2型糖尿病(2010年3月更新版)
禁煙
末梢動脈疾患
アレルギー性鼻炎
うつ病(2010年5月更新版)
喘息
過敏性腸症候群
変形性関節症
脂質異常症
インフルエンザ(2009年11月更新版)
片頭痛
心不全(2010年6月更新版)
不眠
大腸癌スクリーニング
慢性閉塞性肺疾患
認知症
腰背部痛
C型肝炎
瘡
胃食道逆流症
深部静脈血栓症
肥満
心房細動
高血圧
原著序
本書は,Annals of Internal Medicine誌の特集記事“イン・ザ・クリニック(In the Clinic)”の最初の2年分を収載したものである(訳注:この邦訳版では4章分を新しい記事に差し換えてある)。多くの実地医家と同じく,あなたも自宅や職場のどこかに,まだ読んでいない幾多の雑誌類が,埃を被っていることだろう。いつの日か,自由になる数分間を見つけ,それらに目を通すことができたらと,まだリサイクル箱には捨てられないでいる。また,この雑誌の山の中には,自分が知っておくべき何かが隠されているのではないかという,拭い去り難い感覚に捉われてもいる。
雑誌編集者として,われわれは読者がAnnals誌の隅々まで読破してくれることを願う。臨床医としては,しかしながら,実際の診療現場や現実の人生でそのようなことが望むべくもないことも承知している。また,実地医家がこれらの雑誌類を手に取っても,患者ケアという日常業務とは無関係であったり,せいぜいわずかに関連するにすぎないこともあまりに多い。Annals誌が“イン・ザ・クリニック”の連載を開始したのは,科学的根拠(エビデンス)と実地臨床との結び付きを強化するためである。
“イン・ザ・クリニック”は毎月発表され,各章では内科診療でよく遭遇する臨床状況1つ1つに焦点を当てている。その基盤はエビデンスに基づくPIER(Physicians’ Information and Education Resource)の内容である。PIER(http://pier.acponline.org)は,エビデンスに基づく臨床上の手引きをまとめたもので,独特の簡潔な書式をとっており,医師や他の医療従事者が診療現場ですぐに臨床情報を得られるようデザインされている。“イン・ザ・クリニック”は,診療にすぐに取り入れることができるような,鍵となる重要な知見を強調している。もっと詳しく知りたい読者は,PIERのページで,引用資料やエビデンスへのリンクを確認できる。
“イン・ザ・クリニック”の編者らは,引用情報に沿ったエビデンスに基づく資料となることを保証すべく,慎重な企画立案や綿密な指示に加え,記事の執筆にも参画している。また,PIERの情報を“イン・ザ・クリニック”の特徴であるQ&A方式へ変換するうえで,科学系ライターや医師らの支援を得ている。さらに外部専門家の吟味によって,各記事の内容が正確かつ最新情報であることを確認している。
“イン・ザ・クリニック”に目を通すことは重要な臨床トピックに関する知識を更新するうえで優れた方法である,とジェネラリストたちはわれわれに話してくれる。専門医にとっては,自らの専門領域以外の最新情報を苦もなく得られる手段となろう。本書をご活用いただき,患者ケアにお役立ていただければと願う。
Christine Laine, MD, MPH
David R. Goldmann, MD