Hospitalist(ホスピタリスト)2023年3号

  • 未刊

2024年5月中旬発売予定!



特集:ホスピタリストのための栄養療法



疾患・高齢化にひそむ、低栄養に挑む



ホスピタリストや病院で働く医療スタッフがかかわる患者のほとんどは低栄養のリスクを抱えており、避けて通れない問題となっています。世界的には、2018年に策定されたGLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)が統一された診断基準として用いられ、疾患/炎症をもつ時点で、低栄養のリスクをもつという認識が必要になっています。また、多くの疾患では、低栄養は入院期間の延長や予後悪化との関連が明らかになっているほか、医療費の負担増という形で経済的損失にもつながることがわかってきています。我々、病院で働く医療スタッフは、患者・家族のためだけでなく、経済的貢献も念頭に、低栄養を認知・予防・治療していく必要性に迫られています。

日本では、エビデンスの不足や診断基準の不明瞭さなどのさまざまな理由から、栄養療法への理解は十分ではありませんでした。本特集は、これらの要因を少しでも克服し、多くの医療スタッフが現場で適切に栄養療法を施行できる一助となるものを目指しました。近年注目されているトピックスや、最新の診断基準、治療法に関してまとめ、病態生理もわかりやすく記載しています。また、栄養サポートチーム(NST)の活動に際して、よくある質問、迷う部分などを盛り込み、これを理解すればNSTで活躍できる内容にしています。

本特集を手にした医療スタッフが、栄養療法を通じてより多くの患者・家族を救い、この取り組みが社会貢献の一助につながっていくことを願っています。

栄養療法を通じて、一緒に日本を元気にしませんか。

 

¥5,060 税込
責任編集:吉田 稔(横須賀市うわまち病院 集中治療部・循環器内科/聖マリアンナ医科大学 救急医学)・森川 大樹(聖マリアンナ医科大学 救急医学)・八重樫 牧人(千葉西総合病院 内科)
ISBN
978-4-8157-2045-2
刊行年月
2024年5月
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はじめに|疾患・高齢化にひそむ,低栄養に挑む:栄養療法を通じて,一緒に日本を元気にしませんか
  吉田 稔 横須賀市立うわまち病院 集中治療部・循環器内科/聖マリアンナ医科大学 救急医学

Part 1 低栄養・低体重を示す病態の評価・治療
1. 低栄養の害,栄養療法の重要性:来るべき“Nutritional care is a human right”の時代
  鷲澤 尚宏 東邦大学医療センター大森病院 栄養治療センター
2. 栄養評価の方法(身体所見,採血,栄養評価ツール):問診・検査のポイント,ツールの特性
  宮澤 靖 東京医科大学病院 栄養管理科
3. フレイル・サルコペニアと悪液質:低栄養の分類と,診断で重要な骨格筋の評価
  吉村 芳弘 熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター
[コラム①]低栄養患者の再栄養で注意すべきリフィーディング症候群:リスク評価に基づいた栄養戦略で予防する
  栗栖 美由希 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター
  吉田 稔

Part 2 入院編:栄養療法総論
4. 入院中の栄養療法総論:①栄養投与ルートの選択:「腸管が使えれば腸管を使う」が原則!
  宮島 功 近森病院 臨床栄養部
[コラム②]嚥下障害・誤嚥性肺炎:加齢や認知症,神経疾患などがある状況で考えるべきこと
  官澤 洋平 愛仁会明石医療センター 総合内科
[コラム③]終末期と栄養療法の選択:“Do No Harm”の観点から考える人工的水分・栄養補給
  白石 龍人 甲南医療センター 緩和ケア内科/神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 先端緩和医療学分野
  山口 崇 神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 先端緩和医療学分野
5. 入院中の栄養療法総論:②目標栄養投与量:大事なのは基準の設定と根拠をもった算出
  工藤 雄洋 済生会横浜市東部病院 栄養部
[コラム④]リハビリテーション強度における栄養投与量:リハビリテーション栄養を意識したゴール設定が重要
  若林 秀隆 東京女子医科大学大学院医学研究科 リハビリテーション科学講座
6. 入院中の栄養療法総論:③経腸栄養における栄養剤の選択,投与方法など:期待される効果と注意点
  宮城 朋果 横須賀市立うわまち病院 栄養科
  吉田 稔
7. 入院中の栄養療法総論:④中心静脈栄養法の考え方:「注射薬」としての側面を理解し,必要十分な処方に活用する
  水谷 翔・前田 幹広 聖マリアンナ医科大学病院 薬剤部

Part 3 入院編:急性期からの栄養療法各論
8. 重症患者の栄養療法(Critical Care Nutrition):重症ゆえに考えねばならない急性期栄養療法のtips
  中村 謙介 横浜市立大学附属病院 集中治療部
9. 心不全における栄養療法:急性心不全と慢性心不全,入院から外来まで:ステージの進行で求められるギアチェンジ
  鈴木 規雄 聖マリアンナ医科大学東横病院 心臓病センター
10. 腎不全における栄養療法:急性腎不全から慢性腎臓病,入院中から外来まで:“腎保護”と“ADL保護”の両立へ
  町田 慎治 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 腎臓・高血圧内科
11. 炎症性腸疾患における栄養マネジメント:入院から外来まで:患者個人に合わせて多職種で行う
  宮谷 侑佑 University of Chicago Medicine, Inflammatory Bowel Disease Center
12. 肝疾患の栄養療法:肝臓は代謝栄養の舞台:いかにリアルな栄養療法を行うか
  宮垣 亜紀 公立豊岡病院組合立豊岡病院 消化器科
13. 急性膵炎・慢性膵炎の栄養療法:重症度や病期の判定からの目標と戦略
  宮崎 岳大 山内診療所
[コラム⑤]悪性腫瘍治療時の栄養療法(周術期を除く):悪性腫瘍とその治療に関連する生体への影響と現状の課題
  青山 徹 横浜市立大学医学部 外科治療学
[コラム⑥]周術期の栄養療法:消化器がん領域での評価と介入
  松井 亮太 がん研有明病院 消化器センター 胃外科
[コラム⑦]褥瘡の栄養管理:治療に関連する栄養と管理のポイント
  石川 環 東北福祉大学 健康科学部 保健看護学科

Part 4 外来編:慢性期の栄養療法
14. 外来栄養療法総論:患者の状況や目的に沿って進めていくために
  森川 大樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学
15. 生活習慣病と栄養療法:高血圧,高尿酸血症,脂質代謝異常における管理のポイント
  大國 皓平 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 総合内科学分野
16. 肥満,メタボリックシンドローム:減量のための食事療法を中心に
  須田 万勢 諏訪中央病院 リウマチ膠原病内科
17. 糖尿病の栄養管理:“double burden of malnutrition”における食事療法の個別化を考える
  中村 祐太 聖マリアンナ医科大学 代謝・内分泌内科
18. 慢性呼吸器疾患における栄養療法:COPD,間質性肺炎:病態から考える評価指標と,実践上の注意点
  田中 希宇人 日本鋼管病院 呼吸器内科

【付録】
① 外来での栄養指導
② 減塩指導の例
③ 栄養加算の一覧

【連載】
Clinician Update
  官澤 洋平・石丸 直人 愛仁会明石医療センター 総合内科

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