2025年7月下旬発売予定!
特集:ホスピタリストのための画像診断③腹骨盤部編
急性腹症をメインとした、画像診断特集の第三弾!
本特集は、「ホスピタリストのための画像診断 ①胸部・縦隔編」「②脳脊髄編」に続く、第三弾である。これまでと同様に、総論的に全体的な読影の仕方を解説したうえで各論に移る構成とした。
総論では、特に読影の基礎に関するニーズが高いと考え、腹骨盤部全体に加えて、臓器ごとに詳細な読影方法(その臓器の何に着目して、何を評価するのか)をご解説いただいた。各論については、以前の特集と比べて範囲が膨大なことから、今回は「急性腹症」を呈する疾患に限定する方針とした。急性腹症の特集は比較的多いが、なるべく臨床医あるいは初学者の視点に立って、読影のコツをふんだんに盛り込んでもらえるようお願いした。また、急性腹症と関係が深いトピックについてもコラムとして取り上げた。
幸いにも、いずれも各分野の第一人者がご執筆をお引き受けくださり、優れた放射線科医がどのように考えているのかわかるものとなっている。
読影の基礎を作る1冊として、また普段の臨床をガイドする1冊としてご活用いただき、また、放射線科医とどのような情報を共有すべきか、どういったときにどのような検査をするのかという観点でも読んでいただければ幸いである。
はじめに. 腹部画像診断のより良い実践に向けて:最初にお伝えしたい放射線科診療現場からのメッセージ
中井 雄大 東京大学医学部 放射線医学講座
Part 1 総論:腹骨盤部の画像診断
1. 腹骨盤部CTの基本事項、プロトコル、読影手順:部位、所見を意識し、撮像条件や表示条件を理解した読影を
上村 諒・井上 明星 滋賀医科大学 放射線医学講座
[コラム①]CT値と造影剤分布から組織を推定しよう!:6種類の物質の区別からスタートする
中井 雄大
[コラム②]腹骨盤部緊急MRIの適応は?:そのタイミングと適応疾患、造影剤
坂本 直也 東京大学医学部 放射線医学講座
Part 2 各論:臓器ごとの読影方法
2. 肝臓:評価すべき項目と、肝腫瘤の画像診断
金子 揚・松尾 政之 岐阜大学医学部 放射線医学教室
3. 胆囊・胆道、膵臓・脾臓:撮影法の利点を理解し、臓器ごと、臨床シナリオから考える
小坂 一斗 金沢大学附属病院 放射線部
4. 泌尿生殖器系・副腎:代表的疾患の画像的特徴と異常所見
磯﨑 丈範・渡辺 友里子 自治医科大学 放射線医学講座
松木 充 自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児画像診断部
5. 子宮・卵巣:画像診断の疾患ごとのタスク、正常像と異常所見
坪山 尚寛 神戸大学医学部附属病院 放射線科・IVR科
6. 消化管:層構造を意識して読み解くことで病態を理解しよう
谷掛 雅人 藤沢市民病院 放射線診断科
[コラム③]誤診注意! 正常破格と偽病変:日常臨床でよく見られるものから
児山 博亮 公立昭和病院 放射線科
Part 3 各論:急性腹症の画像診断
7. 腸間膜虚血:見逃してはならない腸管虚血の画像所見
益岡 壮太 自治医科大学附属病院 画像診断科
星合 壮大 筑波大学 放射線診断・IVR科
8. 腸閉塞・イレウス:腸管虚血の評価から手術が必要な患者を特定する
竹山 信之 昭和医科大学藤が丘病院 放射線科
藤澤 英文 昭和医科大学横浜市北部病院 放射線科
9. 腸炎・虫垂炎・消化管穿孔・腹膜炎:“何となくおかしい”からのアプローチ:非特異的な所見をいかに判断するか
山本 貴之 京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座(画像診断学・核医学)
10. 消化管出血:画像診断医は造影CTでどう評価するか
棚橋 裕吉・市川 新太郎・五島 聡 浜松医科大学 放射線診断科
[コラム④]読影し忘れ注意! 血管疾患:緊急度の高い病態を確実に見抜くために
谷島 智哉 虎の門病院 放射線診断科
11. 肝胆膵脾領域の急性疾患:急性発症し得る慢性疾患を含めて
黒川 遼 東京大学医学部 放射線医学講座
12. 泌尿器疾患:日常的に経験する疾患の典型所見を中心に
八木 文子・秋田 大宇・陣崎 雅弘 慶應義塾大学医学部 放射線科学教室
13. 婦人科疾患:しばしば出会うものを中心に
山内 哲司 奈良県立医科大学 総合画像診断センター
14. 腹骨盤部領域IVR:一般的な注意事項と主要な手技:検討・依頼するために最低限必要な知識
久保 貴俊 東京大学医学部 放射線医学講座
【連載】
ホスピタリストとエキスパートで深読み! 診療を変える最新論文:第2回 BLING Ⅲ試験
髙井 咲弥 飯塚病院 総合診療科
榎本 貴一 練馬光が丘病院 薬剤室
片岡 惇 練馬光が丘病院 総合救急診療科 集中治療部門
Clinician Update
官澤 洋平 神戸大学医学部附属病院 総合内科
石丸 直人 愛仁会明石医療センター 総合内科