遺伝子診療よくわかるガイドマップ - 初診から検査そして結果報告まで -

遺伝子を調べて診断・治療に生かす
Dr.中山がギモンを解消!
具体的な対象者やその効果などイメージが掴みづらい遺伝子診療について、何がどのように行われているか、実際の診療の流れに沿って解説。遺伝学的検査や遺伝カウンセリング業務のきっかけになる時点から、検査を経てその結果を解釈し患者に伝えるまで、患者応対に際してのロールプレイシナリオやフローチャートを交え、現場の人が迷うこと、知りたいことを念頭に置き懇切丁寧に解説する。遺伝学的検査に必要な書類の作成例など、実用性の高い知識も提示。遺伝子診療に直接的・間接的に関わる医療者にとって、今すぐ使えるガイド。
¥3,850 税込
著:中山智祥 日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野教授
ISBN
978-4-8157-0142-0
判型/ページ数/図・写真
B5変 頁148 図45
刊行年月
2018/11/28
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第1章 遺伝子診療の流れ
1.1 遺伝子を調べることはすべて遺伝子に関連した「検査」なの?
1.2 遺伝子を調べる手法にはどんなものがあるの?
1.3 遺伝学的検査を行う場合とは?
1.4 遺伝学的検査の流れ

第2章 遺伝学的検査をする前に
2.1 どのようなケースで遺伝学的検査が行われるのか?
2.2 臨床検査の有効性を上げる方法がある?-感度、特異度、陽性適中率について
2.3 家系図の描き方
2.4 遺伝カウンセリングと同意書の取得
2.5 遺伝学的検査の費用

第3章 遺伝学的検査の方法
3.1 遺伝学的検査の種類
3.2 それぞれの遺伝学的検査手法の特徴
●未知のバリアントを調べる方法
3.3 サンガー法
3.4 次世代シークエンス法
3.5 MLPA法
3.6 マイクロアレイ法
3.7 PCR法
3.8 染色体分染法
●既知のバリアントを調べる方法
3.9 TaqManPCR法
3.10 染色体FISH法

第4章 遺伝学的検査に伴う書類
4.1 遺伝学的検査に必要となる書類
4.2 精度管理のために検査施設で必要な書類
4.3 遺伝学的検査の報告書

第5章 遺伝学的検査の結果の解釈のしかた
5.1 なぜ結果の解釈が重要なのか
5.2 結果を伝えるときの注意点
5.3 バリアントの種類
5.4 バリアントの表記法
5.5 バリアントの評価のしかた
5.6 どこまで伝えるか(二次的所見も含めて)

 遺伝子診療に関係する話題は,新聞・テレビ・インターネットなどマスメディアを通じて日々耳にしますが,まだ臨床応用されていない研究段階の技術や保険が効かないヒトゲノムの分析について多数含まれており,医療者にとっても理解が追い付かないことが多々あります。実際の医療現場では,遺伝や遺伝子について不安や疑問をお持ちの方がクライエントとして医療者との面談をご希望し遺伝カウンセリングの機会を設け,遺伝子関連の検査や治療についての方針をともに決定していくことが一般的になっています。診療科の区分けでは内科,外科,産科婦人科,小児科,眼科,耳鼻咽喉科,皮膚科,泌尿器科などではそれぞれの学問領域の患者さんを診療しますが,遺伝や遺伝子についてはすべての診療科に関わる領域であるため,遺伝子診療に特化した部署・部屋が担当する医療機関が多くなっています。ただし,こうした遺伝子診療の現場で何がどのように行われているかは患者さんやクライエントさんはもとより医療者にとってもイメージしにくいという声を聞きます。
 この本は遺伝子診療の医療現場での流れに沿って解説しています。医療者側からの視点と患者さん・クライエントさんからの視点の両方から捉えています。そして内容として「とにかくわかりやすくする」,「わかりにくい点は何なのかを明らかにする」を掘り下げてみました。姉妹版である拙著『医療に役立つ遺伝子関連Web 情報検索 手とり足とり教えますガイド』は日本遺伝子診療学会のジェネティックエキスパート認定制度に関与する臨床遺伝情報検索講習会で行っているWeb 検索に焦点を当てて作成されましたが,今回はより広く遺伝子診療の臨場感を大切にしながらガイドすることを重点視しました。以下のような点が特徴になっております。1. 遺伝子診療の流れとして遺伝学的検査や遺伝カウンセリン
グ業務のきっかけになる時点から解説しました。2. 遺伝子診療の流れ図をJIS流れ図記号にて表しました。3. 章ごとに関連する内容の遺伝カウンセリングのシナリオ(フィクションです)を提示して読み物としました。4. 私からの「ひとこと」やコラム欄をふんだんに設け,ちょっとしたポイントがわかるようにしました。5. 臨床検査としての検体検査や遺伝学的検査に必要な書類について最新情報を提示しました。6. カラーの図,表,写真を多く掲載しました。手前みそですが今までこのような試みはなかったように思います。
 一人の読者としての私自身が書店などで触れた際に買いたいな,と感じる本になればいいなと思い作成しました。遺伝子診療を専門とする方のみならず,患者さん・クライエントさんも含めあらゆる方が読めるようになっています。私の遺伝子診療への思いを具現化した結晶であるこの本が,あなたの役に立ち,文字通りガイドマップになればこんなにうれしいことはありません。
 最後になりますが普段からご指導いただいている福嶋義光教授,小杉眞司教授に推薦文をいただき,心から感謝申し上げます。また,日本遺伝子診療学会ジェネティックエキスパート認定制度委員会メンバーの足立香織先生,長田誠先生,才津浩智先生,佐藤謙一先生,中條聖子先生,中谷中先生,原田直樹先生,データ解析・提供にご協力いただいた鳴瀬弘さん,日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部の武居宣尚さん,福田嘉明さん,執筆に多大な御協力をいただいたメディカル・サイエンス・インターナショナル社の藤川良子さん,星山大介さん,イラストレーターの方にお礼を申し上げます。
2018 年11 月
日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野 教授
中山智祥

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