Hospitalist(ホスピタリスト)2018年4号

特集:心不全
本特集では,急性心不全を「救急外来でみたとき」に,その「入院後超急性期」「慢性期」「終末期」に,それぞれ何をすべきかをまとめます。急性心不全は,エビデンスのある治療がほとんどなく,生理学に応じた治療を理解し,目の前の患者の心不全の生理を考察し,それに対する介入が重要です。一方,慢性心不全は,生理学のみならずアウトカムスタディに基づく治療(エビデンス)が重要です。今回はその双方を盛り込んで企画しました。

心不全はStage分類でも理解できますが,「進行性の病気」であり予後が悪く,例えばStage 4の癌患者より,目の前の心不全患者のほうが予後が悪い場合があります。したがって,予後予測とそれを適切に伝えるスキルが必要になります。予後改善を目指した治療の導入のみならず,まさかのプランを患者とともに話し合うアドバンス・ケア・プランニングも,心不全ケアには必須です。最大限に治療をしても症状がとれない末期心不全になると,症状緩和が重要になります。家族へのグリーフケアも意識せねばなりません。これらの内容も盛り込んでいます。


すべての循環器患者を専門医だけでケアするのはとても難しい時代が到来しつつあります。循環器医と総合内科医が協力して心不全を管理していくために,本特集がまずその共通言語を提示するものとなり,将来を見すえた診療の橋渡しの1つとなることを目指します。


¥5,060 税込
著者
責任編集: 平岡栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科 上月周 大阪府済生会中津病院 循環器内科 杉崎陽一郎 神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
ISBN
978-4-89592-956-1
刊行年月
2019/2/27
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はじめに|心不全パンデミック時代の新教科書として:総合内科医には循環器力を,循環器医には総合内科力を!
  平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

Part 1:総論
Editorial|Part 1:総論,Part 2:ERで出会う心不全
  平岡 栄治
1. 心不全の疫学,心不全予後予測スコアとその使い方:効果的かつ効率的な医療を実践するために
  白石 泰之 慶應義塾大学医学部 循環器内科

Part 2:ERで出会う心不全
[ミニコラム①] 急性心不全の初期評価:3つの軸で考えよう!
  小島 俊輔 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
  平岡 栄治
2. 心不全の診断,治療における心エコー図の役割:基本的な評価項目と抽出のポイントを押さえる
  松添 弘樹 淀川キリスト教病院 循環器内科
[コラム①] バイオマーカーの役割:BNPの使い道:解釈の仕方や注意点を理解したうえで心不全の診断・マネジメントに活かす
  西尾 亮 淀川キリスト教病院 循環器内科
3. Case 1:急性心不全には常に緊急冠動脈造影が必要か?:検査の必要性とタイミングのDecision Making
  上月 周 大阪府済生会中津病院 循環器内科
4. Case 2:虚血性心筋症とは? 常に最初から血行再建が必要か?:心筋の状態に応じた評価と治療の選択
  野口 将彦 Cardiovascular Research Foundation /Columbia University Medical Center
5. Case 3:血圧上昇を伴う電撃性肺水腫:水分再配分型と水分貯留型のメカニズムを整理し,治療を考える
  杉崎 陽一郎 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野
[コラム②] 急性心不全における非侵襲的換気療法:NIV,HFNCのメリットからエビデンス,導入のコツまで
  中川 雅之 神戸市立西神戸医療センター 循環器内科
6. Case 4:心房細動を伴った血圧が低い急性心不全のマネジメント:頻脈へどうアプローチしていくか
  藤原 竜童 大阪府済生会中津病院 循環器内科
[コラム③] 心房細動を伴う慢性心不全:アブレーションは予後を改善するか?
  里見 和浩 東京医科大学病院 不整脈センター
7. すぐに手術が必要かもしれない急性心不全:急性MR,急性AR:コンサルト前にしておきたい心エコー評価,術前管理
  武井 康悦 東京医科大学病院 循環器内科

Part 3:ICU,病棟での心不全管理
Editorial|Part 3:ICU,病棟での心不全管理
  平岡 栄治
8. Heart failure with reduced EF(HFrEF)を診る:左室駆出率が低下している心不全,その治療戦略とエビデンス
  尾崎 功治 福岡山王病院 循環器内科
  伊藤 大樹 あおばクリニック
9. Heart failure with preserved EF(HFpEF)を診る:収縮能は保たれていても「拡張障害」による心不全がある
  杉崎 陽一郎
[コラム④] 心不全の原因疾患やその鑑別をどう考えていくか:循環器専門医の立場からみた“心不全”の概念と整理
  森 俊平 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野
[コラム⑤] 心不全の原因疾患:病歴と身体所見はやはり重要!
  平岡 栄治
[コラム⑥] 心不全患者の除水:何を指標に,どれだけ除水する? 尿が十分に出なくなったときどうする?
  望月 泰秀 昭和大学医学部 内科学講座 循環器内科学部門
10. Case 5:右室機能と右心不全をきたす疾患:構造や機能をふまえて生理学的特徴,臨床的特徴を知ろう
  猪原 拓 Duke Clinical Research Institute
[コラム⑦] 急性心不全で退院までにすべきこと:入院中は再入院を防ぐために教育介入できる最高のチャンス
  甲谷 太郎・永井 利幸 北海道大学大学院 医学研究院 循環病態内科学
11. Case 6:Wet and Coldをどう脱するか?:Nohria-Stevensonの分類での評価と治療のポイント
  河野 裕之・北井 豪 神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
[ミニコラム②] Stage Dの心不全かな,と思ったときのチェックポイント:治療内容の見直しと,患者一人一人に合わせたケアを
  松尾 裕一郎・平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
12. 心不全患者の緩和ケアとは:症状のコントロール,終末期における治療法選択の判断,およびケアコーディネーションについて
  樋口 雅也 Division of Palliative Care and Geriatric Medicine Massachusetts General Hospital, Instructor in Medicine Harvard Medical School
  中川 俊一 Inpatient Palliative Care Services, Department of Medicine Columbia University Medical Center
13. 心不全緩和ケアにおけるアドバンス・ケア・プランニング:早期からの開始が重要なコミュニケーション
  樋口 雅也
  中川 俊一
14. 慢性心不全患者の再入院を減らすアドヒアランスの重要性:患者固有の問題にどのように介入していくか
  金澤 健司 加古川中央市民病院 総合内科
[コラム⑧] 慢性心不全患者の再入院を減らすための薬物の知識:心臓に悪い薬をなるべく避けよう!
  有好 信博 The Queen’s Medical Center
  平岡 栄治
[コラム⑨] 人工弁患者が急性心不全で入院してきたら?:人工弁とTAVIに関する心不全,トラブル
  望月 泰秀
[コラム⑩] 急性心不全の利尿薬投与でクレアチニンが上昇したらうっ血でも利尿薬をやめるべき?:worsening renal function(WRF)は果たして「真の悪者」なのか
  赤井 靖宏 奈良県立医科大学 地域医療学講座
[コラム⑪] 心室内同期不全(dyssynchrony)と心臓再同期療法(CRT):「レスポンダー」となるCRT適応例とは?
  牧原 優 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科

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