すぐに役立つ胸部CT診断マニュアル

胸部CTの修得は,この本から始める!

平易で的確な解説で,胸部CT診断のエッセンスを余すところなく伝授


胸部CTの読影、診断のポイントを初学者にもわかりやすく解説。画像診断に必要な胸部の解剖の知識を踏まえたうえで、肺野・縦隔病変の基本的な画像所見を示し鑑別診断の考え方を伝授する。CTが重要な役割を果たす疾患に関して直近にCT画像を示し、箇条書きスタイルでコンパクトに解説。必要な場合は単純X線写真も併置し実際の診断に配慮。放射線科医のみならず画像診断を専門としない医師にとって最適な入門・実践書。

¥5,280 税込
髙橋雅士 友仁山崎病院 病院長
ISBN
978-4-8157-3050-5
判型/ページ数/図・写真
B5 頁268 写真697 原色図15 色図16
刊行年月
2022年6月
数量
カートに追加しました。
カートへ進む

A.総論 1

1章 胸部画像診断に必要な解剖の基本
a.肺葉・区域
1) CTにおける肺葉解剖:葉間裂によって解析
2) CTにおける区域解剖:気管支肺動脈,肺静脈によって解析
3) 末梢肺野と二次小葉
b.二次小葉の構造と病変分布
1) 小葉中心性病変
2) リンパ路性病変
3) ランダムパターン
c.縦隔
d.CTの被曝
e.CTの被曝低減
1) tube current modulation
2) 低電圧による撮像
3) 逐次近似再構成法
4) 無効X線ビーム遮蔽

2章 肺野病変の基本的所見と鑑別診断
a.結節・腫瘤性病変
b.コンソリデーション,浸潤影
c.すりガラス影
d.網状影
e.びまん性粒状影
f.reversed halo sign(atoll sign)
g.モザイク血流
h.多発囊胞
i.肺野濃度の低下
j.気管支壁肥厚
k.気管支拡張

B.各論 各種疾患
3章 肺感染症
感染症
肺感染症に対するCTの適応
肺葉性肺炎と気管支肺炎
肺感染症の大まかな画像所見の種類
a.市中肺炎
1) 肺炎球菌肺炎
2) インフルエンザ菌肺炎
3) レジオネラ肺炎
4) マイコプラズマ肺炎
5) 肺炎クラミドフィラ肺炎
6) オウム病クラミドフィラ肺炎(オウム病)
7) インフルエンザウイルス肺炎
8) COVID-19肺炎
b.日和見肺炎
1) ニューモシスチス肺炎
2) サイトメガロウイルス肺炎
3) 侵襲性アスペルギルス症
c.抗酸菌感染症
1) 肺結核
2) 非結核性抗酸菌症
d.その他の疾患
1) 肺クリプトコッカス症
2) 単純性肺アスペルギローマ,慢性進行性肺アスペルギルス症
3) 肺放線菌症,ノカルジア症
4) ムーコル症
5) カンジダ症
6) 敗血症性肺塞栓

4章 びまん性肺疾患
病変局在とキーワードによるびまん性肺疾患のCT診断の基本
1) 上肺野優位の疾患
2) 下肺野優位の疾患
3) 内層優位の疾患
4) 外層優位の疾患
a.特発性間質性肺炎
1) 特発性肺線維症/通常型間質性肺炎
2) 非特異性間質性肺炎
喫煙関連間質性肺炎
3) 呼吸細気管支炎関連間質性肺炎
4) 剝離性間質性肺炎
5) 急性間質性肺炎/びまん性肺胞傷害
6) 特発性器質化肺炎
7) 特発性リンパ球性間質性肺炎
8) 特発性胸膜肺実質線維弾性症
9) PPF(progressive pulmonary fibrosis)
b.膠原病肺
1) 関節リウマチ
2) シェーグレン症候群
3) 全身性硬化症(強皮症)
4) 多発性筋炎・皮膚筋炎
c.好酸球性肺炎
1) 急性好酸球性肺炎
2) 慢性好酸球性肺炎
d.肉芽腫性肺疾患
1) サルコイドーシス
2) ランゲルハンス細胞組織球症
3) 過敏性肺炎
e.気道病変
1) 肺気腫
2) 気管支喘息
3) びまん性汎細気管支炎
4) 閉塞性細気管支炎
5) 気管支拡張
f.リンパ増殖性肺疾患
1) 濾胞性細気管支炎
2) diffuse lymphoid hyperplasia:DLH
3) リンパ球性間質性肺炎(LIP)
4) 悪性リンパ腫
5) IgG4関連肺疾患
6) 多中心性キャッスルマン病
g.肺血管炎
1) 多発血管炎性肉芽腫症
2) 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
3) 顕微鏡的多発血管炎
h.薬剤性肺疾患
i.放射線肺障害
j.まれなびまん性肺疾患
1) リンパ脈管筋腫症
2) アミロイドーシス
3) 肺胞蛋白症
4) 肺胞微石症
5) 異所性肺石灰化症
6) 肺骨化症
7) 微小髄膜腫様結節
8) Ehlers-Danlos症候群
9) 肺子宮内膜症
10) Birt-Hogg-Dube症候群
11) PTTM(pulmonary tumor thrombotic microangiopathy)
12) 血管内リンパ腫
13) 特発性肺ヘモジデローシス
14) HABA(HTLV-1-associated bronchiolo-alveolar disorder)

5章 肺腫瘍
肺癌―病期診断
T 因子診断のポイント
M 因子の留意点
小細胞癌
リンパ節部位のアトラス
a.肺野型肺癌
1) 悪性を疑わせる所見とは?
2) 腺癌
3)【扁】平上皮癌
4) 神経内分泌癌
5) 大細胞癌
6) 多形癌
b.肺門部肺癌
c.気管・気管支腫瘍
1)【扁】平上皮癌
2) 腺様囊胞癌
3) 粘膜類表皮癌
4) カルチノイド腫瘍
4) 気道内転移
d.転移性肺腫瘍
e.良性肺病変
1) 結核腫
2) 過誤腫
3) 限局性器質化肺炎
4) 肺内リンパ装置
5) 硬化性肺胞上皮腫

6章 縦隔腫瘍
縦隔区分
検査方法
縦隔病変診断の助けになる画像・臨床キーワード
a.胸腺上皮性腫瘍
1) 胸腺腫
2) 胸腺癌
3) 胸腺カルチノイド
b.胚細胞性腫瘍
1) 成熟型奇形腫
2) 精上皮腫
3) 非精上皮腫性胚細胞腫瘍
c.悪性リンパ腫
1) 縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫
2) MALTリンパ腫
3) T細胞リンパ芽球性白血病・リンパ腫
4) Hodgkinリンパ腫
d.神経原性腫瘍
1) 神経鞘腫
2) 神経線維腫
3) 悪性末梢神経鞘腫瘍
4) 神経節細胞腫
5) 神経芽細胞腫,神経節芽細胞腫
e.縦隔囊胞性疾患
1) 気管支原性囊胞
2) 食道重複囊胞
3) 心膜囊胞
4) 胸腺囊胞
5) リンパ管腫
f.その他
1) 胸腺脂肪腫
2) 縦隔内甲状腺腫

7章 胸膜・胸壁疾患
胸壁の解剖
a.気胸
b.膿胸・慢性膿胸
c.胸膜腫瘍
d.胸壁病変
1) 肋骨腫瘍
2) 胸壁軟部腫瘍

8章 血管性病変
a.肺水腫
1) 心原性肺水腫
2)非心原性肺水腫
b.肺血栓塞栓症
c.肺高血圧症
d.肺動静脈奇形(肺動静脈瘻)
e.高安動脈炎

9章 職業性肺疾患
a.塵肺
1) 珪肺
2) MDP(mixed dust pneumoconiosis)
3) 溶接工肺
b.石綿関連肺胸膜疾患
1) 胸膜プラーク
2) 石綿肺
3) 悪性胸膜中皮腫
4)びまん性胸膜肥厚

10章 先天性肺疾患
1) 気管気管支
2) 気管支閉鎖
3) 肺分画症
4) 肺底区動脈大動脈起始症
5) 先天性肺気道変形

索引
和文索引
欧文索引

編集部の正路さんから本書の執筆の打診があったのはたしか3年前のことだったと思う.当時,すでに大学のacademic positionを辞し,地方の小さなケア・ミックスの病院の管理者として第二の人生を始めていた私には,若干荷が重いかなという思いもあったが,基本的な胸部のCTの教科書ということで,これまで自分が蓄積してきた症例を使えば何とかなるであろうという軽い気持ちで,申し出をお受けした.しかし,その後,新型コロナの大きな波があっという間に日本中そして全世界を襲うことになった.当院のような地方の小病院でもその影響は計り知れず,日々の多忙な病院管理とも相まって,とても執筆にとりかかるだけの時間的余裕,気持ちの余裕がなくなった.ということで,本格的に執筆にとりかかったのは昨年夏頃からである.しかし,大学を離れた影響は大きく,結局下記の先生方には多くの症例をご提供いただくこととなった.これらはあまりに多く,クレジットは個々の症例ではなく,この場をお借りしてまとめて記載させていただき,御礼の言葉に代えさせていただきたい.ご無礼をどうかご容赦いただきたい.

園田明永先生(滋賀医科大学放射線医学講座准教授)
永谷幸裕先生(滋賀医科大学放射線医学講座講師)
三品淳資先生(宇治徳洲会病院放射線診断科部長)
上甲 剛先生(関西ろうさい病院放射線科部長)
河村哲治先生(国立病院機構姫路医療センター 院長)
井上修平先生(国立病院機構東近江総合医療センター 院長)
栗原泰之先生(聖路加国際病院放射線科部長)

この教科書は,胸部のCTの経験がまだ浅い若い医師を念頭に,私がこれまで経験してきたことを,可能な限り簡潔に要約するように努めた.したがって,内容については,もの足りなさを感じられる読者も多いのではないかと思うが,その場合は,巷にあふれるより厚い教科書を適宜参考にしていただきたい.本書は,一通り通読いただければ,胸部のCTの概観がおおよそ把握できるようにした.ただし,私の長い経験の中で,これは重要というTIPSはしっかりと盛り込んだつもりであり,平易な記載が,必ずしも内容が乏しいということには当たらないことは強調しておきたい.
現時点でも,新型コロナは世界中で猛威をふるっており,本邦の感染者数は未だ高いレベルを保ったままであり,当院の発熱外来でも日々多くの患者さんが陽性の診断を受けている.そして,現在,テレビやSNSを通じて,海外での悲惨な戦禍に苦しむ人々の状況が日々報道されている.本書の発刊とは関係のないことではあるが,本書がそのような時代背景の中で作成されたことを著者として記憶にとどめたいと思う.一刻もはやく,パンデミックや戦禍が終息し,人々が再び幸せに暮らせる日が来ることを切望する.

桜が七分咲きの肌寒い彦根市にて
2022年4月

髙橋雅士

おすすめ商品

際限なき医学欲を満たす、極上の教科書を召し上がれ。

周術期管理を核とした総合誌[リサ]月刊/毎月1月発売

集中治療の“いま”を検証し、“これから”を提示するクオータリー・マガジン。季刊/年4回発行

患者全体を見すえた内科診療のスタンダードを創る!季刊/年4回発行

脳科学の宇宙(せかい)を展望する。

カテゴリ一覧

ページトップへ