精神診療プラチナマニュアル 第3版

精神科医・精神科以外の医師・看護師・薬剤師・心理職・初期研修医・医学生のみなさまへ

このあたりまでは全員知っておいた方が良いだろう



わかりにくい精神科を、さらにわかりやすく




精神医療に必要かつ不可欠な内容をハンディサイズに収載、臨床における迷いを払拭するコンパクトマニュアル。4年ぶりの改訂に際し、精神医療に最低限必要な知識に加えて、「もう少し踏み込んで知っておきたい知識」も記述。原則として『DSM-5-TR』に疾患名を統一し、またDSMにない概念も取り上げた。全編アップデート、30頁増。拡大版(Grande)も同時発売。精神科専門医・専攻医はもちろん、他科の医師、初期研修医、看護師、薬剤師、さらには臨床心理士・公認心理師、精神保健福祉士など、幅広い職種に。





☆主な改訂のポイント

●『DSM-5-TR』に原則として疾患名を統一(例:双極性障害→双極症)

●『パーソナリティ症』についての記述が大幅に充実

●DSM-5-TRにはない概念・用語も多数収載(例:ガッデム症候群,愛着障害,複雑性PTSD)

●旧版よりも約30頁増、全編アップデート



 

¥2,420 税込
松崎朝樹 筑波大学医学医療系臨床医学域精神神経科講師
ISBN
978-4-8157-3097-0
判型/ページ数/図・写真
三五変 頁304 図15
刊行年月
2024年3月
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精神診療が対象とする疾患・症状と治療薬
第1章 疾患・症状別の診断と治療各論
■落ち込む,またはハイになる「気分症」
◎概要
◎気分症の診断
◎うつ病の診断
◎うつ病の治療
◎副作用について
◎うつ病に伴う不安と薬物治療
◎三環系(または四環系)抗うつ薬への変更
◎少量の非定型抗精神病薬の補助療法
◎炭酸リチウムの補助療法
◎レボチロキシン(甲状腺末)の補助療法
◎電気けいれん療法
◎睡眠時無呼吸症候群の併存
◎うつ病が十分に改善したら
◎うつ病の維持期
◎再発を繰り返すうつ病
◎精神症性の気分症(妄想性うつ病など)
◎双極性うつ病の疑い
◎持続性抑うつ症
◎双極症の診断
◎双極症の治療
◎躁状態の治療
◎鎮静について
◎双極症の抑うつ状態の治療
◎双極症の維持期
◎急速交代型の双極症
◎混合性の特徴を伴ううつ病/双極症
◎不安症や強迫症が併存する双極症
◎気分循環症
◎他の特定される双極症および関連症
◎気分症につけられる特定用語
◎月経前不快気分障害
◎自傷や過量服薬
◎ステロイド使用中の精神症状
■幻覚と妄想といえば「統合失調症」
◎概要
◎統合失調症
◎妄想症
◎統合失調感情症
◎統合失調症と鑑別すべき疾患
◎病的多飲水,水中毒
◎カタトニア
■抗精神病薬使用中の「錐体外路症状」
◎概要
◎パーキンソニズム
◎アカシジア
◎ジスキネジア
◎ジストニア
◎悪性症候群
■強い不安やパニックが生じる「不安症」
◎概要
◎パニック発作
◎パニック症
◎広場恐怖症
◎全般不安症
◎社交不安症
◎限局性恐怖症
◎分離不安症
◎場面緘黙(選択性緘黙)
◎双極症に併存する不安症
◎不安症の薬物治療:共通事項
■〇〇せずにはいられない「強迫症」
◎概要
◎強迫症
◎双極症に併存する強迫症
◎身体醜形症
◎ためこみ症
◎抜毛症
◎皮膚むしり症
◎爪噛み症
■身体の症状が気になって仕方ない「身体症状症及び関連症群」
◎概要
◎身体症状症
◎病気不安症
◎機能性神経学的症状症(変換症)
◎作為症
◎他の医学的状態に影響する心理的要因
■多重人格や記憶喪失が生じる「解離症」
◎概要
◎解離性同一症
◎解離性健忘
◎離人感/現実感消失症
◎イマジナリーコンパニオン
■強いストレスで生じる「ストレス因関連症候群」
◎概要
◎心的外傷後ストレス症(PTSD)
◎複雑性心的外傷後ストレス症
(複雑性PTSD)
◎急性ストレス症
◎遷延性悲嘆症
◎適応反応症
■愛着障害
◎概要
◎反応性アタッチメント症
◎脱抑制型対人交流症
◎発達性トラウマ障害
◎アダルトチルドレン
◎ヤングケアラー
■拒食したり過食したり「摂食症」
◎概要
◎神経性やせ症
◎軽度・中等度の神経性やせ症
◎重度・最重度の神経性やせ症での入院
◎神経性過食症
◎むちゃ食い症
◎回避・制限性食物摂取症
◎異食症
◎神経性オルトレキシア
■依存・嗜癖
◎概要
◎アルコール使用症
◎アルコール離脱
◎ウェルニッケ・コルサコフ症候群
◎他の物質の使用症(依存症)
◎ギャンブル行動症
◎インターネットゲーム障害
◎窃盗症
◎窃視障害/窃触障害
■眠れない「睡眠障害」
◎概要
◎睡眠欲求の過剰
◎不眠症
◎ベンゾジアゼピン系薬を続けている人
◎睡眠薬を飲んでも不眠を訴える人
◎入院患者の不眠の訴え
◎レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
◎周期性四肢運動障害
◎睡眠時無呼吸症候群
◎ナルコレプシー
◎過眠障害/特発性過眠症
◎レム睡眠行動障害
◎睡眠時遊行症/夢遊病
◎睡眠時驚愕症/夜驚症
◎睡眠関連摂食障害
◎悪夢障害
◎反復性孤発性睡眠麻痺
◎概日リズム睡眠・覚醒障害
◎睡眠薬
■入院中に起こる意識の障害「せん妄」
◎概要
◎せん妄
◎通過症候群
◎高次脳機能障害
■人格的な偏り「パーソナリティ症」
◎概要
◎猜疑性パーソナリティ症(妄想性パーソナリティ障害)
◎シゾイドパーソナリティ症
◎統合失調型パーソナリティ症
◎反社会性パーソナリティ症
◎ボーダーラインパーソナリティ症
◎演技性パーソナリティ症
◎自己愛性パーソナリティ症
◎回避性パーソナリティ症
◎依存性パーソナリティ症
◎強迫性パーソナリティ症
■社会性の欠如や落ち着きのなさ「神経発達症」
◎概要
◎自閉スペクトラム症
◎社会的コミュニケーション症
◎注意欠如多動症(ADHD)
◎限局性学習症
◎発達性協調運動症
◎児童期発症流暢症/吃音/どもり
◎チック症
◎知的発達症(知的能力障害/精神発達遅滞)
◎反抗挑発症(反抗挑戦性障害)
◎重篤気分調節症
◎素行症(素行障害/行為障害)
◎間欠爆発症(間欠性爆発性障害)
■物忘れなどの「認知症」
◎概要
◎Treatable Dementia
◎アルツハイマー型認知症
◎レビー小体型認知症
◎血管性認知症
◎前頭側頭型認知症
◎正常圧水頭症
◎認知症の不眠
◎BPSDについて
第2章  精神科診療に必要なミニマムエッセンス
■精神保健福祉法
◎任意入院
◎医療保護入院
◎措置入院
◎応急入院
◎処遇の指示
◎隔離
◎身体的拘束
■自動車の運転と向精神薬
■妊産婦への向精神薬の使用
第3章 向精神薬
■抗うつ薬
◎概要
◎SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
エスシタロプラム/セルトラリン/パロキセチン/フルボキサミン
◎SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
デュロキセチン/ベンラファキシン/ミルナシプラン
◎SSRI・SNRI以外の新規抗うつ薬
ミルタザピン/ボルチオキセチン
◎三環系抗うつ薬
アミトリプチリン/アモキサピン/イミプラミン/クロミプラミン/トリミプラミン/ノルトリプチリン
◎四環系抗うつ薬
ミアンセリン/セチプチリン/マプロチリン
◎その他
スルピリド/トラゾドン
■気分安定薬
◎概要
◎炭酸リチウム
◎バルプロ酸ナトリウム
◎カルバマゼピン
◎ラモトリギン
■抗精神病薬
◎概要
◎非定型抗精神病薬
アセナピン/アリピプラゾール/オランザピン/クエチアピン/クロザピン/パリペリドン/ブレクスピプラゾール/ブロナンセリン/ペロスピロン/リスペリドン/ルラシドン
◎定型抗精神病薬
オキシペルチン/クロカプラミン/クロルプロマジン/スピペロン/スルトプリド/スルピリド/ゾテピン/チアプリド/チミペロン/ネモナプリド/ハロペリドール/ピパンペロン/ピモジド/プロクロルペラジン/プロペリシアジン/ペルフェナジン/モサプラミン/レボメプロマジン
■抗不安薬
◎概要
◎ベンゾジアゼピンやその類似物
アルプラゾラム/エチゾラム/オキサゾラム/クロキサゾラム/クロチアゼパム/クロルジアゼポキシド/ジアゼパム/トフィソパム/フルタゾラム/ブロマゼパム/メキサゾラム/メダゼパム/ロフラゼプ酸エチル/ロラゼパム
◎ベンゾジアゼピンやその類似物以外の薬
ヒドロキシジン/タンドスピロン/抑肝散
■睡眠薬
◎概要
◎ベンゾジアゼピンやその類似物
エスゾピクロン/エスタゾラム/エチゾラム/クアゼパム/ゾピクロン/ゾルピデム/トリアゾラム/ニトラゼパム/フルニトラゼパム/フルラゼパム/ブロチゾラム/リルマザホン/ロルメタゼパム
◎ベンゾジアゼピンやその類似物以外の薬
ラメルテオン/スボレキサント/レンボレキサント/プロメタジン/トラゾドン/フェノバルビタール
■注意欠如多動症治療薬
◎概要
◎中枢神経刺激薬
メチルフェニデート徐放錠/リスデキサンフェタミン
◎非中枢神経刺激薬
アトモキセチン/グアンファシン
■抗認知症薬
◎概要
◎アセチルコリンエステラーゼ
阻害薬
ドネペジル/ドネペジル経皮吸収型製剤/ガランタミン/リバスチグミン
◎NMDA型グルタミン酸受容体
拮抗薬
メマンチン
■抗パーキンソン病薬
◎概要
◎抗コリン薬
ビペリデン/トリヘキシフェニジル/プロメタジン
◎ドパミン作動薬
ブロモクリプチン/プラミペキソール
■ジスキネジアの治療薬
バルベナジン
■アルコール依存症の治療薬
◎飲酒欲求を低減させる薬物
ナルメフェン/アカンプロサート
◎抗酒薬/嫌酒薬
シアナミド/ジスルフィラム
■電気けいれん療法
■心理検査
◎知能検査
◎認知症スクリーニング
◎性格検査
◎発達障害スクリーニング
◎気分症の把握
◎抑うつ状態の把握
◎その他の身体/精神状態の把握
◎投影法
参考文献
索引

本書は,2018 年に初版,2020 年に第 2 版を出版し,今回改訂を重ねて第 3 版となった。
初版は『感染症プラチナマニュアル』に続いて企画され,臨床を強く意識した『感染症プラチナマニュアル』の性格を受け継ぎ,さまざまな精神障害に対して精神科で行われる診断や治療を簡潔かつ具体的に記載し,「わかりにくい」とされがちな精神科診療をわかりやすく解説することに努め記した 1 冊である。その結果,本書の初版・第 2 版ともに,短期間で精神科の臨床を学ぼうとする初期研修医から,精神科専門医への道を歩む精神科専攻医,すでに長い臨床経験を持つ精神科専門医,ときに精神障害をみる必要性に駆られることのある精神科以外の医師,さらには精神科に関わる看護師,薬剤師,臨床心理士/公認心理師,精神保健福祉士,精神医学を学ぶ医療系の学生など,幅広く多くの方々に活用されてきた。
第 2 版に続き,今回の改訂でも臨床実践のための本という性格はそのままに,新しく登場した薬物を取り扱うなど,最新の治療にも対応できる内容とした。また,初版から一貫して,精神科の臨床で扱われる頻度の高い統合失調症,うつ病,双極症,不安症などについて,診断と治療に必要な情報を簡潔にまとめながらも,より網羅的な内容となるよう努めた。精神科専門医でも診る機会が比較的少なかっただろう障害に臨床で出会った際にも,本書があればすぐ活用できるようになっているはずである。
今回は 2023 年に改訂された日本語版 DSM ─ 5 ─ TRTM に準拠した最新の用語の使用に努めると同時に,まだ臨床の現場で用いられている DSM─5 以前の語も一部残し,併記することで実用性を高めた。さらに,DSM にはない概念も扱うことで,本書を持つ者が,臨床の実践の場で幅広い視点から精神科の診療を理解できるようにした。
序文をここまで読んでいただいた方には申し訳ないが,本書の真の価値は序文ではなく本文にこそある。今回の改訂版を書くにあたっては,1ページ目から順番に読まずとも,あるいはその章を丸ごと読まずとも,必要なページを開けばそこからすぐに活用していただける本となるよう努めた。読者の皆様には,そのまま臨床に活かせるところから本文を読み進めていただきたい。
進化したこの 1 冊が皆様の本棚やポケットにあることで,さまざまな職種の方々がそれぞれの立場で精神医療をより良いものとする一助となることを,そして,それを通じて精神障害に苦しむ数多くの患者が救われることを心から願っている。
2024 年 2 月
松崎 朝樹

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