INTENSIVIST(インテンシヴィスト) 2026年3号

特集:ガイドラインの意図を読み解く—栄養療法の実践知



2024年,日本集中治療医学会(JSICM)は,重症患者の栄養療法ガイドライン(JCCNG 2024)を改訂しました。GRADEシステムを初めて導入し,37のClinical Question(CQ)に対して24の推奨が示されたこのガイドラインは,2016年版から大きく進化しています。しかし,ガイドラインが示す「推奨」はあくまでも出発点です。推奨の背景にあるエビデンスの性質,対象患者集団の特性,益と害のバランス,そして日本の実臨床環境との乖離,こうした「行間」を理解しなければ,推奨の表面だけをなぞることでかえって個々の患者に不利益が生じる可能性があります。

 本特集は,ガイドラインのCQを軸として,「なぜこの推奨なのか」「このエビデンスの限界はどこか」─というガイドラインへの向き合い方,および,「間接熱量計がない施設ではどうすればよいか」「シンバイオティクスの強く推奨はどのような研究に基づくのか」─という実臨床の疑問に正面から答えることを目的とします。



INTENSIVIST0号(創刊当時の座談会の模様)はこちら




  • 「世界標準の集中治療を誰にでもわかりやすく」をコンセプトに、若手医師の育成や情報交換を目的として発足した「日本集中治療教育研究会」(Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care=JSEPTIC)の活動をベースに、年4回発行。

  • 毎号1つのテーマを決め、最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説。施設ごとに異なる診療を見直し、これからの集中治療のスタンダードを提示する。

  • 重症患者の治療にあたる医師として最低限必要な知識を手中に収めるべく、テーマは集中治療にとどまらず、内科、呼吸器、救急、麻酔、循環器にまで及び、ジェネラリストとしてのインテンシヴィストを追求する。

  • 集中治療専門医、それを目指す若手医師をはじめ、専門ナース、臨床工学技士、さらには各科臨床医に対し、集中治療を体系的に語り、議論し、意見交換ができる共通の場(=アゴラ)を提供する。











JSEPTIC ホームページ

特定非営利法人 日本集中治療教育研究会




 

¥5,170 税込
著
責任編集:中西 信人(神戸大学大学院医学研究科 災害・救急医学分野)・安田 英人(自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科)
ISBN
978-4-8157-2116-9
刊行年月
2026年9月
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【Part 1 総論】
1.巻頭言:特集の目的と全体オーバービュー
 中西 信人 神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野
2.重症患者栄養療法の歴史と未来:ハードアウトカムを超えて,post-ICU回復を支える治療へ
 小谷 穣治 大阪府済生会中津病院 顧問/神戸大学 名誉教授
3.日本版重症患者の栄養療法ガイドライン2024:作成の裏側と読み方:ガイドラインを正しく深く読むために必要なエッセンス
 中村 謙介 神戸大学医学部附属病院 救命救急科

【Part 2 各論 CQ解説:ガイドラインの行間を読む】
4.診療ガイドラインは我々をどこまで導いてくれるのか?:推奨は合格点,その先の満点を目指すのはあなただ
 安田 英人 自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科
5.CQ1-1:重症患者において,栄養投与プロトコルを使用した栄養療法を行うべきか?
 宮島 功 近森病院 臨床栄養部
6.CQ1-5:重症患者において,集中治療開始後48時間以内に経腸栄養を開始すべきか?
 松嶋 真哉 杏林大学 保健学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻
7.CQ1-2:重症患者において,経静脈栄養よりも経腸栄養を行うべきか?
 恒光 健史 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野
8.CQ1-6:循環動態不安定な重症患者において経腸栄養を行うことは,経腸栄養を行わない,もしくは経静脈栄養を行う場合と比較して有用か?
 佐川 まさの 東京女子医科大学附属足立医療センター 外科
 田口 聡久 京都大学医学部附属病院 麻酔科
9.CQ1-10:経腸栄養が行えない重症患者における経静脈栄養の考え方は?
 大沢 優也 済生会横浜市東部病院 栄養部
 吉田 稔 国立病院機構本部 医療部 情報分析課 総合研究センター臨床研究統括部
10.CQ1-7:経腸栄養での栄養投与量が不足している重症患者に,経静脈栄養を併用すべきか?
 桂 欣宏・伊藤 次郎 神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科・集中治療部
11.CQ1-3: 重症患者の治療初期において,エネルギー投与量は消費エネルギー量よりも意図的に少なくすべきか?
 西條 豪 大阪労災病院 栄養管理部
12.CQ3-2:重症患者において消費エネルギー量の推定に間接熱量測定を実施すべきか?
 大島 拓 神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野
13.CQ1-4:重症患者において,標準を超えるタンパク質量(>1.2 g/kg/day)を投与すべきか?
 工藤 雄洋 済生会横浜市東部病院 栄養部
14.CQ1-9:重症患者の経胃栄養投与において,間欠投与よりも持続投与を行うべきか?
 林 実 福井県立病院 救命救急センター
15.CQ2-3:重症患者において,半消化態栄養剤または天然濃厚流動食より,消化態栄養剤または成分栄養剤による経腸栄養を行うべきか?
 櫻本 秀明 近畿大学 看護学部
16.CQ3-4:経腸栄養を行っている重症患者に対する腸管不耐の評価方法は?
 寺田 師 上尾中央総合病院 栄養科
17.CQ3-6:重症患者の下痢,便秘への対策方法は?
 丹保 亜希仁 旭川医科大学 救急医学講座
18.CQ2-7:重症患者において,プレ/プロ/シンバイオティクスを投与すべきか?
 畠山 淳司 横浜市立大学 医学部 救急医学教室
19.CQ3-8:重症患者において,Refeeding症候群に対する栄養療法の考え方は?
 宮城 朋果 順天堂大学 医学部 救急・災害医学講座
20.CQ3-1:重症患者に栄養療法を行う前に栄養評価は必要か?
 中西 信人

連載
■最新エビデンスを読む 第10回
SOFAからSOFA-2へ:30年ぶりの改訂とその意義
 中路 大貴・遠藤 拓郎・加納 誠也 帝京大学 医学部 救急医学講座
■え?知らないの? 血液透析管理
〈シリーズ構成:上岡 晃一 東京医科大学病院 臨床工学部〉
 濱田 悠佑 聖マリアンナ医科大学病院 臨床工学技術部
■ Intensive Q:Challenge your Critical Thinking 第3回
重症頭部外傷のマネジメント
〈シリーズ構成:岡田 和也 東京都立墨東病院 集中治療科〉
 上村 恵理 長崎大学病院 高度救命救急センター
 江川 悟史 TMGあさか医療センター 神経集中治療科/Neuro ICU and Coma Science Center
■ 集中治療に関する最新厳選20論文
 田邊 翔太 松江赤十字病院 救急部
 吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学 救急医学

特別掲載
■他科多職種連携の極意とホンネ 第4回
⑦知っておきたい救急看護認定看護師の葛藤と信条
 山崎 早苗 東海大学医学部付属八王子病院 看護部
⑧プレホスピタルからERまで支える救急専任薬剤師
 山口 義樹・小杉 卓大 友愛医療センター 薬剤科

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