Hospitalist(ホスピタリスト)2022年4号

特集:感染症3



やっかいな病態、悩ましい検査



本誌の特集で感染症の話題を扱うのは、2013年、2017年に引き続き今回で3回目です。2013年では、感染症診療の総論から臓器システム別に代表的な感染症が扱われ、2017年では、トラベル・AMR・免疫不全といったトピックに加え、2013年の特集で扱われなかった複数の病態、疾患にフォーカスが当てられました。

 今回の特集では、前回、前々回との内容的重複を極力避けながら、日常臨床での遭遇頻度が高く、かつホスピタリストが頭を悩ませそうなクリニカルクエスチョンを念頭に章立てを行う、プロブレムベースの構成をとっています。

 病態編(シナリオ別,症候パターン別)、微生物編(主に血液培養陽性に対する対応)、薬剤編,感染管理編に分け、全体のバランスをとりながら、エビデンス、各種ガイドラインに基づいた記載を軸に、普段行っている日常臨床の科学的根拠を掘り下げ、主なターゲットであるホスピタリストを志す若手医師が、明日からの診療に応用できる特集を目指しています。執筆陣によるキャリア編まで、読みどころが満載です。



電子版はこちら(医書JP)

¥5,060 税込
責任編集:嶋崎 鉄兵(杏林大学医学部付属病院 感染症科)・石丸 直人(愛仁会明石医療センター 総合内科)
ISBN
978-4-8157-2024-7
刊行年月
2023年6月
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Part 1 病態編① シナリオ別に考える発熱患者・感染症への対応
1. 抗菌薬が効いていない!? と思ったときの感染症科的な思考過程:本特集のイントロダクションを兼ねて
嶋崎 鉄兵 杏林大学医学部付属病院 感染症科
2. 術後患者の発熱:時間軸および手術部位からのアプローチ
古谷 賢人 静岡県立総合病院 臨床検査科/感染対策部 感染対策室
伊東 直哉 愛知県がんセンター 感染症内科部/感染対策部 感染対策室
3. 悪性腫瘍と発熱:複雑化する担がん患者対応のアップデート
武田 孝一 がん研有明病院 感染症科/腫瘍リウマチ膠原病科
4. 化学療法中の患者の感染症予防:感染リスク別の,抗菌薬,抗真菌薬,抗ウイルス薬の使い方
松尾 貴公 聖路加国際病院 感染症科/MDアンダーソンがんセンター 感染症科
5. 顆粒球減少患者の発熱:内科的緊急事態としての対応と丁寧な原因追求とを両立させる
藤田 崇宏 北海道がんセンター 感染症内科

Part 2 病態編② パターン認識でとらえる発熱・感染症
6. 中枢神経症状と発熱:脳神経外科手術後,HIV/AIDS患者の日和見感染症,lung brain syndrome
山口 征啓 コネクト合同会社/NPO法人 KRICT
7. 関節炎と発熱:ホスピタリストが知っておきたい感染性関節炎と人工関節感染症
大藪 竜昇・岡本 耕 東京大学医学部附属病院 感染症内科
8. リンパ節腫脹と発熱:膨大な鑑別疾患へのアプローチ
立石 哲則・織田 錬太郎 東京都立多摩総合医療センター 感染症内科
9. 肝機能障害・黄疸と発熱:肝酵素検査異常,ウイルス性・非ウイルス性感染症に対するアプローチ
椎木 創一 沖縄県立中部病院 感染症内科
10. 陰囊痛と発熱:急性精巣上体炎・尿道炎・尿路抗酸菌症
髙橋 聡 札幌医科大学医学部 感染制御・臨床検査医学講座

Part 3 微生物編
11. 血液培養からグラム陽性菌,あなたならどうする:Staphylococcus aureusを中心に整理
伊藤 健太 あいち小児保健医療総合センター 総合診療科
12. 血液培養からグラム陰性菌,真菌,あなたならどうする:「3Ds」に加えて,菌のグループ分けも考えよう
林 俊誠 前橋赤十字病院 感染症内科
13. いまさら聞けない血液培養の疑問:タイミングは? フォローアップは? 持続菌血症への対応は?
大津 晃康 杏林大学医学部付属病院 感染症科

Part 4 薬剤編
14. 抗菌薬・抗真菌薬の副作用,薬物相互作用,TDM:患者の不利益を最小限に抑えるためにホスピタリストが知っておくべきこと
西 圭史 日本大学薬学部 薬剤師教育センター
15. 新しいグラム陰性桿菌用の薬剤を整理する:“消化器”に例えられる新規抗菌薬の位置づけ
土井 洋平 藤田医科大学医学部 微生物学講座・感染症科/ピッツバーグ大学医学部 感染症内科
16. エビデンスに基づき長期抗菌薬投与の経口スイッチの妥当性を検討する
Pros:入院期間短縮と静脈ライン関連合併症回避にメリットあり
堀越 裕歩 東京都立小児総合医療センター 感染症科/免疫科
Cons:原則的には従来の経静脈投与期間の満了が優先されるべき
金澤 晶雄・森 博威 順天堂大学医学部 総合診療科学講座

Part 5 検査編
17. point-of-careグラム染色で狙い撃つ:医師が自ら起因菌を推定・診断し,最適な治療に結びつけよう
谷口 智宏 県立広島病院 総合診療科・感染症科
18. rapid diagnostic test(迅速診断検査)を理解する:核酸増幅検査と従来検査法の両方を使いこなす
上原 由紀 藤田医科大学医学部 感染症科
19. この感染症検査の解釈,正しくできていますか:梅毒・HIV感染症・C. difficile感染症・結核・CMV感染症
三輪 俊貴 東京大学医学部附属病院 感染症内科
本田 仁 藤田医科大学医学部 感染症科
20. このバイオマーカーの解釈,正しくできていますか:エビデンスに基づく診断精度・臨床的意義・使い方
久保 赳人・石金 正裕 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター

Part 6 感染管理編
21. ホスピタリストが知っておくべきSSI予防策:3つの時間軸で考える
大石 高稔・安田 英人 自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科
22. 院内感染予防策のエビデンス:標準予防策と感染経路別予防策/個室隔離について
松田 直也,蛭子 洋介 亀田総合病院 感染症科
23. CRBSI予防のエビデンス:費用対効果も含めて考えたい最近のトピック
森兼 啓太 山形大学医学部附属病院 検査・感染制御部

Part 7 キャリア編
24. 日本で感染症医として活躍するには

【連載】
病棟医療革命
第6回ミシガン大学編|ミシガンからこんにちは:究極のtelemedicineとは,究極の患者協働のことだ!
和足 孝之 Medicine Service, VA Ann Arbor Healthcare System/Department of Medicine, Michigan University Medical School
第7回①千葉大学編|遠隔コミュニケーションシステムを活用した教育方略事例:心理的安全性,反転授業の観点から
鋪野 紀好 千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学/千葉大学医学部附属病院 総合診療科
第7回②橋本市民病院編|インターネット・非同期学習を活用した研修医教育:インストラクショナルデザインの観点から
有吉 彰子 橋本市民病院 総合内科/臨床研修センター
橋本 忠幸 大阪医科薬科大学病院 総合診療科
堀谷 亮介 橋本市民病院 総合内科/臨床研修センター
Clinician Update
官澤 洋平・石丸 直人 愛仁会明石医療センター 総合内科

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