INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2021年2号

特集:薬理学



医薬品はそれがどんなに有効だというエビデンスがあっても,使用方法を間違えると無効であるばかりか,患者に害を及ぼします。ICUにおいては薬物の最適な投与といっても,患者の状態やほかの治療(例.血液浄化,ECMO)がなされていることが多く,さまざまな形で薬物の濃度や効果に影響を与えます。このような場合,私たちはどのように考えて薬物投与し,どのようにその効果をモニタリングするのでしょうか?また,多くのICUでは専従薬剤師との協働により,薬物投与の最適化(例.治療薬物投与計画,相互作用の確認)をしている場合が多いと考えます。その薬剤師は具体的にどのように考えているのでしょうか?  そこで本特集では,安全に医薬品の最大限の効果を得るためにどうすればよいのかということをメインテーマに,“薬”について薬物動態を中心に特集することとしました。ほかの特集と違い,ICUで活躍している薬剤師の方々にも多くご執筆いただきます。



INTENSIVIST0号(創刊当時の座談会の模様)はこちら




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 










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特定非営利法人 日本集中治療教育研究会


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¥5,060 税込
責任編集:前田 幹広 聖マリアンナ医科大学病院 薬剤部 植西 憲達 藤田医科大学 救急総合内科
ISBN
978-4-8157-2010-0
刊行年月
2021年4月
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はじめに:重症患者に対する「薬」について考える
  前田 幹広 聖マリアンナ医科大学病院 薬剤部
 1.医薬品情報をどのように収集するか?:資料の性格を理解し,必要な情報をピックアップ
  加藤 隆寛 愛知医科大学病院 薬剤部
【コラム】医薬品が臨床で使えるようになるまで:承認の流れと関連法令の紹介
  南方 祥子・桃谷 圭一・中村 公昭 丸石製薬株式会社 開発本部 メディカル部
 2.集中治療でよく使用する薬物の薬理作用:個々の薬物の標的,作用メカニズム,薬理作用を理解することが適切な薬物療法への第一歩
  添田 博 東京医科大学病院 薬剤部/感染制御部
 3.集中治療でよく使用する薬物の薬物動態:吸収,分布,代謝,排泄で考える
  髙木 奏・前田 幹広 聖マリアンナ医科大学病院 薬剤部
【コラム】浮腫の患者では利尿薬を経口投与より静脈内投与にすべきか?:何気なくやっていた,から,PK/PDを考慮した処方へ
  谷澤 雅彦 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科
 4.ICUにおける薬物有害反応:その分類を理解し,機序別に考えることで予防,治療に生かす
  川上 大裕 神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科
  瀬尾 龍太郎 神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター
 5.薬物アレルギーの管理:本当にアレルギーなのか?
  日比野 将也・植西 憲達 藤田医科大学 救急総合内科
 6.薬物相互作用:気づかないですか,それはDDIが原因です
  今浦 将治 済生会横浜市東部病院 薬剤部
 7.TDM(therapeutic drug monitoring):患者や場面によって適切な方法を適用するために
  尾田 一貴 熊本大学病院 薬剤部
【コラム】抗菌薬の持続投与およびextended infusionの方法と有用性について:PK/PDの変化からみた重症患者における抗菌薬投与
  原田 佳奈・牧野 淳 横須賀市立うわまち病院 集中治療部
 8.TDM(therapeutic drug monitoring)の実践:バンコマイシン,抗てんかん薬,ボリコナゾールの投与設計
  中薗 健一 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 薬剤部
  花井 雄貴 東邦大学医療センター大森病院 薬剤部
【コラム】薬剤の投与方法のtips:薬物の期待される効果を発揮させるために
  吉廣 尚大 JA広島総合病院 薬剤部
  櫻谷 正明 JA広島総合病院 救急・集中治療科
 9.ICUにおけるspecial populationsに対する薬物投与量の考え方:肝機能障害,AKI,肥満患者
  山本 麻里子 中東遠総合医療センター 薬剤部
10.腎代替療法,血液浄化療法の薬物動態への影響:CRRTによる薬物除去やクリアランスの決定要因に基づいた投与設計
  柴田 啓智 済生会熊本病院 薬剤部 薬剤管理指導室
【コラム】ECMOにおける薬物動態の変化:吸着しやすい薬物であるかどうかはlog Pやタンパク結合率で確認
  明石 岩雄 東京慈恵会医科大学附属病院 薬剤部
  藤井 智子 東京慈恵会医科大学附属病院 集中治療部
【コラム】ケア移行における薬剤師によるmedication reconciliation:シームレスなケア移行を実現するために
  安藝 敬生 長崎大学病院 薬剤部

連 載
■国際学会へ行こう! オンライン学会体験記
 World Federation of Pediatric Intensive and Critical Care Societies, 2020
  池山 貴也 あいち小児保健医療総合センター 集中治療科
■え?知らないの?心臓外科手術の術野デバイス 前編(送血カニューレについて)
  〈シリーズ構成:森實 雅司 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉
  後藤 武 弘前大学医学部附属病院 臨床工学部
■Lefor’s Cornor
 第40回:Vascular Access and Hemodynamic MonitoringPart XXI:Review of the MAGIC Guideline
  Alan Kawarai Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University
■集中治療に関する最新厳選20論文
  田邊 翔太 松江赤十字病院 救急総合診療科
  吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

2021-05-14

【正誤表】下記の箇所に誤りがございました。ここに訂正するとともに, 読者の方々および関係者の方々に深くお詫びいたします。

380ページ,図13図説,謝辞
(誤)福田幾先生
(正)福田幾先生

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