INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2023年2号

 



特集:熱傷



 



重症熱傷は輸液管理,呼吸・循環管理,疼痛・鎮静管理,感染管理,栄養管理と,集中治療のすべての要素が凝縮されていますが,残念ながら集中治療に特化した教科書はありません。わが国における熱傷診療の教科書としては「熱傷治療マニュアル」等があり,世界的にみても“Total Burn Care”くらいだと思われます。診療ガイドラインとして,“Advanced Burn Life Support”や,American Burn Associationの“Practice Guidelines Collection”,International Society for Burns Injuriesの“Practice Guidelines for Burn Care”,さらに2021年に日本熱傷学会から「熱傷診療ガイドライン〔改訂第3版〕」が出版されました。これらのガイドラインは内容が膨大であり,目の前の患者に適応するには扱いにくい存在となってしまっています。重症熱傷を診察する機会は一般の集中治療医にとって頻度の高いものではありませんが,それゆえに診療の足掛かりとなる教科書の存在は切望されています。本特集は,ICUにおける重症熱傷の管理に焦点を当て,診療にかかわる読者の「手引書」となることを目指しています。



INTENSIVIST0号(創刊当時の座談会の模様)はこちら




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 











JSEPTIC ホームページ

特定非営利法人 日本集中治療教育研究会




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¥5,060 税込
責任編集:大須賀 章倫(独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 救急科)・真弓 俊彦(独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 ICU診療部)
ISBN
978-4-8157-2052-0
刊行年月
2023年4月
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1.はじめに:熱傷診療は特別なものではない
 大須賀 章倫 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 救急科
 真弓 俊彦 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 ICU診療部

Part 1 熱傷総論
2.日本熱傷学会熱傷入院患者レジストリデータ:本邦の入院熱傷患者の疫学
 井上 貴昭 筑波大学医学医療系 救急・集中治療医学
3.我が国の熱傷診療ガイドライン:熱傷診療ガイドライン〔改訂第3版〕のエビデンス
 松嶋 麻子 名古屋市立大学大学院医学研究科 救命救急医療学
4.熱傷の病態生理:血管透過性亢進と過剰な浮腫のメカニズム
 土井 智章 富山大学学術研究部医学系医学部 救急医学講座
5.免疫応答/修飾:近年の研究から解明されてきたこと
 田島 吾郎 長崎大学病院 高度救命救急センター

Part 2 各論
6.手術戦略:再手術のタイミング
 黒木 雄一 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 救急科
7.周術期管理:広範囲・重症熱傷特有の病態を意識した術後管理
 西沢 良平・山口 芳裕 杏林大学医学部 救急医学
8.輸液管理:熱傷初期治療の根幹 
 松浦 裕司 大阪府立中河内救命救急センター
9.重症熱傷に合併する感染症治療と感染予防:皮膚バリアの破綻を念頭に,受傷後日数をふまえて抗菌薬を選択する
 工藤 大介・久志本 成樹 東北大学大学院医学系研究科 外科病態学講座救急医学分野/東北大学病院 救急科・高度救命救急センター
10.鎮痛,疼痛管理:治療の不安や恐怖から患者を解放する疼痛管理を目指す
 茂野 綾美 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 救急科
11.栄養療法:エビデンスと実践
 佐藤 幸男 慶應義塾大学医学部 救急医学
12.気道損傷:わかっていることとわからないこと,そしてエキスパートオピニオンを交えて
 大西 伸也 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
13.重症熱傷における合併症:メジャーからマイナーまで
 吉川 慧 杏林大学医学部 救急医学
14.手術療法:熱傷手術の特徴と術後管理の要点
 海田 賢彦 杏林大学医学部 救急医学
15.外用薬・創傷被覆材:その種類と特徴,実臨床での考え方
 青木 昂平・小宮 貴子・松村 一 東京医科大学病院 形成外科
16.熱傷・気道損傷患者のリハビリテーション:病期・病態に合わせて実施する
久保 貴嗣 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 リハビリテーションセンター

連載
■え?知らないの?心電図モニター
〈シリーズ構成:森實 雅司 元 済生会横浜市東部病院 臨床工学部〉
 村上 明日香・上岡 晃一 東京医科大学病院 臨床工学部
■最新エビデンスを読む
第7回:難治性心停止に関する新しいエビデンス
 小中 理大・片岡 惇 練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門
■Lefor’s Corner
第48回:Vascular Access and Hemodynamic Monitoring
Part XXIX:Right heart catheterization─The rise, fall and redemption of the Swan-Ganz catheter
 Alan Kawarai Lefor Chiba Nishi General Hospital/Department of Surgery, Jichi Medical University
■集中治療に関する最新厳選20論文
 田邊 翔太 松江赤十字病院 救急部
 吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

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