運動器超音波ガイド下治療・手術

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ここからはじめる48のアプローチ




若手整形外科医・整形外科専門医、スポーツドクター、麻酔科専門医、ペインクリニック専門医等の運動器超音波ビギナーに向け、インターベンション、神経ブロック、超音波アシスト手術など48の運動器超音波ガイド下手技をエキスパート45名が解説。本書一冊で全身を網羅する構成。超音波画像を中心に単純X線写真・CT・MRIを含め600点の画像と、解剖図などのカラー図200点を収載。本文や画像の理解を助ける参考動画(Web配信)付き。

¥10,450 税込
編集:熊井 司(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)・杉本勝正(名古屋スポーツクリニック 院長)・佐藤公治(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 院長)
ISBN
978-4-8157-3087-1
判型/ページ数/図・写真
B5変 頁340 写真600・カラー図200
刊行年月
2023年12月
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CHAPTER 1 肩関節
1.1 肩関節内病変に対する肩関節内注射
1.2 肩峰下インピンジメントに対する肩峰下滑液包注射
1.3 上腕二頭筋長頭腱炎に対する結節間溝内注射
コラム ドプラ入射角とは
1.4 石灰沈着性腱板炎に対する石灰化部位注射
1.5 Bennett 骨棘に対するブロック注射とガングリオン(paralabral ganglion)
に対する穿刺
1.6 前斜角筋ブロック,肩甲上神経ブロック,腋窩神経ブロック

CHAPTER 2 肘関節
2.1 肘関節内病変に対する肘関節内注射
2.2 外側上顆炎,内側上顆炎に対する超音波ガイド下注射
2.3 肘部管症候群に対する超音波ガイド下注射
2.4 外側上顆炎に対するpercutaneous ultrasonic tenotomy
2.5 遠位上腕二頭筋腱障害に対する超音波ガイド下注射

CHAPTER 3 手関節
3.1 手根管症候群に対する超音波ガイド下注射
3.2 手関節内病変に対する超音波ガイド下手関節内注射
3.3 狭窄性腱鞘炎(de Quervain 病,弾発指)に対する超音波ガイド下注射
・de Quervain 病
・弾発指
コラム1 弾発現象のタイプ
コラム2 有用性について
コラム3 側正中注入法:痛みの少ない腱鞘内注射・PIP 関節内注射
3.4 超音波ガイド下母指CM 関節内注射
3.5 手関節手術のための超音波ガイド下腕神経叢ブロック(腋窩アプローチ)
3.6 超音波を用いた選択的神経伝達麻酔によるwide awake surgery

CHAPTER 4 脊椎
4.1 頚椎症性神経根症に対する超音波ガイド下神経根ブロック
4.2 頚椎術後軸性疼痛に対する超音波ガイド下副神経ブロック
4.3 腰椎疾患に対する超音波ガイド下後枝内側枝ブロック
4.4 腰痛症に対する超音波ガイド下トリガーポイント注射
4.5 超音波ガイド下椎間関節ブロックと腰椎横突起骨折診断と治療への応用
・超音波ガイド下椎間関節ブロック
・腰椎横突起骨折診断と治療における超音波の応用
4.6 超音波ガイド下腰痛筋膜剝離
コラム 筋・筋膜の機能障害(MPS)とトリガーポイント(TP)
4.7 超音波ガイド下仙骨硬膜外ブロック
4.8 超音波ガイド下仙腸関節ブロック
コラム プローブの選択と調整
4.9 腸腰筋膿瘍に対する超音波ガイド下経皮的穿刺/ドレナージ治療
4.10 脊椎脊髄手術に対する術中超音波ガイド下ナビゲーション
コラム 手術ナビゲーションシステム

CHAPTER 5 股関節
5.1 股関節唇病変に対する超音波ガイド下治療
5.2 FAI に対する股関節内注入療法
5.3 外側型弾発股に対する超音波ガイド下インターベンション

CHAPTER 6 膝関節
6.1 Baker 囊腫に対する超音波ガイド下治療
6.2 半月(板)ガングリオンに対する超音波ガイド下治療
6.3 膝蓋腱症(ジャンパー膝)に対する超音波ガイド下治療
6.4 鵞足炎に対する超音波ガイド下治療
6.5 Osgood-Schlatter 病に対する超音波ガイド下治療
コラム Osgood-Schlatter 病に対する超音波ガイド下骨片摘出術

CHAPTER 7 足関節
7.1 腓腹筋・ヒラメ筋挫傷に対する超音波ガイド下治療
コラム 血腫の予防(テーピングと包帯固定)
7.2 変形性足関節症に対する足関節内注入療法
7.3 足関節後方インピンジメント症候群に対する超音波ガイド下治療
7.4 癒着性腱病変に対する超音波ガイド下治療
7.5 アキレス腱症(炎)に対する超音波ガイド下治療
7.6 アキレス腱付着部症に対する超音波ガイド下治療
7.7 腓骨筋腱炎・後脛骨筋腱炎に対する超音波ガイド下治療
7.8 足底腱膜症に対する超音波ガイド下局所注入療法
7.9 強剛母趾,母趾種子骨障害に対する超音波ガイド下治療
7.10 Morton 病に対する超音波ガイド下注入療法
7.11 足関節手術のための超音波ガイド下神経ブロック(坐骨神経ブロック,伏在神経ブロック)
・坐骨神経ブロック
・伏在神経ブロック
7.12 超音波アシストによる低侵襲アキレス腱縫合術
7.13 超音波ガイド下前距腓靱帯(ATFL)修復術

運動器を扱う整形外科医にとって,臨床現場での正確な診断を行うためには,骨・軟骨など硬組織のみでなく,筋・腱・靱帯・神経・血管といった軟組織の形態と機能を正確に評価することが求められます。そのため,これまで人体の構造を可視化するためのさまざまな技術が進歩してきました。1895年に発見された放射線によるX線検査は広く世界中に普及し,骨形態の描出による診断は大きく進みました。その後,同じX線を用いたCT検査が普及し,骨形態の正確な評価が行われるようになりました。さらに,放射線を使用しない磁気共鳴イメージングとよばれるMRI検査の出現は,これまで困難であった軟組織の描出を可能とし,撮像条件を変えることで機能に関連した質的な情報を提供する検査として普及しました。さて,次に出現したのが超音波検査です。超音波の反射波(エコー)を受信し画像を再構成することにより,体内の軟組織断面像,動き,血流,弾性をリアルタイムに描出する検査として飛躍的な普及を遂げました。ここ数年における超音波機器の技術革新は目覚ましいものがあります。従来のドプラ法による血流評価では限界とされていた低流速血流を描出するSMI(Superb Micro-vascular Imaging)技術,軟部組織の硬さを,より高い再現性で定量評価できるせん断波エラストグラフィ(Shear Wave Elastography),CTやMRIのリファレンス画像と同期させることで病変位置の特定が容易となるSmart Fusion技術,スキャンモードと表示方法を組み合わせることで可能となった超音波3次元画像の再構築技術など,技術面での進歩は凄まじいものがあります。

 さて,それではこういった豊富な優れた画像情報を,われわれ整形外科医は治療に向けてどのように活用することができるでしょうか。私が「超音波ガイド下インターベンション」という言葉を耳にするようになってまだ十年ほどだと思いますが,今やその有用性と多様性は加速度的に拡大し,臨床研究の成果とともに運動器治療を大きく変容させたといっても過言ではありません。この書では,超音波ガイド下治療・手術のエキスパートである45名の先生方に,最も基本となる手技についてご執筆いただきました。この分野の技術は日々変化しアップデートされていくものですが,それらすべての基礎となる手技について,網羅されていると思います。この書が,皆さんの超音波ガイド下治療・手術のスキルアップ,そしてエキスパートへの道の一助となることを心より願っております。


2023年11月 
編者を代表して  
早稲田大学スポーツ科学学術院
熊井 司

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