特集:非侵襲的呼吸管理:NPPV vs.HFNC論争 いま決着のとき
コロナ禍を経て超高齢社会を迎えた本邦において,さまざまな医療をいかに低侵襲,低負担に行うかという点が極めて重要となっています。急性期呼吸管理においても,気管挿管を回避し適切に呼吸管理を行うことができる可能性のある非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)や高流量経鼻酸素療法(HFNC)は,なくてはならない医療の一つになりつつあります。しかし一方で,その適切な使用方法や使い分けについては十分な理解が得られていない点も多くなっています。これらの非侵襲的呼吸管理の不適切な使用により気管挿管のタイミングを逃すことは,予後を極めて悪化させることはよく知られています。また管理方法や設定方法についても,十分な急性呼吸不全の生理学的根拠やEBMに基づいて適切に行うことが重要でしょう。そして,その管理は経験値が豊富な施設と,そうではない施設とで成功率が大きく変わってくることもよく知られます。
本特集では,NPPV,HFNCについてのこれまでのエビデンスのまとめや,生理学的根拠の理解を進めることで,よりよい急性期呼吸管理を深く探求したいと考えます。
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1.NPPV,HFNCの総論
JA広島総合病院 救急・集中治療科 櫻谷 正明
2.各病態に対するNPPVとHFNCのエビデンス,使い分け
2-1.COPD増悪
国立国際医療センター 呼吸器内科 西村 直樹
2-2.うっ血性心不全
公立陶生病院 循環器内科 坂口 輝洋
2-3.急性低酸素性呼吸不全
済生会宇都宮病院 呼吸器内科 岡森 慧
2-4.【コラム】免疫不全患者
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 横山 俊樹
2-5.抜管後
JA広島総合病院 救急・集中治療科 前澤 俊憲
2-6.【コラム】急性呼吸不全診療における睡眠時無呼吸評価の重要性
京都大学大学院 呼吸管理睡眠制御学講座 村瀬 公彦
2-7.特殊病態:間質性肺炎急性増悪
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 寺町 涼
2-8.特殊病態:気管支喘息増悪
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 横山 俊樹
2-9.【コラム】緩和ケア
神戸市立医療センター中央市民病院 緩和ケア内科 三好 祐輔
3.NPPVとHFNCの離脱方法
大阪赤十字病院 救急科 貴志 亮太 ほか
4.NPPV,HFNCのインターフェイス
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床工学技術部 石橋 一馬
5.【コラム】ICU人工呼吸器によるNIVはあり? なし?
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 臨床工学科 開 正宏
6.NPPV,HFNC中の忍容性不良にどう対処するか?
神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科 伊藤 次郎
7.【コラム】鎮静剤をほんとうに使ってよいのか?
済生会宇都宮病院 救急・集中治療科 小林 絵梨 ほか
8.NPPV,HFNC中のモニタリング
聖路加国際病院 集中治療科 岡野 弘
9.座談会
※誌面の都合により,内容が変わることがあります。