メディカルアフェアーズ学 - 患者さんにくすりが届く そのすべての道のりを科学する -

  • 未刊

2026年7月下旬発売予定!



リピーター続出のDDCPセミナーがついに書籍化

これまでの「暗黙知」をこれからの「形式知」へ



メディカルアフェアーズは,企業への信頼の基盤

メディカルアフェアーズは,ステークホルダーとの協働のハブ

メディカルアフェアーズは,医療の未来を照らす灯台

医薬品や医療機器などの承認・販売には厳しい規制がある。その中で,組織から独立した立場で科学的な活動を通じて「くすり」の価値を最大化させるのがメディカルアフェアーズである。このメディカルアフェアーズを学問として体系化した初めての書。ライフサイエンス業界人は必携。

¥5,940 税込
芹生卓(APCER Life Sciences 取締役会シニアアドバイザー,DDCP代表理事,AMEDプロブラムオフィサー,国際製薬医学会シニアフェロー)・玉田寛(Nassau Biopharma Consulting CEO,NPOヘルスケアリーダーシップ研究会理事長)・中鉢知子(厚生労働省医療系ベンチャー・トータルサポート事業米国アンバサダー,Japan Pharmaceutical & BioScience)
ISBN
978-4-8157-3152-6
判型/ページ数/図・写真
B5変 頁248 図38 2色
刊行年月
2026年7月
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第1章 メディカルアフェアーズの概要
1. メディカルアフェアーズとは
2. メディカルアフェアーズ部門の役割
3. メディカルアフェアーズの歴史と進化
4. メディカルアフェアーズ部門内の組織構造
5. メディカルアフェアーズと他部門との関係性
<寄り道コラム>
❶アンメットメディカルニーズ
❷日本シエーリング社におけるメディカルアフェアーズ部門の創設
付録 コマーシャル部門の役割

第2章 メディカル戦略
1. メディカル戦略とメディカルプランとは
2. メディカル戦略・プランの立案プロセス
3. メディカル戦略・プランの立案ツール
4. メディカル戦略・プランの立案スキル
5. ツールを組み合わせるスキル
6. メディカル戦略・プランの立案実行体制
<寄り道コラム>
❶インサイトとは
❷「全体観のある統合的な理解」の事例

第3章 メディカルサイエンスリエゾン活動におけるインサイト生成と科学的交流
1. メディカルサイエンスリエゾンの位置づけ
2. メディカルサイエンスリエゾン役割論争の歴史的背景
3. メディカルサイエンスリエゾン活動の実際
4. インサイト生成の方法論
5. インサイト生成プロセスにおける AI と人間の役割分担
6. 社内での共有と戦略化プロセス
7. 新しいパラダイムに基づくメディカルサイエンスリエゾン活動の全体像
<寄り道コラム>
❶ CQ は戦略のしもべ?
❷帰納法と演繹法──インサイト生成における認知的飛躍
❸メディカルサイエンスリエゾンは戦略の受け手か,それとも担い手か

第4章 エビデンス創出とパブリケーション
1. 背景と役割認識
2. 戦略を軸にしたパブリケーションプラン
3. パブリケーションプランと整合性の重要性
4. 統合されたパブリケーションプラン
5. エビデンス創出と IEGP
6. 日本におけるエビデンス創出とパブリケーション活動の特殊性
7. 組織・人材・プロセス
8. 今後の課題と展望
9. まとめ
<寄り道コラム>
❶レイサマリーに関する規制当局通知の位置づけ

第5章 メディカルインフォメーション
1. メディカルインフォメーションが担う役割
2. メディカルインフォメーションの主な業務
3. 他部門との連携
4. 講演会スライドレビュー
5. 法規制・コンプライアンス
<寄り道コラム>
❶メディカルアフェアーズにおける中立とは
❷総括製造販売責任者の法制化と三役体制の進化
❸カスタマーハラスメント対策法
付録 薬機法第 66-68 条 医薬品等の広告規制について 厚生労働省 解説

第6章 メディカルアフェアーズとコンプライアンス
1. コンプライアンスの概念と歴史
2. コンプライアンスを監督する第三者機関
3. 日本のコンプライアンス違反事例
4. 医療情報の信頼性と透明性の確保
5. 全社的なコンプライアンスにメディカルアフェアーズが果たす役割
6. プロモーション資材レビュー
7. メディカルエデュケーションのあり方
8. コンプライアンスに関わる法規制
<寄り道コラム>
❶サンシャイン規制
❷コンプライアンス違反にかかる莫大な米国の罰金
❸プロモーション資材レビュープラットフォーム
❹米国におけるメディカルエデュケーション
❺自社製品と他社製品との比較情報について

第7章 人材マネジメントとリーダーシップ
1. メディカルアフェアーズ人材の変遷
2. メディカルアフェアーズ人材に必要なスキル
3. キャリア開発
4. メディカルアフェアーズのリーダーシップ
5. 人材マネジメントにおける課題
<寄り道コラム>
❶研究者出身のメディカルアフェアーズ担当者にありがちな失敗
❷「変わる資質 teachables」と「変わらない/変わりにくい資質 non-teachables」

第8章 グローバルとローカルの協業
1. 問題定義:ローカルから見たグローバル協業の悩み
2. 原因同定:構造的要因の分析
3. 解決の方向性:協業のためのフレームワーク
<寄り道コラム>
❶戦略の三つの類型
❷欧米型高速意思決定の二面性
❸米国企業と欧州企業のスタイルの違い
❹米国市場という“例外的ユニークネス”
❺カッツのスキル理論と「戦略翻訳」に求められる力

第9章 ステークホルダーコミュニケーションとエンゲージメント
1. 社内ステークホルダーマネジメント
2. 外部ステークホルダーマネジメント
3. KOL との関係構築
4. アドバイザリーボード
5. 患者とのエンゲージメント
<寄り道コラム>
❶ KOL との「距離感」にみる日米文化差

第10章 メディカルアフェアーズのベストプラクティス
1. 事例の背景
2. 製品ライフサイクルを通した戦略介入
3. インサイト生成と活用に基づく戦略が組織に与える影響
4. メディカルアフェアーズが直面する日々の業務ハードル
5. 好循環モデルを作り出すために
6. 人材マネジメント・キャリア開発とリーダーシップ
<寄り道コラム>
❶適応拡大のベストプラクティス
❷患者中心の適正使用へのベストプラクティス
❸適正使用徹底のベストプラクティス

第11章 メディカルアフェアーズの将来展望
1. 個別化医療の時代とメディカルアフェアーズの進化
2. 個別化医療を支える科学的基盤
3. 医薬品のライフサイクルのグローバル化
4. 新規モダリティへの対応
5. AI の活用
6. メディカルインフォメーションの将来像
7. 未来のメディカルアフェアーズ人材像
<寄り道コラム>
❶くすりの価値
❷最適使用推進ガイドライン

一つの画期的な分子が発見されてから,それが実際に患者さんの手元に届き,命を救い,生活の質(QOL)を向上させるまでには果てしのない道のりがあります。優れた医薬品が開発されるだけでは十分ではありません。その「くすり」が「誰に」「いつ」「どのように」最も安全かつ効果的に使われるべきかという科学的根拠(エビデンス)が正しく構築され,医療現場へ,そして患者さんへと届けられて初めて,その「くすり」は真の価値を発揮します。この「創薬から患者さんへ届くまでのすべての道のり」を科学的に見つめ繋ぐ役割を担うのが「メディカルアフェアーズ」です。
本書が見据えるのは,医薬品のみならず,医療機器,再生医療等製品,診断薬など,各国・地域の規制当局による承認・規制のもとで患者さんに届けられるライフサイエンス製品全体です。それらを包括した概念として,あえてひらがなの「くすり」という表現をサブタイトルに用いています。一方で,本書においては,特に高い科学性と厳格な規制のもとで開発・適正使用が求められる医薬品を中心に議論を進めています。
これまで,日本のメディカルアフェアーズ領域には実務に直結した体系的な学問基盤,すなわち「教科書」と呼べるものが存在しませんでした。多くは現場の暗黙知や経験則に頼ってきたのが実情です。しかし,医療の高度化が進む今,メディカルアフェアーズは「経験」ではなく,確かな「科学(サイエンス)」として定義され,学ばれるべき局面を迎えています。本書は,日本で初めてメディカルアフェアーズを一つの学問・科学として捉え,その全体像を体系化した教科書です。
製薬業界をはじめライフサイエンス業界は,コンプライアンス(規制遵守)の徹底は議論の余地のない絶対的な前提です。しかし,メディカルアフェアーズの真の使命は,単にルールを遵守することにとどまりません。最も重要なのは,患者さんに最高の価値を届けるために「サイエンス」を紡ぎ,それを医療現場で「実践」することにあります。

医薬品開発能力促進機構(DDCP)では,メディカルアフェアーズ担当者や志望者を対象に,セミナーやメンタリングなどを通じた人材育成活動を継続的に行っています。本書は,そうした活動を通じて得られた知見と,多くの参加者から寄せられた課題意識を踏まえ,実務に直結する体系的な学びを提供することを目的として企画されました。
本書は,以下のような方々のために編纂されました。
メディカルサイエンスリエゾン:高度な科学的専門性を武器に,トップクラスの医療従事者と対等なディスカッションを行うことで,深いインサイトを生成し,潜在的な医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)を見出すうえで本書が役立ちます。
メディカルリード:メディカルサイエンスリエゾンが見出したアンメットメディカルニーズの解像度を上げ,解決に値する課題を見抜き,実効性とインパクトのある戦略的で全体観のある解決策を構築・実行するうえで本書が役立ちます。
メディカルインフォメーション・パブリケーション・エビデンス創出担当者:個々の施策がどのように統合されてインパクトと実効性のあるメディカルプランに昇華するかを理解することで,より優れた施策のデザインと実行が可能になります。
他部門のプロフェッショナル:開発,営業(MR),マーケティングなどの立場から,メディカルアフェアーズとより強固なシナジーを生むのに役立ちます。
薬学部や医学部・生命科学分野の学生・大学院生:自身の専門性を生かす未来のキャリアとして,メディカルアフェアーズおよびメディカルサイエンスリエゾンの可能性と魅力を深く理解するために用いることができます。

本書が,日本のライフサイエンス業界を牽引する次世代のプロフェッショナル,そして未来のメディカルアフェアーズを担う若き志たちの確かな道標となることを願ってやみません。「くすり」を待つすべての患者さんのために,私たちが進むべき道標が,ここにあります。さあ,共に学び,共に成長しましょう。


2026 年 6 月
著者一同

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