画像診断を学ぼう 第2版 - 単純X線からCT・MRI・超音波まで -

画像診断をちゃんと知りたい臨床医、そして医学生・研修医のために     
大好評! “ほんとうの”入門書が改訂、MRI・超音波も加わり、さらに充実
単純X線を主体とした画像診断に関する必須知識を簡明に解説した実践テキスト、10年ぶりの改訂。読影に際し、正常と異常をどのように見分けるか、異常所見はどのような疾患・病態を示唆するのかを丁寧に解説。改版にともない、単純X線やCTに加え、MRIや超音波といった新たな診断法の記述を強化し、小児放射線診断の章を追加。全体のボリュームは抑えつつ、最新の画像写真を増やした。学生・研修医の入門書、臨床医の復習書として最適。
*オンラインコンテンツ(動画など)、日本語版/英語版電子書籍アクセス権付き。
¥7,480 税込
原著タイトル
LEARNING RADIOLOGY:Recognizing the Basics, 3rd Edition
監訳:江原 茂 岩手医科大学放射線医学講座教授 訳:菅原俊祐 国立がん研究センター中央病院放射線診断科
ISBN
978-4-89592-912-7
判型/ページ数/図・写真
A4変 頁360 図11・表77・写真773
刊行年月
2018/4/11
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CHAPTER 1 何か異常をみつけよう
CHAPTER 2 正しく撮られた胸部単純X線をみる
CHAPTER 3 肺の正常解剖を学ぼう
CHAPTER 4 正常の心臓解剖を学ぼう
CHAPTER 5 肺胞性肺病変と間質性肺病変を見分けよう
CHAPTER 6 片肺の透過性低下の原因を知ろう
CHAPTER 7 無気肺をみつけよう
CHAPTER 8 胸水をみつけよう
CHAPTER 9 肺炎をみつけよう
CHAPTER 10 気胸,気縦隔,心気腫,皮下気腫をみつけよう
CHAPTER 11 カテーテルとチューブの適正な位置と,起こりうる合併症を知ろう
CHAPTER 12 胸部の病変をみつけよう
CHAPTER 13 成人の心疾患をみつけよう
CHAPTER 14 腹部単純X線の正常像を理解しよう
CHAPTER 15 腹部・骨盤CTの正常像を知ろう
CHAPTER 16 消化管閉塞とイレウスをみつけよう
CHAPTER 17 腹部の腸管外ガスをみつけよう
CHAPTER 18 異常な石灰化とその原因を知ろう
CHAPTER 19 外傷の画像所見を理解しよう
CHAPTER 20 消化管,肝臓,尿路系の異常をみつけよう
CHAPTER 21 超音波検査:原理を理解して正常像と異常像を知ろう
CHAPTER 22 磁気共鳴画像(magnetic resonance image:MRI) の原理と基本を学ぼう
CHAPTER 23 骨濃度の異常をみつけよう
CHAPTER 24 骨折と脱臼をみつけよう
CHAPTER 25 関節疾患をみつけよう:関節炎へのアプローチ
CHAPTER 26 頸部痛と背部痛のおもな原因をみつけよう
CHAPTER 27 頭蓋内病変のおもな原因をみつけよう
CHAPTER 28 小児の疾患をみつけよう

監訳者序文

William Herringの「Learning Radiology」の原著は第3版を数えることになった.幸いにして本書の第1版の邦訳は好評をもって迎えられ,予想外の部数を記録し,また学生や研修医の教材として活用しているというお声を多くいただいた.これは原著の特徴である画像診断の基礎についての丁寧な解説と,それに加えて訳書としては高い画像の質を達成した点が大きいと思われる.これらの点から原著者のHerring氏と訳書の作成にあたられたMEDSIの編集者に敬意を表したい.
 本書の内容は,原著第1版の25章307ページから第3版では28章332ページに増えているが,単純X線の読影を主体に,画像診断の基礎を特に詳しく解説した書である点には大きな相違はない.第1版との相違点は,肺と心臓の解剖を再編・強化したこと(第2,3章),超音波(第21章)・MRI(第22章)のような新たな診断法を加えたこと,神経放射線の内容をひとつの章ながら大きく拡充したこと(第27章),小児放射線診断を新たに加えたこと(第28章)にあるといえる.それでも,学生・研修医が通読をあきらめるような大きな教科書にしなかった点は,厚くなり過ぎた画像診断の教科書をみるたびに重要な点であると思われる.
 本書の第1版の邦訳が出版されたのが2008年.それから10年近くが経過し,その間に新たな治療法の開発やAIの診断への応用,情報科学の発展などが加わり,医療の環境も大きく変化している.画像診断はこのような変化の中でも一定の重要な役割を担い続けている.電子化された環境においては,画像診断の結果を素早く抽出し医療につなげる点で,基礎知識の重要性はさらに高まっているようにみえる.
 初版の翻訳にあたられた2007年当時に岩手医科大学の研修医であった菅原俊祐君も,東京都立荏原病院から国立がん研究センター中央病院に移られ,画像診断・IVRの最先端で活躍中であるが,依然として本書の新版の出版に興味を持ち続けておられた.今回,予想外に本書の改訳が早く進行したのは,初版の時と同様の彼の速く正確な翻訳による.
 この第3版も画像診断に真剣に取り組もうとされる多くの研修医・学生に利用していただけることを望みたい.
2018年3月11日(震災から7年目)
江原茂


原著序文

私が調べてみたところでは,世の中の多くの書籍の第3版もしくはそれ以降の版では,「これが…の第3版になるとは信じがたい…」といった内容で序文が始まることが多いようです.しかし,本書はそうではありません.私は本書がこれまでどれだけの役立ってきたかを知っているので,これがしっかり現実だと信じることができます.しかし,読者の皆さんがこの序文を読んでくださることを含め,本書の成功になんらかの形で貢献してくださったことに感謝しています.
 第1版では,窓にとまった赤いクチバシの鳥がなんという名前の鳥であるかと,自然に好奇心が駆り立てられている場面を想像してください,とお願いしました.鳥の名前がalbatross(アホウドリ)からwoodpecker(キツツキ)までアルファベット順に並んでいる本を手にとって,時間をかけて何百枚もの鳥の写真をみて鳥の名前を探し当てることもできます.あるいは鳥のクチバシの色ごとに分類された本をめくってみれば,もっと短時間でお目当ての鳥がcardinal(ショウジョウコウカンチョウ)であることがわかるでしょう.
 本書はいうなれば「赤いクチバシの本」です.可能な限り病気の名前ではなく,病気がどのようにみえるかという観点から疾患を分類しています.いつもではないにしても,画像診断はしばしば典型的な異常所見をいかに発見できるかにかかっています.これはパターン認識とよばれる異常所見の同定方法であり,より多くの画像をみていくことによって,より容易に自信をもって画像診断を進めることができます.画像診断ではその症例がどのような病気にかかっているかを診断する前に,正常所見と異常所見を見分けられるようになる必要があります.これは,思うほど簡単なことではありません.正常と異常の違いを見分けられるようになるためには,その症例の疾患を診断するのと同じくらい多くの修練が必要でしょう.
 放射線科医は,人生のすべてを正常と異常を見分けるために費やしているといっても過言ではありません.読者の皆さんは本書を読んでも放射線科医にはならないかもしれませんが,異常所見を理解してより正確な読影ができるようになるでしょうし,それによってより大きな確信と自信をもって患者さんを診療することができるようになるでしょう.
 パターン認識がうまく機能しない場合でも,本書では可能な限り,診断にたどり着くための論理的アプローチができるようにしています.診断へのアプローチ法を身につければ,同じような問題に直面した時に,何度でも同様の方法で対処することができます.画像を詳細に分析するアプローチ法を用いれば,画像診断に迷った時に合理的な解決法がみつかるでしょう.
 本書ではほとんどの症例の画像が無料でデジタル画像として参照できるように作成されています.デジタル画像は,画像を参照する理想的な方法ですが,一部の読者は大量の文章を電子書籍として読むことに抵抗を覚えるでしょう.そのため,本書では印刷した冊子に加えて,写真,ビデオ,クイズ,教材(これらの多くは相互的に機能しています)をStudent Consult/Inkling.comのウェブ上で参照できるよう,本書の付属として用意しました〔【訳注】日本語版『画像診断を学ぼう 第2版』の購入者にもアクセスが許可されますが,ウェブ上に公開されるコンテンツは英語版のみです〕.楽しんでいただけることと思います.
 本書は,百科事典のような役割を果たすことを意図しては作られていません.たくさんの素晴らしい放射線科の教科書があり,なかには数千ページに及び,総重量はミニ・クーパーより少し軽い程度の本もあります.本書は学生向け,レジデント向け,これからレジデントになる医師,その他の新任の専門医療従事者を対象としています.
 本書は単純X線を強調しています.それは,ほとんどの患者において単純X線撮影が最初に行われる検査であり,そして単純X線から診断にたどり着くための原理・原則は,他のより複雑な画像診断法にも応用することができるためです.
 さあ,始めましょう.いやもしあなたが私のように本を通読し終えてから最後に序文を読む方であったなら,そしてすでに本書を楽しんでいただいたならば幸いです.
William Herring MD, FACR

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