臨床疑問を解決するPoint-of-Care 超音波[Web 動画付]

「とりあえずあててみる」は卒業しよう!

「臨床のどんなシーンで、どう使ったらよいか」がよくわかる


医療現場で患者の病歴や身体所見と組み合わせて評価・判断する際に用いるPOCUS(point-of-care超音波)の指南書。どんなシーン、タイミングでPOCUSを適応し、実際にどう使ったらよいか、具体的な症例を提示し診療のプロセスを追いつつ明らかにする。原書は家庭医が中心となって執筆しており、とくにプライマリ・ケアの現場ニーズに合った内容。日本の医療提供体制に鑑み翻訳個所を選定。解剖図、検査時の患者の姿勢、プローブを当てる位置、超音波画像など図・画像を多数収載。加えて動画はvimeoにて公開。

¥9,350 税込
原著タイトル
Ultrasound for Primary Care
監訳:上松 東宏(名古屋大学大学院医学系研究科 医療の質・患者安全学講座/豊田地域医療センター 総合診療科)・山田 徹(東京医科歯科大学 総合診療科)
ISBN
978-4-8157-3105-2
判型/ページ数/図・写真
A4 頁316 図140 写真443
刊行年月
2024年4月
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PART 1 イントロダクション
  Chapter 1 超音波の基礎:物理,プローブ,基本事項,用語,アーチファクトなど

PART 2 臨床疑問への回答
System 1 頭頸部
 Section 1 リンパ節
  Chapter 2 患者のリンパ節腫脹は良性か?
System 2 胸部
 Section 1 心臓
  Chapter 3 患者の左室収縮機能はどうか?
  Chapter 4 患者に左室肥大はあるか?
  Chapter 5 患者に心囊液貯留はあるか?
  Chapter 6 患者に右心負荷所見はあるか?
 Section 2 肺
  Chapter 7 患者に肺水腫はあるか?
  Chapter 8 患者に胸水はあるか?
  Chapter 9 患者は気胸か?
  Chapter 10 患者は肺炎か?
System 3 腹部と骨盤
 Section 1 腎臓
  Chapter 11 患者に尿路結石はあるか?
  Chapter 12 患者は慢性腎臓病か?
 Section 2 肝臓・胆管・胆囊
  Chapter 13 患者に肝脾腫はあるか?
  Chapter 14 患者に脂肪肝はあるか?
  Chapter 15 患者に腹水はあるか?
  Chapter 16 患者に胆石症や胆囊炎はあるか?
 Section 3 腸
  Chapter 17 患者は腸閉塞をきたしているか?
  Chapter 18 患者は虫垂炎をきたしているか?
  Chapter 19 患者は腸重積をきたしているか?
  Chapter 20 患者に幽門狭窄はあるか?
 Section 4 骨盤
  Chapter 21 患者の残尿量はどうか?
System 4 筋肉,骨,軟部組織
 Section 1 筋骨格
  Chapter 22 患者に関節液貯留はあるか?
  Chapter 23 患者に腱板断裂はあるか?
  Chapter 24 患者に足関節捻挫や骨折はあるか?
  Chapter 25 患者に腱障害はあるか?
  Chapter 26 患者の関節炎は結晶性か?
  Chapter 27 患者に手根管症候群はあるか?
 Section 2 皮膚・軟部組織
  Chapter 28 患者に蜂窩織炎か膿瘍か?
  Chapter 29 患者に異物は存在するか?
  Chapter 30 患者の軟部腫瘍は問題ないか?
  Chapter 31 患者にヘルニアはあるか?
System 5 血管
 Section 1 末梢静脈
  Chapter 32 患者に下肢深部静脈血栓症はあるか?
 Section 2 下大静脈
  Chapter 33 患者の中心静脈圧は?
 Section 3 大動脈
  Chapter 34 患者に腹部大動脈瘤はあるか?
 Section 4 頸動脈
  Chapter 35 患者に頸動脈狭窄はあるか?

PART 3 プロトコルへの取り組み
  Chapter 36 Cardiopulmonary Limited Ultrasound Examination(CLUE)
  Chapter 37 Focused Assessment with Sonography for Trauma(FAST)
  Chapter 38 Rapid Ultrasound for Shock and Hypotension(RUSH)

索引

2020年9月,原書である“Ultrasound for Primary Care”を,発売とほぼ同時に購入した。その理由は,診療のなかで先駆的に超音波を用いていた家庭医が中心となって執筆されていたからである(部分的に,他の専門医も執筆に協力している)。歴史的に,point—of—care超音波(POCUS)は,救急医療や集中治療,その他,超音波が多く用いられる臓器別専門科から発展したものであり,プライマリ・ケアへ浸透するのには時差があった。そのため,これまでの書籍はプライマリ・ケア医以外の著者によって書かれたものが主流だった。しかし,ようやくプライマリ・ケアの現場ニーズに合った書籍が登場し,これまでの流れが変わった。そして今や,“Ultrasound for Primary Care”は米国で超音波を学ぶ家庭医にとってバイブル的な存在となっている。
 『臨床疑問を解決するPoint—of—Care超音波[Web動画付]』(本書)は,原書から厳選した臨床疑問に対する,超音波を用いた問題解決法を翻訳したものである。いずれもプライマリ・ケアの現場で遭遇し得る,全身多岐にわたる問題が対象となっている。各章では,その領域に関するエビデンス,患者の体位や走査方法,画像の解釈方法,臨床への適用が順を追って丁寧に記載されており,超音波を用いた診療の流れが理解できるように構成されている。また,経験を積んだ者が知り得るクリニカル・パールやピットフォールも添えられている。常に患者の近くにいるプライマリ・ケア医は,どのような臨床場面で超音波が有用となり,どのように目の前の患者のケアに落とし込んでいけばよいのかについて,非常に実践的な知識が得られるだろう。
 筆者は,プライマリ・ケアの診療に超音波をうまく活用することで,診療の質の向上につながると考えている。しかし,プライマリ・ケア医が日々の診療でやらねばならないことは山積みである。超音波について,何をどこまで学び,どう診療に活用していくべきかのスタンダードがわからず,悩んでいる人も多いのではないだろうか。“Ultrasound for Primary Care”は,プライマリ・ケア医が目指すべき超音波を用いた診療の姿を示してくれる。そして,この大切な本を1人でも多くの日本の総合診療やプライマリ・ケアを担う医師にも読んでほしいと思った。英語への心理的負担や時間的制約が原因で読まれないのは,非常に惜しいと感じた。その願いは多くの方の支援や協力を得ながら届き,今回,本書を上梓するまでにたどり着いた。残念ながら,紙面の都合により,原書から一部翻訳できなかった章がある。気になる方は原書を参照していただきたい。
 最後に,このような想いに賛同し,本書の監訳を共に務めてくださった山田徹先生,翻訳の分担を引き受けてくださった諸先生方に深く感謝を申し上げます。そして,本書の完成に向けて辛抱強く,丁寧に導いてくださった株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル編集部の荻上朱里様,金子史絵様,神田奨様に厚く御礼申し上げます。

本書が,超音波を学ぶプライマリ・ケア医の道しるべとなることを願って。

2024年3月
監訳者を代表して
上松 東宏

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