Hospitalist(ホスピタリスト)2021年1号

特集:膠原病2



巨人の肩の上に立つRheumatology診療



よくわからないと相談されたケースのなかから解決できる疾患をみつけていくことも,ホスピタリストの役割の1つです。そのなかで膠原病は,比較的まれであるがゆえ,多くのホスピタリストにとっても苦手意識が強い領域かもしれません。しかし,できれば「膠原病関連疾患かもしれない」という理解レベルを超えて,ある程度の特定の疾患を想定して迫れるようになることが理想です。さらに,専門医の思考回路も想定したうえで上手にマネジメントしていく姿勢があると,より上級のホスピタリストとよべるのではないでしょうか。  本誌で「膠原病」を取り上げるのは2回目となります。今回は前回扱えなかった,自己炎症系疾患や,採血だけでは診断が困難な自己抗体が陰性の疾患を中心に取り上げます。そして,分類基準だけでは終わらずに,疾患のコアな部分や,感覚的に膠原病っぽいと感じるポイントの言語化を目指し,歴史を含めた背景にも注目してもらえるように構成しています。  検査をして「陽性なので病気」ではなく,病態が合っているので病気であろうと認識する。だからこそ医師が専門性のある職種であることがわかるでしょうし,一方では,実際に境界領域に悩みながら,患者を良くしていこうと試行錯誤する存在でもある。この領域は実に人間味があって面白い領域であることを,是非ともお伝えしたいと思います。



電子版はこちら(医書JP)

¥5,060 税込
責任編集: 清田 雅智 飯塚病院 総合診療科 陶山 恭博 JR東京総合病院 リウマチ・膠原病科 六反田 諒 亀田総合病院 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
ISBN
978-4-8157-2001-8
判型/ページ数/図・写真
A4変 頁200
刊行年月
2021年7月
数量
カートに追加しました。
カートへ進む

はじめに|ホスピタリストは膠原病専門医ともっと深いレベルで交流できないだろうか?
  清田 雅智 飯塚病院 総合診療科
1. 免疫総論:免疫システムの基本から自己免疫疾患・自己炎症性疾患の病態まで
  野村 篤史 聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center
2. 全身性エリテマトーデス(SLE):分類基準の変遷とANA negative SLE:「分類基準」の限界を把握し,病態の本質を意識する
  小澤 廣記 聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center
3. Sjögren症候群:診断・分類基準の変遷と病態の理解:腺外症状を決して見逃さない
  浅島 弘充 Yale School of Medicine, Department of Immunobiology/Neurology
4. 側頭動脈炎と巨細胞性動脈炎(GCA)の違い:GCAの病変は側頭動脈だけではない
  赤尾 敏之 亀田総合病院 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
5. 比較的まれな血管炎症候群:自己抗体の測定では見抜けない血管炎をどう診断するか
  德永 健一郎 熊本赤十字病院 リウマチ科
6. IgG4関連疾患:多様性に富む病態をいかにして診断するか
  上田 剛士 洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
7. 抗リン脂質抗体症候群(APS):血栓形成機序と診断,治療
  横地 律子 帝京大学ちば総合医療センター リウマチ内科
8. 妊娠と膠原病・リウマチ性疾患:プレコンセプションケア,妊娠中のモニタリング,授乳
  金子 佳代子 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 母性内科(膠原病・一般内科)/プレコンセプション・ケアセンター
9. 成人発症 Still病(AOSD):典型的な3つの症状以外にも多彩な症状を呈し得る
  甘利 優衣・土師 陽一郎 大同病院 膠原病・リウマチ内科
10. 家族性地中海熱(FMF)の臨床:繰り返す発熱や漿膜炎からいかにFMFを診断して治療するか
  北井 順也・佐田 竜一 天理よろづ相談所病院 総合診療教育部
11. まれだが重要な膠原病mimickers:症例からみる膠原病と血液疾患の鑑別
  高岸 勝繁 市立奈良病院 リウマチ・膠原病内科
12. 反応性関節炎:感染症と膠原病のはざま:目の前の患者が膠原病である可能性は常にある
  大城 拓也・上地 英司 友愛医療センター リウマチ膠原病内科
13. サルコイドーシス:肺外病変を主に:原因不明な疾患を探るときに重要な鑑別疾患として
  矢野 裕之・金城 光代 沖縄県立中部病院 リウマチ膠原病科/総合内科
ミニコラム① 抗セントロメア抗体(ACA)とSjögren症候群:ACA陽性は早期診断のためのヒントとなる
  鈴木 康倫 金沢大学附属病院研修医・専門医総合教育センター/リウマチ・膠原病内科
ミニコラム② 免疫学から考える1mg/kg/日のステロイドの減量法:「すみやかに減らしたいが,減らすと再発」のジレンマにどう向き合うか?
  須田 万勢 諏訪中央病院 リウマチ膠原病内科/聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center
ミニコラム③ 免疫関連有害事象(irAE)と自己免疫疾患:T細胞の活性化が引き起こす多彩な全身症状とそのマネジメント
  山口 央 埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器内科
ミニコラム④ クリオフィブリノーゲンとクリオグロブリン,その臨床像:然るべき検査方法を,ねらって実施しなければ証明されない
  蓑田 正祐 諏訪中央病院 リウマチ膠原病内科

【連載】
病棟医療革命
第1回|病棟におけるtele-GIM(telemedicine in GIM)の実践
  安本 有佑 板橋中央総合病院 総合診療内科
Clinical Update
  官澤 洋平・石丸 直人 愛仁会明石医療センター 総合内科

おすすめ商品
この商品を見た人はこんな書籍も見ています

脳科学を網羅する教科書

周術期管理を核とした総合誌[リサ]月刊/毎月1月発売

エビデンスの先のベストプラクティスを描くクオータリー・マガジン。季刊/年4回発行

患者全体を見すえた内科診療のスタンダードを創る!季刊/年4回発行

救急に関わるすべての医療者のための総合誌

際限なき医学欲を満たす、極上の教科書を召し上がれ。

カテゴリ一覧

ページトップへ