ヒトの分子遺伝学 第5版



分子レベルの研究全般も網羅したNo.1テキスト、待望の改訂

疾患の分子メカニズム、医療への応用に関する記述も具体的かつ豊富




”ヒト”に焦点を絞った分子遺伝学の包括的テキスト、10年ぶりの改訂。初版から引き継がれる「教科書と論文の橋渡し」の位置づけは堅持しつつ、最新の研究の進展を踏まえ全編にわたり書き換え、完全リニューアル。次世代シークエンサーによる解析、一細胞ゲノム解析、CRISPR-Cas9、ヒトの進化、がん体細胞遺伝子検査、CAR-T細胞治療などの記述が追加され、内容はさらに充実。定評あるこだわり抜かれた精巧な図も継承。入門者から専門家まで幅広い層に役立つ書。

¥13,200 税込
原著タイトル
Human Molecular Genetics, 5th Edition
監訳:戸田達史(東京大学大学院医学系研究科神経内科学教授)・井上 聡(東京都健康長寿医療センター研究所老化機構・システム加齢医学研究部長)・松本直通(横浜市立大学大学院医学研究科遺伝学教授)
ISBN
978-4-8157-3032-1
判型/ページ数/図・写真
A4変 頁904 図531
刊行年月
2021年10月
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PART 1 DNA,染色体,細胞,発生,遺伝の基礎
1 核酸の構造と遺伝子発現の基本原理
1.1 核酸およびポリペプチドの組成
1.2 DNAとRNAの塩基対,二重らせん,およびDNAの複製
1.3 RNAの転写と遺伝子発現
1.4 RNAプロセシング
1.5 翻訳と翻訳後のプロセシングおよびタンパク質の構造
2 細胞と染色体の基礎
2.1 細胞の構造と多様性,進化
2.2 細胞周期中のDNAと染色体のコピー数
2.3 細胞分裂と娘細胞へのDNAの伝達
2.4 染色体の構造と機能
3 細胞間相互作用の基本原理と免疫系の生物学
3.1 細胞のシグナル伝達の原理
3.2 細胞増殖とプログラム細胞死
3.3 細胞接着と組織形成
3.4 免疫系の生物学
4 哺乳類の初期発生,細胞分化,幹細胞
4.1 哺乳類の初期発生における細胞系譜と組織分化
4.2 幹細胞と細胞分化
5 遺伝形式
5.1 単一遺伝子遺伝と多因子遺伝
5.2 メンデル遺伝形式 

5.3 モザイク状態と新たに生じた変異

5.4 非メンデル遺伝形質
PART 2 ゲノムの理解
6 DNAを取り扱う上で用いられるおもな手法:DNA増幅,核酸ハイブリダイゼーション,DNA塩基配列決定
6.1 細菌細胞を用いたDNAクローニング
6.2 in vitroでのDNA複製を利用したDNA増幅
6.3 核酸ハイブリダイゼーション:原理とその利用
6.4 DNA塩基配列決定の原理とジデオキシヌクレオチドを使用したジデ オキシ塩基配列決定法(サンガー法)
6.5 大量並列DNA塩基配列決定法(次世代塩基配列決定法)
7 遺伝子とゲノムの構造と発現の解析
7.1 ゲノム構造の解析とゲノムプロジェクト
7.2 基本的な遺伝子発現解析
7.3 ハイスループット遺伝子発現解析
7.4 一細胞のゲノム学
8 哺乳類細胞での遺伝子操作の原理
   8.1 遺伝物質の哺乳類細胞への人工的な導入
   8.2 哺乳類細胞における導入遺伝子の発現の原理
   8.3 相同組換えによるゲノム編集
   8.4 プログラム可能な部位特異的エンドヌクレアーゼを用いたゲノム編集
   8.5 遺伝子サイレンシング
   8.6 生殖細胞系列への遺伝子導入とトランス
ジェニック動物
9 ヒトゲノムの構造と機能を明らかに
   9.1 ヒトゲノムの概要
   9.2 ヒトゲノムにおける遺伝子の構成と分布
   9.3 ヘテロクロマチンDNAとトランスポゾン反復配列
   9.4 ヒトゲノムがどのように機能するのかを解明する ための第一歩
10 遺伝子の調節とエピゲノム
   10.1 クロマチンのアクセシビリティーと高次構造
   10.2 ヒストンと他のDNA結合タンパク質
   10.3 DNAメチル化と非コードRNAによる調節
10.4 X染色体不活性化,インプリンティング, エピジェネティックな記憶
   10.5 転写産物の合成:プロモーターとエンハンサー
   10.6 転写後調節
PART 3 個人間,種間の遺伝的多様性
11 ヒトの遺伝的多様性の概要
11.1 DNA配列の多様性の起源
11.2 DNA修復
11.3 集団ゲノム学およびヒトの遺伝的多様性の規模
11.4 機能的な遺伝的多様性およびタンパク質多様性

11.5 適応免疫系の並はずれた遺伝的多様性
12 ヒトの集団遺伝学
12.1 アレル頻度と遺伝型頻度:ハーディ–ワインベルグ の法則
12.2 ハプロタイプ頻度と連鎖不平衡
12.3 アレル頻度の変化
12.4 集団構造と近親交配
13 比較ゲノム学とゲノムの進化
13.1 比較ゲノム学
13.2 遺伝子重複,種による遺伝子数の違い, 進化におけるエクソンの利点
13.3 哺乳類染色体の進化
13.4 調節配列の進化とトランスポゾンに由来する機能性配列
13.5 系統学,および生命進化樹におけるヒトの位置
14 人類の進化
14.1 人類の起源
14.2 ゲノム配列からわかる人類の進化史
14.3 ミトコンドリアDNAとY染色体を使った男女の歴史の推定
14.4 われわれの進化がもたらす健康への影響
PART 4 ヒトの遺伝性疾患
15 染色体異常と構造バリアント
15.1 ヒト染色体の研究

15.2 大規模な染色体異常
15.3 構造バリアント,微小欠失,微小重複
16 分子病理学:表現型と遺伝型をつなぐ
   16.1 機能喪失
   16.2 機能獲得
   16.3 動的変異:不安定な反復配列伸長
   16.4 ミトコンドリア病の分子病理
   16.5 遺伝型–表現型相関
17 単一遺伝子疾患の遺伝子のマッピングおよび同定
   17.1 ポジショナルクローニングでは,はじめに染色体 上の正確な位置をマッピングすることで,疾患遺 伝子を同定しようとする
   17.2 ハプロタイプ共有と自己接合性
   17.3 全エクソームおよび全ゲノム塩基配列決定により, バイアスのない仮説のいらない方法で単一遺伝子疾患の原因を同定することができる
   17.4 エクソーム解析にもとづく疾患遺伝子同定の戦略
   17.5 候補遺伝子が実際に原因遺伝子であることを確認する
18 複雑疾患:感受性因子の同定と発症機序の理解
   18.1 複雑疾患の研究:疫学的アプローチ
   18.2 遺伝的連鎖を用いた複雑疾患の研究
   18.3 関連解析による複雑疾患の研究
   18.4 ゲノムワイド関連解析の限界
   18.5 複雑な形質の遺伝学から,われわれは何を学んだのか?
19 がんの遺伝学・がんゲノム
19.1 がん遺伝子
19.2 がん抑制遺伝子
19.3 細胞周期チェックポイントとゲノム安定性にかかわる重要ながん遺伝子とがん抑制遺伝子
19.4 ゲノム全体からみた“がん”
19.5 がんの新たな理解を利用する
PART 5 ヒトの分子遺伝学の応用
20 医療と法医学での遺伝学的検査
20.1 何を検査するのか,何のために検査するのか
20.2 特定の遺伝的バリアントの検査
20.3 臨床診断検査
20.4 集団スクリーニング
20.5 薬理遺伝学と個別化医療
20.6 DNA法医学:個人と血縁関係の同定
21 モデル生物と疾患のモデル化
21.1 モデル生物の概要
21.2 疾患モデル細胞
21.3 遺伝性疾患の動物モデルのさまざまな由来
21.4 遺伝性疾患の動物モデルはどの程度有用か?
22 遺伝学的アプローチによる疾患治療
22.1 遺伝性疾患の治療と遺伝学的治療法の概要
22.2 治療用遺伝子組換えタンパク質製剤による疾患の治療
22.3 遺伝子治療とRNA治療の基本原理
22.4 劣性遺伝疾患を対象とした遺伝子補充療法の
実践
22.5 RNA治療,治療用ゲノム編集の展望,ならびに疾患予防への遺伝学的アプローチ

日本語版監訳者の序
名著, Human Molecular Geneticsの第5版が出版された。日本語版『ヒトの分子遺伝学』 は, 1997年12月に初版を発行以来, 多くの読者に受けられてきた。数年おきに改訂が続けられていたが, 第4版を出版してからは少し間があいてしまい, 今回は, 約10年ぶりの改訂になる。研究の進展を反映し, 全章にわたって文章が書き直され,新知識に刷新された。初版から第4版までは, 村松正實先生を中心にした監訳陣で翻訳が進められてきたが, 今回からは, 新たな監訳者の体制で翻訳を進めることになった。約10年間に大きく変わったポイントは, なんといっても次世代シークエンサーの普及が, 全遺伝子・全ゲノムを対象にした網羅的解析を可能にし, ヒトの進化も含め分子遺伝学の研究を一変させたことと, 最近の一細胞ゲノム学の台頭であろう。この本の改訂内容の具体的な紹介は,著者による「序文」にある通りであるが,最新の研究内容も積極的に取り込んでいることには驚嘆した。図表が美しくわかりやすいという長所も, これまでの版から受け継がれている。翻訳にあたっては, 原著と同じように, 読みやすい日本語になるように務めた。専門用語の翻訳については, いろいろ迷うところもあったが,現時点で最良と思われるものを採用した。時代によって, どのような訳が適するかは変わってくるだろう。例えば,「sequencing」には「塩基配列決定」という用語を今回はあてたが,「シークエンス」という言葉が定着しつつあり, 次版ではそれを採用することになるのではないかと思う。「variant」については,「変異」「多型」と訳されることも多いが, 本書ではおもに「バリアント」とした。 また, 著者は「hereditary」と「genetic」を区別して用いていると思われるが, 日本語ではどちらも「遺伝性」になってしまう。前者は「次代に継承される」という意味であり, 後者は「遺伝子による」といった意味になると思われるが, これをどのように訳し分けるかは, 次版の課題としたい。「dominant」「recessive」は, 今回はそれぞれ「優性」,「劣性」を採用したが, 「顕性」,「潜性」とすべきかは, 医学界において定着するタイミングを見守っていきたい。医学系の研究者や大学院生だけでなく, 理学, 農学, 歯学, 薬学など広く生命科学系全般の分野で研究されている方が, 分子遺伝学やゲノム学について学ぶ際に最適な教科書である。情報系の方が遺伝子やゲノムの基礎について学ぶときにも適している。また,「ヒトに焦点を絞った分子生物学」の教科書としても優れており, 遺伝学を学ぶために限らず多くの方に読んでいただきたい。今まさに必要とする知識がここにあるだろう。
2021年9月
戸田達史
井上 聡
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