即戦力が身につく脳の画像診断

3つの難易度レベルに提示症例を分ける

実地診療で頼られる読影力を磨くために!




はじめに症例の現症・経過を記したのちに画像を示し、所見を解説、診断(疾患名)を明らかにするという実地診療の流れに沿った実践書。症例は類推できないようアトランダムに配置、日常診療における読影をリアルに再現する構成。さらに難易度を3段階に分け掲載、鑑別診断の解説も充実。臨床事項も含めた内容を問う「問題」と「解答」を置き、専門医試験にも役立つよう配慮。放射線科医がコンサルタントとしての技能を磨くのに最適。当該領域の専攻医・専門医にも有用。



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¥8,580 税込
編集:三木幸雄 大阪市立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR学教授・山田 惠 京都府立医科大学大学院放射線診断治療学講座教授
ISBN
978-4-8157-3014-7
判型/ページ数/図・写真
B5 頁548 写真899 図15
刊行年月
2021年4月
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目次-疾患別

血管障害(22症例)
急性期脳梗塞(症例L1-1)
急性期脳梗塞(症例L2-1)
strategic single infarct dementia(症例L3-1)
動脈解離(症例L1-12)
破裂脳動脈瘤(症例L2-12)
破裂脳動脈瘤(症例L3-12)
脳動脈瘤(症例L2-22)
脳動脈瘤(症候性未破裂動脈瘤)(症例L2-31)
脳静脈血栓症(症例L2-38)
硬膜動静脈瘻(症例L3-20)
小児もやもや病(症例L1-22)
成人もやもや病(症例L1-31)
好酸球増多を伴う疾患(症例L3-25)
脊髄硬膜外血腫(症例L1-40)
脳アミロイド血管症(症例L3-28)
CADASIL(症例L2-44)
脳動静脈奇形(症例L2-49)
硬膜動静脈瘻(症例L3-30)
海綿状血管奇形(症例L1-47)
静脈奇形(症例L1-52)
加齢性白質病変(症例L2-52)
新生児の低酸素性虚血性脳症(症例L2-55)

外傷(10症例)
脳挫傷(症例L1-2)
直撃損傷と対側損傷(症例L1-13)
びまん性軸索損傷(症例L2-2)
外傷性くも膜下出血(症例L1-23)
硬膜下水腫(症例L1-32)
硬膜下血腫(症例L1-41)
硬膜外血腫(症例L1-48)
頭蓋底骨折(症例L2-13)
側頭骨骨折(症例L3-2)
虐待(症例L2-23)

腫瘍(26症例)
びまん性星細胞腫(症例L1-3)
退形成性星細胞腫(症例L2-3)
膠芽腫(症例L1-4)
乏突起膠腫(症例L1-14)
びまん性正中神経膠腫(症例L2-14)
毛様細胞性星細胞腫(症例L2-24)
多形黄色星細胞腫(症例L3-3)
胚芽異形成性神経上皮腫瘍(症例L3-13)
神経節膠腫(症例L2-32)
脈絡叢乳頭腫(症例L2-39)
上衣腫(症例L2-45)
上衣下腫(症例L2-50)
中枢性神経細胞腫(症例L2-53)
髄芽腫(症例L1-15)
血管芽腫(症例L1-24)
松果体細胞腫(症例L2-56)
胚細胞腫瘍(症例L2-58)
悪性リンパ腫(症例L1-25)
血管内リンパ腫症(症例L3-21)
転移性脳腫瘍(症例L1-33)
癌性髄膜炎(症例L1-34)
髄膜腫(症例L1-42)
下垂体微小腺腫(症例L1-43)
下垂体腺腫(症例L1-49)
頭蓋咽頭腫(症例L1-50)
聴神経鞘腫(症例L1-53)

感染症(15症例)
ヘルペス脳炎(症例L1-5)
小児における細菌性髄膜炎(症例L1-16)
細菌性髄膜炎(症例L2-4)
脳膿瘍(症例L1-26)
結核性髄膜炎(症例L2-15)
神経梅毒(症例L2-25)
嚢虫症(症例L3-4)
トキソプラズマ症(症例L2-33)
感染性脳動脈瘤(症例L2-40)
HIV脳症(症例L2-46)
進行性多巣性白質脳症(症例L2-51)
クリプトコッカス症(症例L2-54)
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症(症例L3-14)
TORCH症候群(症例L1-35)
クロイツフェルト・ヤコブ病(症例L2-57)

非感染性炎症性疾患(17症例)
傍腫瘍性辺縁系脳炎(症例L1-6)
抗NMDA受容体抗体脳炎(症例L2-5)
抗GAD抗体関連神経疾患(症例L3-5)
急性壊死性脳症(症例L3-15)
Rasmussen脳炎(症例L3-22)
免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象(症例L3-26)
リウマチ性硬膜・軟髄膜炎(症例L2-16)
多発血管炎性肉芽腫症(症例L1-17)
全身性エリテマトーデス(症例L1-27)
神経ベーチェット病(症例L1-36)
橋本脳症(症例L2-26)
CLIPPERS(症例L1-44)
reversible cerebral vasoconstriction syndrome:RCVS(症例L1-51)
原発性中枢神経系血管炎(症例L2-34)
神経サルコイドーシス(症例L2-41)
高安動脈炎(症例L2-47)
巨細胞性動脈炎(症例L3-29)

変性疾患(11症例)
アルツハイマー病(症例L1-7)
前頭側頭葉変性症(症例L2-6)
大脳皮質基底核変性症/大脳皮質基底核症候群(症例L3-6)
嗜銀顆粒病/嗜銀顆粒性認知症(症例L2-17)
進行性核上性麻痺(症例L2-27)
筋萎縮性側索硬化症(症例L1-18)
多系統萎縮症(小脳型)(症例L1-28)
多系統萎縮症(パーキンソン型)(症例L1-37)
皮質性小脳萎縮症(症例L2-35)
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(症例L3-16)
遺伝性脊髄小脳変性症(症例L2-42)

脱髄疾患(6症例)
多発性硬化症(症例L1-8)
視神経脊髄炎関連疾患(症例L2-7)
急性散在性脳脊髄炎(症例L2-18)
抗MOG抗体関連疾患(症例L3-7)
tumefactive MS(症例L2-28)
浸透圧性脱髄症候群(症例L2-36)

代謝・中毒疾患(12症例)
MELAS(症例L2-8)
Leigh症候群(症例2-19)
Wilson病(症例L2-29)
副腎白質ジストロフィー(症例L1-9)
Krabbe病(症例L3-8)
Alexander病(症例L3-17)
一酸化炭素中毒(症例L1-19)
メトロニダゾール脳症(症例L3-23)
ウェルニッケ脳症(症例L1-29)
低血糖脳症(症例L1-38)
ムコ多糖症(症例L3-27)
後方可逆性脳症症候群(症例L1-45)

脳脊髄液関連疾患(14症例)
正常圧水頭症(症例L1-10)
中脳水道狭窄(症例L1-20)
術後髄液漏(症例L1-30)
神経線維腫症1型における硬膜拡張(症例L2-9)
特発性頭蓋内圧亢進症(症例L2-20)
低髄液圧症候群(L1-39)
くも膜囊胞(症例L1-46)
酸素投与による FLAIR high signal(症例L2-30)
ガドリニウム沈着(症例L2-37)
脳表ヘモジデリン沈着症(症例L3-9)
ruptured dermoid cyst(症例L3-18)
水無脳症と全前脳胞症(症例L3-24)
孤立性第4脳室(症例L2-43)
シャント機能不全(症例L2-48)

てんかん(5症例)
海馬硬化症(症例L1-11)
異所性灰白質(症例L1-21)
限局性皮質異形成(症例L2-10)
多小脳回(症例L2-21)
けいれん重積型急性脳症(症例L3-10)

脳神経疾患(3症例)
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(症例L3-11)
Fisher症候群(症例L3-19)
神経血管圧迫症候群(症例L2-11)

Level 1 (入門編):専門医試験を想定した症例(53症例)
Level 2 (実力編):診断専門医試験を想定した症例(58症例)
Level 3 (挑戦編):専門医の実力を伸ばす症例(30症例)

本書はいくつかの点において,これまでにない新しい試みが導入されている.最初に本書を手に取りページをパラパラとめくる段階では一見,他の書籍と同じに見えたり,あるいは単なるケースコレクションに見えたりするかもしれない.しかし,本書はそういう既存のものを目指したものではない.企画段階で,既存の書籍と比べ,より実地的,あるいは実践的な,訓練の補助となるようなものになることを目標とした.また専門医試験への対策という観点も意識してつくられており,そのため難易度も3段階に分けて症例を配置した.レベル1が入門編(専門医試験を想定した症例),レベル2が実力編(診断専門医試験を想定した症例),レベル3が挑戦編(専門医の実力を伸ばす症例)となっている.専門医試験のための練習ということであれば,レベル1が無難に解答できれば,それで十分かもしれない.しかし,本書の醍醐味はさらにその先にあるものと思っている.
まず読者にはどれか適当な症例のページを開いていただきたい.そして,そのチャプターの冒頭にある現症・経過と画像をじっくり眺めてほしい.それらを自身で吟味し,鑑別診断を考えてみていただきたい.本書は実践を意識しているので,疾患は完全にランダムに配置してある.すなわち,我々の日常の読影作業が再現される構造となっているのだ.所見を自分の目で見つけるという行為にも,ある程度の力点が置いてあり,なかでもレベル3の問題を中心に,あえて図中の矢印を省いたものも存在する.すなわち本書は日常臨床を可能な限りシミュレートすることを目標のひとつとしている.これによって各々のチャプターで経験する症例が,より生き生きとした印象をもって脳裏に定着することを想定した.各チャプターの前半部分に画像所見の解説が記載されてあり,その後にQ&A(問題と解答)を挟んで当該疾患と鑑別診断の解説が続く.この後半部分を付け加える事により,読者は解答にある疾患に限定した知識を習得するに留まらず,関連領域についても同時に知識を整理整頓することが可能となるのだ.さらに,適宜NOTEを加え,補足的な知識の修得にも配慮した.
冒頭でも述べたように,本書の目的の一部は試験対策ではあるものの,著者陣はそのレベルに本書が留まることを望んでいない.放射線科医が臨床家の役に立つ,コンサルタントとしての技能を磨くために使われることが理想だと自負している.各領域の専門家が執筆者に加わったことにより厚みと深みのある書籍に仕上がっており,異色の刊行物となっている.本書は過去にない新スタイルをとっており,日本の放射線医学教育における新たな一ページを刻むものであってほしいと願っている.実際にそこへ向かって歩みを進めている傍証として本企画は,これを皮切りとしてシリーズ化が検討されていると伝聞する.ぜひ本書が最前線の放射線科医にとって役に立つものであることを執筆者一同になりかわり,祈念しつつ,これをもって本書の序としたい.

2021年3月吉日
編 者

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