Hospitalist(ホスピタリスト)2019年3号 - 患者全体を見すえた内科診療のスタンダードを創る -

特集:抗血小板薬,抗凝固薬のすべて

あなたの血栓治療を変える19のヒント 血栓領域は,新たな薬剤の登場に伴い,ガイドラインの大幅な見直しも行われ,臨床現場が大きな変貌を遂げている領域の1つだと思います。責任編集の私自身,米国留学から帰ってきて,日米間で薬剤の承認状況や使用方法が異なり,混乱させられるような経験もしました。そのような変化に飲み込まれないようにするためには,歴史的背景や薬理作用といった,時代を経ても変わることのない真理までを理解する姿勢がとても重要だと思います。しかし,そこまで示してくれる実践書というのはなかなかありません。 本特集は,ただガイドラインの内容や最新の知見をお届けするというだけではなく,アスピリンやワルファリンといった古典的な薬剤が歩んできた「過去」,薬剤の選択肢が増えるなかでどのように適切な治療選択をするかという実診療の「現在」,そして現在進行中の臨床試験から透けてみえる抗血栓治療の「未来」,そのすべてを読者が学ぶことができるよう,構成を工夫しています。もちろん,どうやって臨床医としてEvidence Based Medicineを実践していくか,その落としどころも情報提供しています。 「薬剤」に焦点を絞った特集は,今までになかった新しい切り口ですが,自然と臓器横断的になり,まさにHospitalist誌にふさわしい特集になっています。ぜひご自身の診療へのヒントとしてお役立てください。



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¥5,060 税込
責任編集: 山田 悠史 埼玉医科大学 総合診療内科 筒泉 貴彦 愛仁会高槻病院 総合内科
ISBN
978-4-8157-0080-5
刊行年月
2019/09/27
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はじめに|あなたの血栓治療を変える19のヒント
  山田 悠史 埼玉医科大学 総合診療内科
1. 血小板の機能と抗血小板薬の作用機序:止血のメカニズムから種々の薬剤の理解を深める
  安部 涼平 慶應義塾大学医学部 血液内科
2. 抗血小板薬をいつどうやって使うのか:日本と米国のガイドラインを中心に:冠動脈疾患,脳梗塞,末梢動脈疾患
  三高 隼人 Department of medicine, Mount Sinai Beth Israel
[コラム①] アスピリン:その歴史と進化を探る
  吉野 鉄大 慶應義塾大学医学部 漢方医学センター
[コラム②] 新規抗血小板薬の最新エビデンス:プラスグレル,チカグレロルをクロピドグレルと比較して
  杉崎 陽一郎 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野
3. 凝固因子の機能と抗凝固薬の作用機序:凝固カスケードおよび線溶系から薬剤の特徴とその使い分けを理解する
  植田 康敬 大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科
4. 抗凝固薬をいつどうやって使うのか:日本と米国のガイドラインを中心に:静脈血栓塞栓症(VTE),心房細動,人工弁患者
  世戸 博之 愛仁会明石医療センター 総合内科
[コラム③] ワルファリン:より深い歴史と知識を追い求めて
  高田 史門 西の京病院 内科
  筒泉 貴彦 愛仁会高槻病院 総合内科
[コラム④] DOACの最新エビデンス:ダビガトラン登場から7年:群雄割拠時代の研究の動向
  池村 修寛・澤野 充明 慶應義塾大学病院 循環器内科
[コラム⑤] DOAC時代のヘパリン:それでもまだヘパリン持続静注とAPTTの頻回測定に価値はあるのか
  有好 信博 The Queen’s Medical Center Hospitalist Group
[コラム⑥] 非弁膜症性心房細動に対する抗凝固療法に際してのスコアリング:誕生の背景をひもとき,DOAC時代の活用を考える
  松本 朋弘 練馬光が丘病院 総合診療科
  山田 悠史
[コラム⑦] 入院中の静脈血栓塞栓症(VTE)予防:薬物的予防,理学的予防をすべての入院症例で丁寧に検討
  鈴木 康大・山田 悠史 埼玉医科大学 総合診療内科
5. 血小板機能異常,凝固異常時に使用する検査:適切な選択とその結果の解釈
  片桐 尚子 慶應義塾大学病院 臨床検査科
  涌井 昌俊 慶應義塾大学医学部 臨床検査医学教室
6. 抗血小板薬,抗凝固薬の投与をいつ控えるべきか:血小板減少,肝障害,腎障害など出血のリスクがある場合に考慮すべきこと
  恒光 綾子・笹木 晋 愛仁会高槻病院 総合内科
7. 周術期,侵襲的処置時の抗血小板薬,抗凝固薬のマネジメント:リスク評価に応じた中止と再開,その判断とタイミング
  野木 真将 The Queen’s Medical Center Hospitalist Group
8. triple therapy, double therapy:心房細動を合併したPCI症例の治療戦略に関する最新の知見
  平山 敦士・野口 暉夫 国立循環器病研究センター 心臓血管内科 冠疾患科
9. フレイルな高齢者における心房細動での抗凝固療法:臨床倫理4分割のフレームワークで適応を考える
  坂井 智達 飯塚病院 総合診療科
  関口 健二 信州大学医学部附属病院 総合診療科/市立大町総合病院 総合診療科
10. 妊婦・授乳婦に対する抗血小板薬,抗凝固薬の使い方:一律に禁止ではなく,有益性が上回る場合には適切な薬物治療を
  小澤 梨紗子 聖路加国際病院 女性総合診療部
11. 抗血小板薬,抗凝固薬内服中の出血への対応:出血の同定から拮抗薬の使用まで
  小畑 礼一郎 Department of medicine, Mount Sinai Beth Israel
12. 抗血小板薬,抗凝固薬投与中の消化管出血予防:リスクを理解しエビデンスをふまえ,適切にプロトンポンプ阻害薬の併用を行う
  吉岡 翼 東京ベイ・浦安市川医療センター 消化器内科
  山田 徹 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 総合診療医学分野

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