INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2025年3号

  • 未刊

特集:心原性ショック診療:エビデンスに基づく最適化への挑戦



心原性ショックは,循環器内科における最も深刻な課題の1つであり,その管理は長年にわたり困難を極めてきました。循環器医学全般が飛躍的な進歩を遂げるなかでも,心原性ショックの予後改善は大きな課題として残されており,専門医のみならず,多くの集中治療医や関連分野の医療従事者を悩ませています。しかし,近年の研究や臨床試験により,新たな知見や治療戦略が明らかになりつつあり,希望の光が差し始めています。

本特集では,SHOCK試験から始まる歴史的変遷を振り返り,心原性ショックの現状や予後の変遷,ステージングの考え方について深く探求します。また,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)や非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)に合併する心原性ショックの複雑な管理,カテコールアミン治療の最適化,機械的補助循環(MCS)デバイスの選択とその未来など,最新のエビデンスに基づく治療戦略を詳述します。

少しずつ見えてきた光明をどのようにとらえ,臨床に生かすべきかを考察します。本特集を通じて,心原性ショックの管理における現状と課題,そして未来への展望を共有し,臨床現場での課題解決に貢献できれば幸いです。

 



INTENSIVIST0号(創刊当時の座談会の模様)はこちら



 



 




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。



 











JSEPTIC ホームページ

特定非営利法人 日本集中治療教育研究会




 



 



 



 

¥5,170 税込
責任編集:香坂 俊(慶應義塾大学病院 循環器内科)・則末 泰博(東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 呼吸器内科)
ISBN
978-4-8157-2108-4
刊行年月
2025年7月
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1.それはSHOCK試験から始まった:心原性ショック管理の歴史的変遷
 香坂 俊 慶應義塾大学病院 循環器内科

2.心原性ショックの現実①:機械的循環補助は予後を改善したのだろうか?
 大畑 孝憲 慶應義塾大学病院 循環器内科

3.心原性ショックの現実②:院内のマネジメントと予後予測
 西本 裕二 市立豊中病院 循環器内科

4.複雑化する急性冠症候群合併の心原性ショック:血行再建戦略を再考する新たな概念mixed cardiogenic shockとは?
 山本 正啓・中島 啓裕 熊本大学病院 循環器内科

【コラム】心原性ショックの人工呼吸器管理:循環を支える呼吸:心原性ショック患者へのアプローチ
 山本 一太 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科

【コラム】心不全合併の心原性ショック:急性冠症候群とは異なるメカニズムと管理法
 夜久 英憲 ノースウェスタン大学 循環器内科

【コラム】急性期後の血行再建:ischemic cardiomyopathyに対するPCIとCABGの現在地
 鈴木 隆宏 聖路加国際病院 循環器内科

5.重症肺高血圧症による心原性ショック:その疾患に応じた管理,モニタリング,治療戦略を考える
 上田 仁 国立循環器病研究センター 肺循環科/九州大学病院 血液・腫瘍・心血管内科

6.カテコールアミン治療の是非:強心薬 vs. 昇圧薬 最適解は?:IMPELLA時代の循環作動薬の位置づけを再考する
 浅野 和宏・小島 俊輔 東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科

7.機械的循環補助(MCS)デバイスの選択とその未来:ECLS−SHOCKとDanGer shock試験の教訓 :重症心原性ショックに対するMCSの適応と管理
 稲森 大治・鵜木 崇 済生会熊本病院 循環器内科

8.心原性ショック時の弁膜症介入:タイミングを見極める
 三浦 瑞樹・片岡 明久 帝京大学 内科学講座 循環器内科

【コラム】弁膜症症例における血管拡張薬とカテコールアミンの使い分け:時間を稼ぐための内科的治療を検討する
 三反田 拓志 済生会中央病院 救急診療科/武蔵野赤十字病院 救命救急センター/榊原記念病院 心臓外科

9.LVAD導入の現実と課題:橋渡し治療からdestination therapyまで:LVADを見据えた重症心不全治療戦略
 羽田 佑 聖路加国際病院 救急科・救命救急センター

10.高齢者における心原性ショック:ショックチームを加えた総合的アプローチのためのエビデンス
 宮下 智 クリーブランドクリニック 循環器内科
 渡邉 将央 日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科
 絹川 弘一郎 富山大学大学院医学薬学研究部 内科学第二

連載
■ え?知らないの? 心臓ペースメーカの使い方
〈シリーズ構成:上岡 晃一 東京医科大学病院 臨床工学部〉
 永田 吾一 東海大学医学部付属病院 診療技術部 臨床工学技術科

■ 集中治療に関する最新厳選20論文
 田邊 翔太 松江赤十字病院 救急部  
 吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

特別掲載
■ 他科多職種連携の極意とホンネ 第1回
①その先にいるのは皆,人である
 永井 秀哉 福井県立病院 救命救急センター

②院内救急救命士を最大限に活かしてタスクシフトの幅を広げる!
 鈴木 康史 石心会 埼玉石心会病院 ER総合診療センター/医療支援部 EMT課/北里大学メディカルセンター 救急科
 熊谷 淳 石心会 埼玉石心会病院 ER総合診療センター/医療支援部 EMT課
 菅原 誠太郎 聖マリアンナ医科大学 救急医学

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