がんゲノム医療やさしい系統講義 第2版

がんゲノム医療の「今」がわかる入門的解説書、改訂新版

がんゲノム医療について、その基礎知識から医療の実際までを、系統的かつコンパクトに概説。改訂に際し対象腫瘍が固形腫瘍から造血器腫瘍(血液腫瘍)にまで拡大するなど、制度の変更を踏まえ全体的に情報を更新。知識を網羅的に並べた教科書ではなく、初めてがんゲノム医療を学ぶ方にも、専門用語の壁に阻まれることなく楽に通読できる。医師をはじめ医療従事者必携の書。自学自習から講習会まで、幅広く活用できる。
¥4,950 税込
著
編集:松浦成昭(大阪国際がんセンター総長)・櫻井晃洋(国家公務員共済組合連合会 斗南病院ゲノム医療センター長)・石岡千加史(JR 仙台病院 院長・東北大学名誉教授)・西尾和人(近畿大学教授)/監修:全国がんプロ協議会
ISBN
978-4-8157-3156-4
判型/ページ数/図・写真
B5変 頁248 図43
刊行年月
2026年9月
数量
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む

Part 1 ゲノム医学の基礎
第1講 ヒトゲノムの基礎〜混同しがちな用語や概念を整理する
1.1 ヒトゲノムの構成要素を正しく理解するために
1.2 遺伝子の変異の記載方法を学ぶ

第2講 ゲノム解析手法〜次世代シークエンサーを用いて遺伝子の塩基配列を解読する 2.1次世代シークエンサーを用いて遺伝子の塩基配列を解読する
2.2 検体採取から核酸の抽出
2.3 リキッドバイオプシーの血液検体採取
2.4 ライブラリ調製の工程
2.5 シークエンシング
2.6 データ解析の工程

Part 2 がんとゲノム
第3講 ゲノム異常と発がん〜がん遺伝子,がん抑制遺伝子,DNA 損傷修復
3.1 がん遺伝子とがん抑制遺伝子
3.2 細胞に備わっているDNA の修復機構
3.3 ゲノム不安定性と疾患

第4講 がんゲノム医療総論〜ドライバー遺伝子の異常を網羅的に調べて治療法を決める医療である
4.1 がんを引き起こすドライバー遺伝子
4.2 がんゲノム医療における分子標的薬
4.3 治療法選択のためのコンパニオン診断
4.4 がんゲノム医療の遺伝子パネル検査
4.5 リキッドバイオプシー

第5講 ビッグデータ解析とバイオインフォマティクスとデータベース公共データベースとC‒CAT
5.1 クリニカルシークエンシングのデータベース
5.2 C‒CAT のデータベースとサービス
5.3 C‒CAT 調査結果のエビデンスレベル
5.4 データベースを活用する際の注意点

Part 3 がんゲノム医療の実際
"第6講 がんゲノム医療現場の実際〜どのような流れで進行するか
6.1 がん遺伝子パネル検査の手順と対象患者
6.2 がん遺伝子パネル検査の解析レポートとC‒CAT 調査結果
6.3 専門家会議であるエキスパートパネル
6.4 二次的所見について

コラム 造血器腫瘍のがんゲノム医療
造血器腫瘍診療におけるパネル検査の特徴
エキスパートパネルと連携病院
体細胞バリアントと生殖細胞系列バリアントの評価
造血器疾患患者における生殖細胞系列バリアント
同種移植治療と遺伝診療
遺伝医療における今後の課題

第7講 がんゲノム医療現場の実際─症例提示〜エキスパートパネルの紹介
7.1 エキスパートパネル実施のための体制
7.2 症例検討の実際

第8講 がんゲノム医療における患者・家族支援〜精神的側面からのケアを行う
8.1 がん患者や家族がかかえる心理的ストレス
8.2 ゲノム医療が加わることで必要になる支援
8.3 小児・AYA 世代の患者・家族支援

第9講 遺伝性腫瘍総論と遺伝カウンセリング〜一般的ながんとの違いは何か
9.1 遺伝性腫瘍とは何か?
9.2 遺伝性腫瘍の確定診断に必要な遺伝学的検査
9.3 近年の動向:遺伝学的検査を受ける目的が多様化,保険診療の適用範囲が拡大
9.4 遺伝カウンセリング

第10講 遺伝性腫瘍各論〜がんゲノム医療で重要な3 疾患について知る
10.1 HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)
10.2 リンチ症候群
10.3 リ・フラウメニ症候群

第11講 がんプレシジョンメディシンの現在と将来〜エクソーム解析やリキッドバイオプシーなど
11.1 エクソン領域を対象としたエクソーム解析
11.2 血液を用いた解析方法であるリキッドバイオプシー
11.3 疾患のリスクは多遺伝子リスクスコアで判断できる

Part 4 ゲノム医療とELSI
第12講 ゲノム医療・研究と倫理・個人情報保護〜なぜ倫理を学ぶ必要があるのか
12.1 がんゲノム医療の現状
12.2 臨床研究における医療倫理
12.3 個人情報保護
12.4 ゲノム医療のELSI

第13講 がんゲノム医療から検出される生殖細胞系列の遺伝情報〜遺伝情報を知ることの意義と対応を考える
13.1 網羅的遺伝子解析に関する最近の動向
13.2 遺伝性腫瘍症候群とは?
13.3 遺伝性腫瘍症候群であることを知る「メリット」

Part 5 がんゲノム医療に必要な体制と人材
第14講 がんゲノム医療に必要な人材・多職種連携〜どのような専門職が参加するか
14.1 がんゲノム医療におけるチーム医療の必要性
14.2 どんな職種の人材がチームを構成するのか
14.3 がんゲノム医療の課題に多職種連携で取り組む

第15講 がんゲノム医療に関する医療制度〜実施医療機関,C‒CAT,保険診療
15.1 がんゲノム医療の3 つの実施医療機関
15.2 がんゲノム情報管理センター(C‒CAT)の役割
15.3 がん遺伝子パネル検査と保険制度
15.4 患者への説明資料,同意書,報告書ひな形

本書の初版が刊行されてから,わが国のがんゲノム医療は着実に,そして想定を上回る速さで歩みを進めてきました。2019 年に保険診療として始まったがん遺伝子パネル検査は,実施施設や検査の選択肢が増え,がん診療のなかに定着しつつあります。検査結果を検討する専門家会議(エキスパートパネル)の運用,患者・家族への支援,得られた情報の集積と利活用など,診療を支える仕組みも整備されてきました。さらに,新たな分子標的薬やコンパニオン診断が相次いで登場し,ゲノム情報を治療選択に結びつける機会も広がっています。
こうした変化は,本書にも少なからぬ改訂を求めるものでした。当初は初版の増刷を予定していましたが,急速に進展するがんゲノム医療の現状を前に,初版の内容をそのままお届けすることは,本書を手に取る方々の期待に十分応えるものではないと考えました。そこで,最新の制度や診療体制,検査から結果解釈に至る実務,解析・情報基盤,倫理的・法的・社会的課題などを反映し,必要な箇所には大幅な改稿を加えて,改訂第2 版として刊行することとしました。
初版刊行後の大きな変化の一つに,造血器腫瘍におけるがんゲノム医療の保険収載があります。固形がんを中心に発展してきたがんゲノム医療が新たな領域へ広がったことは,その裾野がさらに拡大していることを示しています。造血器腫瘍では,検査の目的や対象となる遺伝子,検体,結果の解釈などに固形がんとは異なる点も多いため,第2 版では関連する情報をコラムとして取り上げ,その概要を解説しました。
もっとも,本書が大切にしてきた基本姿勢は変わりません。本書が目指すのは,知識を網羅的に並べた教科書ではなく,それぞれの領域の第一人者による講義を目の前で聴いているように読み進められる入門書です。初めてがんゲノム医療を学ぶ方にも,専門用語の壁に阻まれることなく,抵抗なく楽に読み通していただきたい。そのために,執筆者である各「講師」が,説明の順序や言葉の選び方,具体例の示し方にあらためて力を注ぎました。内容を大きく更新しながらも,この読みやすさこそ,第2 版に受け継いだ本書の最も大切な特徴です。
本書が,がんゲノム医療を学ぼうとする医療従事者や医学生の方々にとって,最初の一歩を踏み出すための道案内となり,日々の診療で知識を確かめる際にも役立つ一冊となることを願っています。そして,本書を通じてがんゲノム医療に関心を持ち,その実践に加わる方が一人でも増えることが,わが国のがん医療のさらなる発展につながることを期待しています。

2026 年8 月28 日
松浦成昭,櫻井晃洋,石岡千加史,西尾和人

おすすめ商品

あたらしいCELL、7版。

脳科学を網羅する教科書

周術期管理を核とした総合誌[リサ]月刊/毎月1月発売

エビデンスの先のベストプラクティスを描くクオータリー・マガジン。季刊/年4回発行

患者全体を見すえた内科診療のスタンダードを創る!季刊/年4回発行

救急に関わるすべての医療者のための総合誌

際限なき医学欲を満たす、極上の教科書を召し上がれ。

カテゴリ一覧

ページトップへ