関して,広く網羅して情報提供をいたします。
  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。











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特定非営利法人 日本集中治療教育研究会





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『INTENSIVIST Vol.10 No.2 2018』電子版



¥5,060 税込
責任編集: 江木 盛時 神戸大学医学部附属病院 麻酔科 大下 慎一郎 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 医学講座 救急集中治療医学 安田 英人 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
ISBN
978-4-89592-990-5
刊行年月
2018/4/27
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巻頭言:“空気”のように当たり前だが極めて重要な存在:“酸素”

  江木 盛時 神戸大学医学部附属病院 麻酔科

Part 1 酸素の生理学

1.イントロダクション:酸素の生理学の重要性

  大下 慎一郎 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 医学講座 救急集中治療医学

2.低酸素の生物学:低酸素誘導性因子(HIF)の果たす役割

  広田 喜一 関西医科大学附属生命医学研究所 侵襲反応制御部門

3.呼吸調節のメカニズム:呼吸中枢と化学受容器の働きを中心に

  田中 愛子,藤野 裕士 大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔・集中治療医学教室

4.換気のメカニクス:肺・胸郭・呼吸筋の働き

  寺田 尚弘 東京女子医科大学八千代医療センター 麻酔科 集中治療部

  野口 裕幸 北里大学保健衛生専門学院 臨床工学専攻科

  尾﨑 孝平 神戸百年記念病院 麻酔集中治療部・手術部

5.肺胞から血流への酸素の移動:拡散,吸入酸素分圧,換気血流比を理解する

  黒木 雅大,中根 正樹 山形大学医学部附属病院 麻酔科

6.血流による酸素の輸送:ヘモグロビンから組織内へ,組織からミトコンドリア内へ

  細川 康二,志馬 伸朗 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 医学講座 救急集中治療医学

7.酸素療法のモニタリング:測定原理と影響を与える因子を理解する

  山口 嘉一 横浜市立大学医学部 麻酔科学教室

8.酸素需給バランスのモニタリング:DO2,VO2,O2ERを理解し,SvO2,血清乳酸値,P(v-a)CO2で評価する

  中島 幹男 杏林大学医学部 救急医学

Part 2 酸素療法の目標値

総論

1.イントロダクション:何故,今,酸素療法の目標値なのか?

  江木 盛時

2.高濃度酸素の弊害:気道・肺への傷害と全身への影響

  鈴木 聡 岡山大学病院 集中治療部

各論

1.心停止蘇生後患者の酸素療法:高酸素血症の有害性を意識した管理を行う

  鈴木 秀鷹 武蔵野赤十字病院 救命救急科

  安田 英人 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科

2.慢性呼吸器疾患患者の酸素療法:SpO2の至適目標値

  伊藤 次郎 神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科

  瀬尾 龍太郎 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

3.ARDS・急性呼吸不全患者の酸素療法:最適なSpO2・PaO2値とは

  大下 慎一郎

4.小児患者の酸素療法:成人との違いに重点をおいて

  佐藤 光則,川崎 達也 静岡県立こども病院 小児集中治療科

5.脳卒中患者の酸素療法:低酸素血症を避けて,O2 deliveryを考慮した全身管理を行う

  中島 幹男 

6.心筋梗塞患者における酸素療法:有益か有害か

  大竹 弘隆,植西 憲達 藤田保健衛生大学 救急総合内科

Part 3 酸素投与の方法

1.自発呼吸患者に対するマスク・カニューレによる酸素投与:

  必要に応じた流量とデバイスの選択

  大塚 将秀 横浜市立大学附属市民総合医療センター 集中治療部

2.経鼻高流量酸素療法high flow nasal cannula(HFNC):生理学的効果,適応と臨床的有用性

  大藤 純 徳島大学病院 ER・災害医療診療部

3.高圧酸素療法:原理・適応と治療の実際:急性一酸化窒素中毒,減圧症,空気塞栓症を中心に

  神宮司 成弘,大竹 弘隆,植西 憲達 藤田保健衛生大学 救急総合内科

【コラム】酸素供給源:トラブル回避のための基本的知識

  尾﨑 孝平 

【コラム】酸素療法のコスト

  鈴木 聡 







連載

■港島ICU×ICTカンファレンス:第7回:ICUにおけるPK/PDを意識した抗菌薬戦略

 港島ICU×ICTカンファレンスチーム

  矢﨑 知子 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

  長田 学 神戸大学医学部附属病院 感染症内科

  瀬尾 龍太郎 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

■え?知らないの?人工肺

〈シリーズ構成:森實 雅司 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉

  江口 友英・二藤部 英治 日本大学病院 臨床工学室

■Lefor’s Cornor:第28回:Vascular Access and Hemodynamic Monitoring Part IX. Central Venous Access-Simulation Training

  Joho Tokumine Department of Anesthesiology, Kyorin University School of Medicine

  Alan Kawarai Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University




■JSEPTIC簡単アンケート:第27回:心肺停止後の体温管理療法・中毒

  片岡 惇 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門

■集中治療に関する最新厳選20論文

  吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

  柳井 真知 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター

2018-05-01

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々に深くお詫びいたします。

iiページ23行目,333ページ サブタイトル
(誤) 
酸素需給バランスのモニタリング:
DO2,VO2,O2ERを理解し,SvO2,血清乳酸値,P(v-a)で評価する
(正)
酸素需給バランスのモニタリング:
DO2,VO2,O2ERを理解し,SvO2,血清乳酸値,P(v-a)CO2で評価する

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